介護保険料っていくら?料金相場や滞納に関する注意点について解説

介護保険料っていくら?料金相場や滞納に関する注意点について解説

超高齢社会の日本では、第一次ベビーブームで生まれた世代が75歳以上となる2025(令和7)年、65歳以上の高齢者が人口の30%を超えるといわれています。 さらには第二次ベビーブーム世代(1971年~1974年生まれ)の高齢化もあとに控えています。 この今後も続く超高齢化社会に対応するために、公的医療保険制度が整備され、生まれたのが「介護保険」です。若い世代の方には、「介護保険ってどういうものなのか、実はよくわからない」という方も少なくないかもしれません。

今回はそんな介護保険についてサービスの仕組みや介護保険料の相場、そして介護保険適用時の自己負担額や介護保険料を滞納してしまった際のペナルティまで、知っておきたい内容を詳しく解説していきます。

本内容は、令和4年8月の制度等にもとづき、記載しています。

この記事を読むと分かること

  • 介護保険料はどれくらいかかるのか
  • 介護保険が適用された際の自己負担額
  • 介護保険を滞納した際のペナルティ

介護保険とは

介護保険制度は、毎年約10万人いるといわれる介護離職者の体力的・時間的・経済的負担や、今後ますます必要となる介護人材への処遇改善を、社会全体で支えていくことを目的に作られた制度です。超高齢社会を目前に控え、介護期間の長期化を見込み「介護保険法」が2000(平成12)年に施行されてから、今年で22年目を迎えました。

この介護保険制度の始まりにより、一定の年齢に達したすべての方が、健康保険料や年金保険料と同様に「介護保険料」を納める義務が発生しました。そして、寝たきりなど常に介護を必要とする状態になった場合や、家事などの日常生活に支援が必要となった場合には、介護認定審議会にて「要介護認定」や「要支援認定」を受けることで、次のような介護サービスを利用できるようになります。



介護保険サービス(例)
  • 訪問介護(ヘルパーによる入浴、調理、洗濯などの手伝い)
  • 訪問看護
  • 通所介護(食事や入浴支援などのデイサービス)
  • 通所リハビリテーション(理学療法士等専門家によるリハビリテーション指導などのデイケア)
  • 福祉用具の貸与(車いす、介護ベッドなど)
  • 特別養護老人ホームへの入所など(原則要介護3以上の方が対象)
介護保険サービス(例)
  • 訪問介護(ヘルパーによる入浴、調理、洗濯などの手伝い)
  • 訪問看護
  • 通所介護(食事や入浴支援などのデイサービス)
  • 通所リハビリテーション(理学療法士等専門家によるリハビリテーション指導などのデイケア)
  • 福祉用具の貸与(車いす、介護ベッドなど)
  • 特別養護老人ホームへの入所など(原則要介護3以上の方が対象)


介護保険を理解するためには、少なくとも以下の3つの要点をおさえておくことが大切です。1つずつ詳しく見ていきましょう。

介護保険サービスが受けられる条件

介護保険の被保険者は、年齢によって2種類に分けられます。第1号被保険者(65歳以上)は、要介護または要支援認定を受けた場合に介護サービスを受けられ、その状態になった原因については問われません。これに対し第2号被保険者で介護サービスを受けられるのは、加齢にともない発生した特定疾病による要介護(要支援)状態だと判断された場合に限られます。

なお、この場合の特定疾病とは「40歳以降に加齢が原因で発生し、3~6ヵ月以上継続して要介護(要支援)状態となる割合が高い病気」のことであり、がん・脳卒中・関節リウマチなどが含まれます。



「介護保険の被保険者」
第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上の方 40歳~65歳未満の方
介護保険サービスの受給条件 要介護・要支援状態 要介護(要支援)状態が、老化に起因する特定疾病による場合のみ
保険料の支払方法 65歳となった月より年金から天引きされる(原則) 40歳となった月より医療保険料と一体的に徴収される
第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上の方 40歳~65歳未満の方
介護保険サービスの受給条件 要介護・要支援状態 要介護(要支援)状態が、老化に起因する特定疾病による場合のみ
保険料の支払方法 65歳となった月より年金から天引きされる(原則) 40歳となった月より医療保険料と一体的に徴収される


介護サービスの詳しい内容や利用方法について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

関連:介護保険制度とは?対象となる疾病や受けられるサービスについて

支払いは40歳から開始

40歳になった月から介護保険制度の対象となり、介護保険料の支払いが始まります。40歳から介護保険の対象となるのは、認知症や脳卒中などによる要介護状態へのリスクが、40歳以降に増えるためです。

一生涯にわたって支払う義務がある

介護保険料の支払いは40歳から始まり、その後も一生涯続きます。介護保険料は一生支払わなければならないものではありますが、その代わりに公的な介護サービスを受けられる保障も一生涯続きます。介護保険料を支払い続けることで、自分に介護が必要になった際に生じやすい資金面における不安を減らせるのです。

介護保険料はどれくらいかかる?

では、介護保険料の相場はどのくらいなのでしょうか。介護保険料の財政の仕組みは、給付費全体を国・都道府県・市町村・第1号被保険者・第2号被保険者で分担して負担する形となっています。

第1号被保険者の介護保険料の場合、運営者である市町村や特別区などの各自治体でどの程度の介護サービスが必要かということを踏まえ、3年ごとに改定されます。平均介護保険料の推移を2000年の制度開始から見てみると、値上がり傾向にあることがわかります。

介護保険料の決まり方や徴収方法は、第1号被保険者と第2号被保険者で以下のように異なります。

第1号被保険者(65歳以上)の方

第1号被保険者の保険料額は、「自治体ごとに設定された基準額」をもとに、「本人・世帯の所得状況」に応じていくつかの段階に分けられ決定されます。保険料の徴収方法は「特別徴収」と「普通徴収」の2種類があり、健康保険料とは別に徴収されます。年金を受給している方は原則として年金からの天引き(特別徴収)となりますが、老齢・退職年金、障害年金および遺族年金が月額15,000円未満の方などは口座振替もしくは納付書で支払います(普通徴収)。

「第1号被保険者の介護保険料(例)」

東京都中野区、令和3年度~
介護保険料基準額(年額) 68,710円
所得状況による段階数(介護保険料率) 1~17段階
介護保険料率 第1段階(30%)~第17段階(38%)
介護保険料の算出方法 介護保険料基準額×各段階の料率
介護保険料(月額) 第1段階:約1,716円
第17段階:約21,750円
保険料の自己負担率 100%
東京都中野区、令和3年度~
介護保険料基準額(年額) 68,710円
所得状況による段階数(介護保険料率) 1~17段階
介護保険料率 第1段階(30%)~第17段階(38%)
介護保険料の算出方法 介護保険料基準額×各段階の料率
介護保険料(月額) 第1段階:約1,716円
第17段階:約21,750円
保険料の自己負担率 100%

第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の方

第2号被保険者の介護保険料は、健康保険の一部として徴収され、各医療保険者(協会けんぽ、健保組合、共済組合、国保など)を通じて、介護保険制度の運営者である各自治体へ支払われます。介護保険料額は加入している医療保険者によって異なり、会社に勤めている方は給与から天引き、自営業の方は口座振替または金融機関やコンビニエンスストアの窓口で支払う必要があります。 自身の支払い方法については、あらかじめ調べておきましょう。

「第2号被保険者の介護保険料額(例)」

協会けんぽ、東京都、令和4年4月納付分~
標準報酬月額による等級数 1等級(標準報酬月額58,000円)
~50等級(標準報酬月額1,390,000円)
介護保険料率 全等級で1.64%
介護保険料の算出方法 各等級の標準報酬月額×介護保険料率
介護保険料月額 1等級:951.2円(自己負担額475.6円)
50等級:22,796円(自己負担額11,398円)
保険料の自己負担率 50%(労使折半)、任意継続被保険者は100%
協会けんぽ、東京都、令和4年4月納付分~
標準報酬月額による等級数 1等級(標準報酬月額58,000円)
~50等級(標準報酬月額1,390,000円)
介護保険料率 全等級で1.64%
介護保険料の算出方法 各等級の標準報酬月額×介護保険料率
介護保険料月額 1等級:951.2円(自己負担額475.6円)
50等級:22,796円(自己負担額11,398円)
保険料の自己負担率 50%(労使折半)、任意継続被保険者は100%

介護保険適用時の自己負担額は?

実際に要介護または要支援認定を受けた場合、以下の自己負担額で介護サービスを利用できます。第1号被保険者の自己負担割合は原則1割ですが、所得などに応じて2~3割となる場合もあるため注意しましょう。また、第2号被保険者においては所得に関わらず1割の自己負担割合となっています。

介護保険適用時の自己負担額
第1号被保険者 原則 1割負担
年金収入+その他の所得が280万円(2人以上世帯は346万円)以上の方 2割負担
年金収入+その他の所得が340万円(2人以上世帯は463万円)以上の方 3割負担
第2号被保険者 所得に関わらず1割負担
介護保険適用時の自己負担額
第1号被保険者 原則 1割負担
年金収入+その他の所得が280万円
(2人以上世帯は346万円)以上の方
2割負担
年金収入+その他の所得が340万円
(2人以上世帯は463万円)以上の方
3割負担
第2号被保険者 所得に関わらず1割負担

介護保険料の滞納に注意する

介護保険料の金額は所得によって異なりますが、なかには支払うことに負担を感じる方もいるかもしれません。払込用紙を使って自分で支払う必要がある場合には、うっかり忘れていて滞納してしまっていたというケースもあるでしょう。

もし介護保険料を滞納してしまった場合、納付期間内の2年未満では延滞金が加算され、1年以上となると延滞金に加えて、介護保険サービスを利用する際の自己負担割合が多くなるなどのペナルティを受けることになります。介護保険料の滞納によるペナルティや延滞金の割合は自治体によって異なるため、今回は東京都中野区の場合を例に挙げてご紹介します。

延滞金の発生(納期限の翌日~2年未満の滞納)

まずは自治体より督促状や催告書などが送付されたり、電話や訪問によって催告を受けたりすることになります。その際には、日割り計算された延滞金が加算されることがあり、延滞期間によって以下の①、または①+②の合計額を支払うことになります。延滞金の割合は令和4年(東京都中野区)のものです。


  1. 未納の介護保険料額×(納期限の翌日~3ヵ月までの期間の日数)×2.4%÷365日
  2. 未納の介護保険料額×(3ヵ月経過翌日~納付までの期間の日数)×8.7%÷365日

納期限が令和4年4月30日の介護保険料10,000円を同年9月30日に納付した場合の延滞金(例)
・未納期間を以下の2つに分ける。
1. 納期限の翌日~3ヵ月まで(5月1日~7月31日)
2. 3ヵ月経過翌日~納付まで

・それぞれの期間に応じた延滞金の割合で計算し、合計する。
3. 10,000円×92日×2.4%÷365日=60円
4. 10,000円×61日×8.7%÷365日=145円
5. 3+4=205円
延滞金が1,000円未満の場合は切り捨てとなり、この場合の延滞金はかからない。
納期限が令和4年4月30日の介護保険料10,000円を
同年9月30日に納付した場合の延滞金(例)
・未納期間を以下の2つに分ける。
1. 納期限の翌日~3ヵ月まで(5月1日~7月31日)
2. 3ヵ月経過翌日~納付まで

・それぞれの期間に応じた延滞金の割合で計算し、合計する。
3. 10,000円×92日×2.4%÷365日=60円
4. 10,000円×61日×8.7%÷365日=145円
5. 3+4=205円
延滞金が1,000円未満の場合は切り捨てとなり、この場合の延滞金はかからない。

延滞金+介護サービス費用の一時全額負担(滞納1年以上)

介護保険料の支払いを1年以上滞納した場合、延滞金に加えて、介護サービスでかかる費用の全額をいったん自分で負担しなければならなくなります。ただし、申請によって後日、保険給付分の返還を受け取ることができるため、安心してください。

しかし、本来であれば1割~3割の自己負担で済むところを、一時的とはいえ全額負担することになるため、経済的に厳しい状況となる方も出てくるでしょう。


介護サービスの費用が月1万円、自己負担割合が1割の場合で介護保険料(年額7万円)を1年滞納(例)
1. 介護サービス費用12万円(月10割負担1万円×12ヵ月)をいったん全額負担する。
2. 保険給付となるはずだった9割分(10.8万円)については、介護保険課へ後日申請することにより払い戻し可
3. 介護保険料=年7万円+延滞金分
介護サービスの費用が月1万円、自己負担割合が1割の場合で
介護保険料(年額7万円)を1年滞納(例)
1. 介護サービス費用12万円(月10割負担1万円×12ヵ月)をいったん全額負担する。
2. 保険給付となるはずだった9割分(10.8万円)については、介護保険課へ後日申請することにより払い戻し可
3. 介護保険料=年7万円+延滞金分

延滞金+介護費用払戻しの差し止め(滞納1年半以上)

介護保険料の納期限から1年半以上経過した場合、延滞金に加えて、いったん自己負担した介護サービス費用の払戻しについても一部、または全額がストップする場合があります。その後も滞納が続く場合、返還されなかった介護費用の払戻し分は、滞納保険料分に充てられる場合があります。このとき、滞納している保険料を給付金が上回っていれば、一部払い戻される可能性があります。


介護サービス費用が月2万円、自己負担割合は1割、
介護保険料年7万円を1年6ヵ月滞納している場合のペナルティ(例)
1. 介護サービス料の未納1年半分36万円(月2万×18ヵ月)をいったん全額自己負担で払う。
2. 保険給付となるはずだった9割分(32.4万円)については、
滞納している介護保険料を納めるまで払戻しがされないことがあります。

3. さらに介護保険料の滞納が続いた場合、払い戻されるはずだった
32.4万円は滞納保険料10.5万円(7万円×1.5年)に充当され、
介護保険課へ後日申請をしても滞納保険料相当額以外(約21.9万円)のみ
払い戻される場合もあります。

いったん介護サービス費用10割自己負担で払う(36万円)
1割負担(3.6万円) 滞納保険料に充当(10.5万円+延滞金) 払戻し金額(約21.9万円)

上記介護サービス費用以外に介護保険料=10.5万円+延滞金(年7万円×1.5年+延滞金分)がかかります。
介護サービス費用が月2万円、自己負担割合は1割、
介護保険料年7万円を1年6ヵ月滞納している場合のペナルティ(例)
1. 介護サービス料の未納1年半分36万円(月2万×18ヵ月)をいったん全額自己負担で払う。
2. 保険給付となるはずだった9割分(32.4万円)については、
滞納している介護保険料を納めるまで払戻しがされないことがあります。

3. さらに介護保険料の滞納が続いた場合、払い戻されるはずだった
32.4万円は滞納保険料10.5万円(7万円×1.5年)に充当され、
介護保険課へ後日申請をしても滞納保険料相当額以外(約21.9万円)のみ
払い戻される場合もあります。

いったん介護サービス費用10割自己負担で払う(36万円)
1割負担(3.6万円) 滞納保険料に充当(10.5万円+延滞金) 払戻し金額(約21.9万円)

・上記介護サービス費用以外に介護保険料=10.5万円+延滞金(年7万円×1.5年+延滞金分)がかかります。

※上記はシミュレーションであり、個別ケースにより異なります。

未納分の納付不可+自己負担割合がアップ(2年以上の滞納)

介護保険料の納期限から2年以上経過した場合、時効により未納分の介護保険料の支払いはできなくなってしまいます。また、介護サービス費用の自己負担割合が1割・2割の方は3割に、3割の方は4割にアップすることになります。あわせて、この期間は高額介護サービス費などの支給が受けられなくなる場合があるため、特に2年以上の滞納は絶対にないようにしましょう。


老人ホーム入所の費用が毎月30万円、自己負担割合が1割の場合で
介護保険料は、年額7万円で2年間滞納している場合のペナルティ(例)
・自己負担額は98万円+延滞金
(月3割負担9万円×2ヵ月+月1割負担3万円×22ヵ月)
・介護保険料14万円(2年分+延滞金)
老人ホーム入所の費用が毎月30万円、自己負担割合が1割の場合で
介護保険料は、年額7万円で2年間滞納している場合のペナルティ(例)
・自己負担額は98万円+延滞金
(月3割負担9万円×2ヵ月+月1割負担3万円×22ヵ月)
・介護保険料14万円(2年分+延滞金)

※上記はシミュレーションであり、個別ケースにより異なります。

介護保険を知って安心のシニアライフを過ごそう

介護保険は現在介護を必要とする高齢者を支えるだけでなく、その介護をする家族の離職を減らし、さらには自分が介護される側となった際の不安を減らしてくれる制度だといえます。介護保険とはどういうものかを理解すれば、一人ひとりが負担する義務があることにも納得できますし、保険料の金額はどのように計算されるのかを知っておくことで、将来の保険料の支払いについても試算できるようになります。

介護保険料の滞納はさまざまなペナルティにつながります。超高齢社会がますます進行するなかで、社会全体で介護への不安を公平に分担し支え合っていくためにも、介護保険料の滞納はできるだけ避けましょう。



参考:
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/index.html
中野区
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/
長岡市
https://www.city.nagaoka.niigata.jp/
全国保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/

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