生命保険金に相続税はかかる?かかる条件や非課税枠について解説

生命保険金に相続税はかかる?かかる条件や非課税枠について解説

生命保険(共済)に加入していて受け取れるお金には、入院給付金・手術給付金・通院給付金・就業不能給付金などの給付金のほか、満期保険金・死亡保険金といった保険金など、実にさまざまな種類があります。これらのお金を保険会社から受け取る際、ケガや病気で受け取る給付金については非課税で税金がかからないことはご存知の方も多いでしょう。
一方、各種保険金を受け取る際に税金がかかるかどうか分からないという方は多いかもしれません。なかでも死亡保険金については、遺族の今後の生活費に関わってくることから、相続税がかかるかどうかは大きなポイントだといえます。

今回は、生命保険金を受け取る際にかかる税金のなかでも「相続税」に焦点をあて、以下の内容を詳しく解説していきます。


  • 生命保険金にかかる税金の種類
  • 相続税と贈与税の違い
  • 生命保険(共済)に相続税がかかる条件
  • 生命保険(共済)の相続税非課税枠について

本内容は、令和4年8月の制度等にもとづき、記載しています。

この記事を読むと分かること

  • 生命保険金にかかる各種税金
  • 生命保険金に相続税がかかる場合
  • 生命保険金の相続税非課税枠について

そもそも税金がかかる生命保険金

まずは生命保険金にかかる税金の種類から説明しましょう。 一部の保険金(※1)を除き、生命保険金を受け取る際には、所得税(+住民税・復興特別所得税)贈与税、相続税のいずれかが課税されます。どの税金が課税されるかは保険金の種類や契約形態によって決まります。主な生命保険金別にかかる税金の種類は以下のとおりです。

※1.非課税となる保険金・・・特定疾病保険金、リビングニーズ特約保険金、介護保険金、高度障害保険金など(保険金を受け取った後に、被保険者が亡くなり、当該保険金が残っていた場合には、相続税の課税対象となります。)

満期保険金

満期保険金は、養老保険(共済)など満期保険金の設定のある保険(共済)に加入し、被保険者が生存して満期を迎えられた場合に支払われる保険金です。契約者と満期保険金の受取人が同じ場合、受け取る満期保険金は「契約者本人の一時所得」と見なされ、「所得税」がかかることになります。その他のケースは以下のとおりです。



満期保険金にかかる税金
契約者 被保険者 満期保険金
受取人
受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 所得税
妻もしくは 子ども
契約者と受取人が別人 妻もしくは 子ども 贈与税
妻もしくは 子ども
子ども 妻もしくは 子ども
満期保険金にかかる税金
契約者 被保険者 満期保険金
受取人
受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 所得税
妻もしくは 子ども
契約者と受取人が別人 妻もしくは 子ども 贈与税
妻もしくは 子ども
子ども 妻もしくは 子ども

死亡保険金

死亡保険金は、死亡保障のある保険(共済)に加入していて、保険期間中に被保険者が亡くなった場合に支払われる保険金です。契約者と死亡保険金の受取人が同じで被保険者が異なる場合、受け取る死亡保険金には「所得税」がかかります。

また、契約者と被保険者が同一人で死亡保険金の受取人が家族の場合は相続税、契約者・被保険者・死亡保険金の受取人がすべて異なる場合には贈与税の対象となります。

死亡保険金にかかる税金
契約者 被保険者 死亡保険金
受取人
受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 妻もしくは 子ども 所得税
契約者=被保険者 妻もしくは子ども 相続税
契約者・被保険者・受取人がすべて別人 子ども 贈与税
子ども
死亡保険金にかかる税金
契約者 被保険者 死亡保険金
受取人
受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 妻もしくは子ども 所得税
契約者=被保険者 妻もしくは 子ども 相続税
契約者・被保険者・受取人がすべて別人 子ども 贈与税
子ども

個人年金保険の年金

個人年金保険(共済)の年金を受け取る際にかかる税金の種類は、契約者(保険料を負担する方)と年金の受取人の関係により、主に以下の2種類のいずれかに決まります。



  • 契約者と年金受取人が同じ方→所得税
  • 契約者と年金受取人が違う方→贈与税、所得税


また、個人年金保険(共済)の年金受け取り開始後に被保険者が亡くなった場合には、相続税が発生するケースもあるなど、さらに複雑になります。



1 被保険者が生存している場合

個人年金保険(共済)の年金にかかる税金
契約者 被保険者 年金受取人 受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 夫もしくは妻 所得税
契約者と
受取人が別人
夫もしくは妻 ・年金開始時点に贈与税
・2年目以降は所得税
個人年金保険(共済)の年金にかかる税金
契約者 被保険者 年金受取人 受取人にかかる
税金の種類
契約者=受取人 夫もしくは妻 所得税
契約者と
受取人が別人
夫もしくは妻 ・年金開始時点に贈与税
・2年目以降は所得税


2 保証期間付終身年金で、被保険者が死亡した場合
個人年金保険(共済)の年金にかかる税金
契約者 被保険者 年金受取人 受取方法 税金の種類
契約者 =被保険者 =受取人 一括 相続税
年金方式 ・相続時に相続税
・2年目以降は所得税
・契約者=被保険者
・受取人は別人
一括 ・贈与税
年金方式
・契約者=受取人
・被保険者は別人
一括 所得税
年金方式
・被保険者=受取人
・契約者は別人
一括 ・契約者が受取→所得税
・契約者以外の受取→贈与税
・相続税
年金方式 ・契約者が受取→所得税
・相続税
・契約者以外が受取→受取時に贈与税、2年目以降は所得税
・所得税等・住民税
個人年金保険(共済)の年金にかかる税金
契約者 被保険者 年金受取人 受取方法 税金の種類
契約者 =被保険者 =受取人 一括 相続税
年金方式 ・相続時に相続税
・2年目以降は所得税
・契約者=被保険者
・受取人は別人
一括 ・贈与税
年金方式
・契約者=受取人
・被保険者は別人
一括 所得税
年金方式
・被保険者=受取人
・契約者は別人
一括 ・契約者が受取→所得税
・契約者以外の受取→贈与税
・相続税
年金方式 ・契約者が受取→所得税
・相続税
・契約者以外が受取→受取時に贈与税、2年目以降は所得税
・所得税等・住民税

個人年金保険(共済)についてさらに詳しく知りたい方は、こちらも参考にしてください。



関連: 意外と知らない個人年金保険とは?利用するメリットや注意点についてわかりやすく解説!

相続税とは

相続税は、亡くなられた親族からお金や土地といった財産を引き継いだ際に課される税金です。

相続税の徴収は、結果的に国による資産の再分配につながる仕組みになっています。相続税は財産を相続したら必ずかかるわけではなく、財産が一定の額(基礎控除額)を超えた場合にかかります。基礎控除額とは税金のかからない金額であり、その範囲は税金の種類によって異なります。相続税率は財産の大きさに比例して高くなる累進課税となっているため、経済格差の固定化を防止する役目も果たしているのです。

相続税と贈与税の違い

相続税と贈与税はともに、個人から財産を与えられた際にかかる税金です。受け取った財産に相続税と贈与税のどちらが課せられるのかは、その財産が「いつ」与えられたかで決まります。

財産を渡す方が生きている間に誰かに財産を与えた場合には贈与税、財産の持ち主が亡くなったあとにその財産を受け取った場合には相続税の対象となるのです。



「いつ」財産が与えられたのか 財産を受け取った方にかかる税金の種類
財産を渡す方が 生きている間 贈与税
亡くなられたあと 相続税
「いつ」財産が与えられたのか 財産を受け取った方にかかる税金の種類
財産を渡す方が 生きている間 贈与税
亡くなられたあと 相続税

このように、遺産を相続する子どもにかかる相続税を最小限にするために、生前贈与という形をとる方も増えています。日本の相続税と贈与税はともに税率が高いことで知られているため、しっかり試算して決めることが大切だといえるでしょう。

生命保険金に相続税がかかる場合

生命保険金に相続税がかかる場合について、対象や条件、相続税の計算方法を説明していきます。

相続税がかかる対象・条件

相続税の課税対象となる保険金は以下のように定義されています。

被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となります。



つまり生命保険金に相続税がかかるのは、以下のような条件となります。



  • 契約者本人が自分にかけていて、保険料も負担していた保険(共済)の死亡保険金を家族が受け取る場合
  • 契約者本人が自分にかけていて、保険料も負担していた個人年金(保証期間付終身年金)保険(共済)で、年金受取開始後に被保険者が亡くなったことにより家族が未払金等を受け取る場合

ただし、上記に当てはまる場合の生命保険金すべてに相続税がかかるわけではありません。相続税には基礎控除額が設けられていますので、計算式で算出した相続税の課税遺産総額がプラスにならなければ、納税する必要がある相続税は発生しないことになります。

相続税の計算方法

まずは相続税の課税対象となる課税遺産総額を算出します。相続税の基礎控除の計算式は以下のようになっています。

基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

【例】夫が亡くなり、妻と子ども2人が遺された場合の基礎控除額は以下のようになります。

「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」



課税遺産総額を算出する計算式はこちらです。

・相続遺産総額―基礎控除=課税遺産総額(相続税がかかる金額)

相続遺産総額のうち基礎控除を超えた部分(課税遺産総額)に相続税がかかるため、相続遺産総額が基礎控除の範囲を超えていなければ相続税は発生しません。

相続遺産が基礎控除を超えた場合は、以下の流れで相続税を計算していきます。



  1. 課税遺産総額を相続人が法定相続分どおりに相続したと仮定し、課税遺産総額を分ける。
  2. 分けられたそれぞれの課税遺産額に相続税率をかけ、控除を差し引いて相続税額を計算する。
  3. 2で算出した相続税額を合計する(相続税の総額)
  4. 相続税の総額を、相続人それぞれが実際に取得した財産の割合に応じて分け、相続税を負担する。

【例】夫が亡くなり、妻と子ども2人が遺され、1億円の遺産を相続する場合の相続税額



・相続遺産総額1億円―基礎控除4,800万円=5,200万円(課税遺産総額)



1 法定相続分どおりに課税遺産総額を分ける
妻:5,200万円×1/2=2,600万円
子:5,200万円×1/2×1/2=1,300万円
子:5,200万円×1/2×1/2=1,300万円

2 それぞれの課税遺産額に相続税率をかける
妻:2,600万円×15%―50万円=340万円
子:1,300万円×15%―50万円=145万円
子:1,300万円×15%―50万円=145万円

3 相続税の総額を合計する
340万円+145万円+145万円=630万円

4 実際の取得財産の割合に応じて相続税を負担する
相続遺産1億円を妻7,000万円、子ども2人が1,500万円ずつ取得した場合
妻:630万円×(7,000万円/1億円)=441万円
子:630万円×(1,500万円/1億円)=94.5万円
子:630万円×(1,500万円/1億円)=94.5万円



相続税の計算では、以下の2つを利用しています。

「法定相続分の例」



相続人 法定相続分
子がいる場合 配偶者 1/2
1/2(人数分に分ける)
子がいない場合 配偶者 2/3
父母 1/3(人数分に分ける)
子も父母もいない場合 配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4(人数分に分ける)
相続人 法定相続分
子がいる場合 配偶者 1/2
1/2(人数分に分ける)
子がいない場合 配偶者 2/3
父母 1/3(人数分に分ける)
子も父母もいない場合 配偶者 3/4
兄弟姉妹 1/4(人数分に分ける)


「相続税の速算表」

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
1,000万円超~3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超~5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超~1億円以下 30% 700万円
1億円超~2億円以下 40% 1,700万円
2億円超~3億円以下 45% 2,700万円
3億円超~6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

相続税の計算方法について、詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。


関連:相続税はいくらかかるの?知っておきたい相続税の基礎知識について

生命保険金の相続税非課税枠とは?

「相続税の計算方法」で少し触れましたが、相続財産の課税遺産総額を計算する際、差し引けるものの1つに「非課税財産」があります。つまり、相続財産でも種類や範囲によっては相続税が課されません。非課税財産と似たもので基礎控除がありますが、両方とも遺産総額から差し引けるという点では同じです。

相続税の非課税枠とは

相続税の非課税枠は、生命保険金を含め以下のようになっています。



相続遺産の内容 非課税額
お墓、仏壇 全額
国・地方公共団体などへ寄附した財産 全額
死亡保険金 500万円×法定相続人の数
死亡退職金 500万円×法定相続人の数
相続遺産の内容 非課税額
お墓、仏壇 全額
国・地方公共団体などへ寄附した財産 全額
死亡保険金 500万円×法定相続人の数
死亡退職金 500万円×法定相続人の数

生命保険金の相続税が非課税になる場合

生命保険金のうち死亡保険金は、遺族の今後の生活費の一部となる目的でかけられた保障です。そのため「死亡保険金の受取人が相続人の場合」に限り、上記の金額の範囲で非課税が適用となります。夫にかけられていた死亡保険金が5,000万円、妻が受取人で法定相続人は妻・子ども2人の合計3人の場合、死亡保険金のうち以下の範囲が非課税となり、非課税となる金額を差し引いた残りの金額を課税遺産総額に加えることになります。



  • 500万円×3人=1,500万円(相続税が非課税となる死亡保険金額)
  • 死亡保険金5,000万円-非課税分1,500万円=3,500万円(相続税の課税遺産総額に加える金額)

法定相続人が多いほど非課税となる金額は大きくなります。また、死亡保険金における非課税金額を算出する際は、相続を放棄した法定相続人も含んで計算します。

生命保険選びは課税関係を調べよう

生命保険(共済)は、ケガや病気による給付金を非課税で受け取れるという、とても心強い契約です。ただし、満期保険金や死亡保険金を受け取る際には所得税や相続税、贈与税のいずれかがかかります。特に相続税については、契約者と被保険者が同一で、被保険者が亡くなったケースで支払われる死亡保険金や個人年金などで発生することを覚えておくとよいでしょう。 生命保険(共済)に加入する際は、保険金を受け取る際にどのような税金がどれくらいかかるのかを確認しておくことをおすすめします。


参考:
財務省
https://www.mof.go.jp/
国税庁
https://www.nta.go.jp/
公益財団法人 生命保険文化センター
https://www.jili.or.jp/

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