自動車保険(共済)の等級制度とは?決まり方や上下する条件、引継ぎ方法を解説

自動車保険(共済)の等級制度とは?決まり方や上下する条件、引継ぎ方法を解説

若年層の自動車離れが指摘される一方で、現在も自動車は多くの家庭にとって欠かせない移動手段です。内閣府がおこなっている消費動向調査によると、乗用車普及率は二人以上世帯で78.2%(令和7年3月末)とされており、今なお多くの世帯が自動車を保有していることがわかります。

自動車保険(共済)の保険料(掛金)に大きく影響するのが「等級制度」です。等級の仕組みを正しく理解しておくことで、保険料(掛金)がどのように決まるのか、また負担を抑えるために意識すべきポイントが見えてきます。

今回は、自動車保険(共済)の等級制度について、保険料(掛金)の割引率の決まり方や等級が下がる事故の例、保険(共済)を乗り換える際の等級の引継ぎなどを詳しく解説します。

本内容は、令和8年1月時点の制度等に基づき、記載しています。本記事に記載の内容・条件によって異なる場合がございます。詳しくは、共済・保険各社・各団体へお問合せください。



自動車保険(共済)の等級とは

自動車保険(共済)の等級とは、事故歴や保険金請求の有無に応じて自動車保険(共済)の保険料(掛金)の割引・割増を決める制度「ノンフリート等級」のことです。1等級から20等級までの20段階に分かれており、はじめて自動車保険(共済)(共済)を契約する場合は6等級からスタートします。無事故で保険(共済)を継続すると毎年等級が上がって保険料(掛金)の割引率も高くなり、最も安くなるのは20等級(※22等級までの会社もあり)です。


一方、事故を起こして保険(共済)を使うと等級が下がり、翌年以降の保険料(掛金)は割増されます。


このように自動車保険(共済)(共済)の等級制度は、安全運転を心がける方ほど、保険料(掛金)の負担が軽くなる仕組みとなっています。

自動車保険(共済)の等級の決まり方

自動車保険(共済)の等級は、12か月契約の場合、1年間の事故の有無や保険金(共済金)請求の状況によって決まります。1年間無事故で保険(共済)を使わなければ、翌年度の等級は1つ上がります。一方、事故を起こして保険金(共済金)を受け取ると、翌年度の等級は下がる仕組みです。

ただし「ノーカウント事故」と呼ばれるケースでは、保険金(共済金)を請求しても等級の上下に影響せず、翌年度の等級が下がることはありません。

なお、等級が下がる事故を起こした場合は、事故の内容や件数に応じて翌年度の等級だけでなく「事故有係数適用期間」も決まります。事故有係数適用期間については、以下で詳しく解説していきます。

事故有係数と事故有係数適用期間とは

自動車保険(共済)の保険料(掛金)は等級制度の割引率は等級だけで決まるのではなく、等級ごとに設定された「無事故」と「事故有」の区分によっても割引率が異なります。

事故を起こして保険(共済)を使用した場合に適用される係数を「事故有係数」、無事故で保険(共済)を使用していない場合に適用される係数を「無事故係数」といいます。事故有係数は無事故係数よりも高いため、同じ等級であっても事故有係数が適用されていると保険料(掛金)は高くなるのです。

等級ダウンとなる事故を起こすと、次回の契約から一定期間「事故有係数適用期間」に入り、この期間中は事故有の割引率が適用されます。事故有係数適用期間は、3等級ダウン事故1件につき3年、1等級ダウン事故1件につき1年が加算され、上限は6年です。期間中は同じ等級でも保険料(掛金)が高くなりますが、適用期間が終了すると無事故係数に戻ります。

自動車保険(共済)の等級ごとの割引・割増率

実際の割引・割引率は保険各社、各共済団体によって異なる場合があります。詳しくは各社・団体へお問い合わせください。

等級ごとの割引・割増率は、保険会社(共済団体)ごとに設定が異なるため、実際に適用される数値は各社の公式サイトや約款での確認が必要です。

自動車保険(共済)の等級はいつ上がる?

自動車保険(共済)の等級は、保険(共済)契約の更新時に判定されます。12か月契約の場合、保険(共済)契約の始期日から満期日までの1年間に無事故、または事故があっても保険金(共済金)を請求しなかった場合、翌年の契約で等級は1等級ずつ上がります。これは、1年間の事故状況に基づいて等級が決まる仕組みになっているためです。


例えば、5等級だったドライバーが1年間無事故であった場合、翌年の契約では6等級となり、割引率も高くなります。ただし、等級の上限は20等級のため、すでに20等級の場合は無事故であっても等級は変わりません。また、等級は1年につき1等級ずつしか上がらず、3等級ダウンする事故を起こした場合でも、一度に複数の等級を取り戻すことはできません。


なお、翌年に適用される等級は契約更新時に届く案内書類で確認できます。現在の等級は、保険証券(共済証書)や保険会社(共済団体)のマイページなどで確認できます。

事故で自動車保険(共済)を使うと等級が下がる?

事故を起こして自動車保険(共済)を使った場合でも、必ずしも等級が下がるとは限りません。事故の内容や補償の使い方によって、等級が下がるケースと下がらないケースがあります。


ここでは、以下の具体例をもとに等級が下がる事故について解説します。


  • ノーカウント事故の例
  • 1等級ダウンする事故の例
  • 3等級ダウンする事故の例

ノーカウント事故の例

「ノーカウント事故」とは、保険金(共済金)を受け取っても等級が下がらない事故のことです。

ノーカウント事故になる主な補償は、以下のとおりです。なお、補償の名称は、保険会社(共済団体)ごとに異なる場合があります。


  • 搭乗者傷害特約
  • ファミリーバイク特約(運転車家族原付特約)
  • 弁護士特約
  • 個人賠償特約 など

1年間にノーカウント事故しか起こさなければ、翌年の契約では無事故と同じ扱いとなり、等級は1つ上がります。事故有係数適用期間も発生しないため、保険料(掛金)への影響はありません。

1等級ダウンする事故の例

等級が1等級ダウンしてしまう事故は、車両補償にかかる保険金(共済金)のみ支払われる場合で、次の原因によるものが挙げられます。


  • 火災・爆発
  • 盗難
  • 台風・竜巻・洪水・高潮
  • 落書き・いたずら
  • 窓ガラスの破損
  • 飛び石などとの衝突 など

これらの事故を1件起こすごとに、等級は1等級ダウンします。例えば、はじめて自動車保険(共済)を契約した年に1等級ダウン事故で保険金(共済金)を受け取った場合、翌年の等級は6等級から5等級に下がり、事故有係数適用期間は1年となります。

3等級ダウンする事故の例

3等級ダウン事故は、保険(共済)を使うことで等級が3段階下がり、翌年以降の保険料(掛金)が大きく上がる事故です。負担が大きいため避けたいところですが、実際には多くの事故がこの3等級ダウンに該当します。

3等級ダウンする事故の例は、以下のとおりです。


  • 電柱・ガードレールなどに衝突した単独事故
  • 相手にけがをさせてしまった事故
  • 車同士の接触や追突
  • あて逃げ など

3等級ダウン事故は1件ごとに等級が下がるため、1年間に2件の事故で保険金(共済金)を受け取ると、翌年の等級は6等級下がります。

自動車保険(共済)の等級に関する豆知識

ここでは、自動車保険(共済)をよりお得に利用するための豆知識をご紹介します。

自動車保険(共済)の等級の引継ぎ方法

自動車保険(共済)を別の保険会社(共済団体)へ乗り換える場合でも、現在の等級は原則として引き継ぐことが可能です。契約の満期日にあわせて切り替えれば、契約先が変わっても、等級や事故有係数適用期間はそのまま引き継がれます。


ただし、前契約と新契約の間に空白期間が生じた場合は注意が必要です。保険(共済)の満期日または解約日の翌日から起算して8日以上経過すると、一般的には等級を引き継げず、新契約は6等級からのスタートとなります。


一方、保険会社(共済団体)が発行する「中断証明書」を取得していれば、8日以上経過していても等級を引き継げるケースが多くあります。しばらく車に乗らない場合や、乗り換えまでに期間が空く場合は、あらかじめ中断証明書の発行条件や必要書類を保険会社(共済団体)に確認しておくと安心です。


セカンドカー割引(複数台所有者優遇措置)を利用するには?

セカンドカー割引(複数台所有者優遇措置)とは、すでに自動車保険(共済)に加入している車があり、2台目以降の車を新たに保険(共済)に加入させる際に保険料(掛金)が割安になる制度です。通常は新規契約の場合6等級からスタートしますが、セカンドカー割引を利用すると7等級から始まるため、より高い割引率が適用されます。また、1台目とは別の保険会社(共済団体)で契約する場合でも利用できます。


割引を受けるための主な条件は、以下のとおりです。


  • 1台目・2台目ともに用途車種が自家用8車種で、個人所有である
  • 2台目の契約始期時点で、1台目の等級が11等級以上である
  • 2台目の車がはじめての自動車保険(共済)契約である
  • 2台目の記名被保険者が、1台目の記名被保険者本人・その配偶者・同居の親族のいずれかである

割引の名称および詳細な適用条件は保険会社(共済団体)ごとに異なるため、申し込み前に確認しておくと安心です。

自動車保険(共済)の等級でよくある疑問

ここでは、自動車保険(共済)の等級に関するよくある質問について回答します。

自動車保険(共済)の等級の調べ方は?

自動車保険(共済)の等級は、次の方法で確認できます。


  • 保険契約が成立したあとに保険会社(共済団体)から交付される「保険証券(共済証書)」を確認する
  • 各保険会社(共済団体)のマイページや公式アプリで契約内容を確認する
  • 加入している保険会社(共済団体)や保険代理店に連絡する

このほか、満期が近づくと保険会社(共済団体)から届く契約更新時の案内書類でも、現在の等級や次回の更新後に適用される等級を確認できます。

家族間で自動車保険(共済)の等級は引き継げる?

一定の条件を満たす家族であれば、車の名義や主な運転者が変わっても、自動車保険(共済)の等級を引き継ぐことができます。


等級を引き継げるのは、以下に該当する家族です。


  • 配偶者
  • 同居の親族
  • 配偶者と同居している親族

これらに該当する場合、記名被保険者の変更手続きをおこなうことで等級の引継ぎが可能です。


自動車保険(共済)の等級の引継ぎに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。


関連記事:自動車保険(共済)の等級引継ぎの方法や引継ぎ可能な条件について


自動車保険(共済)の等級は新規契約でリセットできる?

自動車保険(共済)の等級は、事故によって下がった場合、新しく契約し直したり保険会社(共済団体)を変えたりすればリセットされるものではありません。等級は過去の契約内容や事故歴に基づいて管理され、原則として次の契約にも引き継がれるためです。


また、自動車保険(共済)を契約する際には、事故歴や等級など保険会社(共済団体)が求める告知事項について、契約者は正確に告知する義務があります。

自分の車で友人が事故を起こしたら?

自分の車を友人が運転して事故を起こした場合、原則として自分の自動車保険(共済)を使えば等級は下がります。ただし、事故を起こした友人が「他車運転特約」を付けていれば、友人自身の保険(共済)を使うことができ、その場合は自分の等級に影響はありません。


一方、車の保有者が「家族限定特約(運転者家族限定特約)」などの運転者限定特約を付けている場合、友人は補償対象外となります。その場合、自分の保険(共済)自体が使えなくなる点に注意が必要です。

まとめ

自動車保険(共済)の等級は、事故歴や保険金(共済金)請求の有無に応じて決まり、保険料(掛金)の割引・割増率に大きく影響します。等級は保険会社(共済団体)を乗り換えても原則引き継がれるため注意が必要です。等級を維持するには安全運転が基本ですが、保険料(掛金)の負担が大きい場合は補償内容や免責金額の見直しをしましょう。

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参考・出典元:
内閣府 消費動向調査(令和7(2025)年3月実施分)結果の概要
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/kekkanogaiyou2025.pdf

損害保険料率算出機構 20210928_自動車保険参考純率改定のご案内
https://www.giroj.or.jp/ratemaking/automobile/pdf/202109_announcement.pdf

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