がん検診について知りたい。種類や検診の流れ、費用まとめ

“病気”に関するねだんのこと

2021.03.24

「がん」は年齢を重ねるほどにかかる確率が高く、日本人の2人に1人が「一生のうちに何らかのがんにかかる」ともいわれる身近な病気です。喫煙や過剰飲酒など、がんになりやすい生活習慣を見直せば、がんになるリスクを減らすことはできます。しかし、そのように予防しても、「がんに絶対にならない」とは言い切れません。


もし、がんの進行に気づかずにそのまま放置してしまえば、命取りになる可能性も。だからこそ、がんの早期発見と早期治療のために、がん検診を受けることが重要です。がん検診の受診に備えて、検診の種類やメリット・デメリットなどを解説します。

がん検診とは

身体に「がん」があるかどうかを調べる検査のことを「がん検診」といいます。


そもそも、がんは誰にでも起こり得る病気。厚生労働省の発表によると、昭和56年から令和元年まで、日本人の死因の第1位となっており、がんによって3人に1人が命を落とし、年間の死亡者数は37万人を超えています。


がんによる死亡リスクを減らすには、無症状で自覚症状がなかったとしても、がん検診を受診して早期発見・早期治療をする必要があるのです。厚生労働省でも「受診率50%以上」を目標に、がん検診を推進しています。


がん検診の「検診」とは、特定の病気に絞って診察・検査を行うことです。そのため、対象となる病気を定めずに、身体に異常がないかどうかを調べる「健康診断(健診)」とは異なります。ただし、どちらも日常生活レベルでとくに大きな健康上の問題を抱えていない「無症状の人」を対象にしている点は同じです。自覚症状がある場合は、できるだけ早めに医療機関で受診しましょう。


がん検診の申込み先は、がん検診を実施している市区町村や職場、加入している健康保険組合などです。ただし、職場でがん検診を実施していなければ、市区町村のがん検診を受けることになります。

がん検診の種類

日本のがん検診は「対策型検診」と「任意型検診」に分かれています。


対策型検診とは、国が「公共的な予防対策」として行う医療サービスのことです。たとえば、「住民検診(市区町村から通知を受け取って受診する検診)」や「職域検診(職場から通知を受け取って受診する検診)」などが該当します。


対策型検診は、地域や職場など「対象となる集団全体の死亡率を下げること」が目的です。できるだけ多くの対象者に受診してもらえるように、国では検査費用の多くを公費で負担しています。そのため、受診者は無料、または一部の自己負担で受診できるのです。また、対策型検診には5つのがん検診(胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん)があり、これらを「がんの死亡率を下げられる」と証明された方法で検査します。


一方、任意型検診とは、医療機関や検診機関などが任意で提供する医療サービスのことです。たとえば、「人間ドック」や「がんスクリーニング検査」などが該当します。


検査目的は、「個人の死亡リスクを下げること」です。公共的な医療サービスではないため、基本的に費用は全額自己負担になります。また、検査方法については、個々の医療施設で対応している方法から、個人が自由に選択できることが特徴です。ただし、そのなかには「がんの死亡率を下げられる」と証明されていない方法も含まれる可能性があります。

がん検診の流れ

がん検診は「一次検診」「精密検査(二次検診)」の順に進んでいきます。


引用:「国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター」のホームページ


まずは一次検診を受けましょう。ここで「健康な人」と「多少でも、がんの可能性が疑われる人」に振り分けられます。健康な人は、次回の検診を受診することになりますが、がんの可能性が疑われる人は、医療機関での「精密検査」を指示されます。


精密検査では、「がんであるかどうか」をより詳しく調べられます。ここで「異常なし」または「良性の病変(とくに何もしなくても、生命に異常をきたすような病変にならないもの)」と判断されれば、次回の検診を受診する流れです。もし、がんが発見された場合は、必要に応じてがん治療に進むことになります。ただし、「異常なし」と判断されたとしても、早期発見・早期治療のために、がん検診を定期的に受診しましょう。

がん検診のメリット・デメリット

がん検診は、がんの早期発見・早期治療につながりますが、やみくもに受診すればいいものではありません。メリットとデメリットがあるので正しく理解する必要があります。がん検診のメリットとデメリットは、次のとおりです。


●メリット:早期発見により、早期治療につながる
最大のメリットは、がんの自覚症状がない状態で受診すると、進行していない「早期のがん」を発見でき、早期治療で治せる可能性が高いことです。一方、がんの自覚症状がある状態で受診したときは、がんが進行していることが多く、場合によっては治療が難しくなります。


●メリット:がんになる前段階の病変が見つかる
がん検診では、「早期のがん」だけではなく、ポリープや潰瘍など「がんになる前段階の病変」が見つかる可能性も。病変が軽ければ、経過観察後に必要な治療を施すことでがんになるのを防止できます。


●デメリット:「がん」を必ずしも発見できるとは限らない
がん検診では、がんを見逃してしまうことがあります。そもそも、検査の精度は100%ではなく、検査そのものに限界があるからです。また、がんが見つけにくい場所にあったり、見つけにくい形をしていたりする場合、発見できないこともあります。ただし、検診を受け続けることで、がんを発見できる可能性は高まるので、適切な間隔で受け続けることが大切です。


●デメリット:結果的に「不必要な検査」や「治療」を招く可能性がある
検診で発見されたがんの中には「症状が出ず、生命に影響しないがん」もあります。それを「過剰診断」といいますが、普通のがんとは区別できません。その結果、早期治療をしようと、過剰診断のがんに、本来は不必要な検査・治療を行ってしまう可能性があるのです。


また、一次検査で「がんの疑いがある」と判断されても、精密検査の段階で「がんではない」と判定されることがあります。これを検診での「偽陽性」といいますが、検査の精度が100%ではないからこそ、起こり得ることです。そのとき、不必要な精密検査を受けたことで、受診者には心理的な負担がかかってしまいます。とはいえ、精密検査を受けてみないと結果がわからないものです。


●デメリット:検査で身体に負担がかかる
がん検診では、身体に負担がかかる検査もあります。たとえば、胃の内視鏡検査で、出血や穿孔(せんこう:胃壁に穴を開けること)を起こしたり、X線検査などの放射線被ばくによって、がんの誘発や遺伝的な影響を受ける可能性が(極めて低い確率ですが)あったりするのです。


このようなメリット・デメリットを理解して、検診を受けるかどうかを判断しましょう。

万が一に備えておくことも重要

検診によってがんが見つかれば、手術費用や入院費用など、さまざまな費用がかかります。長期にわたる治療ともなれば、医療費が高額になる可能性も。そのとき、経済的に悩むことがないように、がん保険(共済)への加入を検討しましょう。


がん保険(共済)に加入すれば、がんの診断・治療のとき、保障を受けることができます。また、公的医療保険の対象外で、全額自己負担となる「先進医療の技術料」も保障されるので安心です。


治療ができなければ、がん検診を受けた効果がありません。十分ながん治療を受けられるように、今からできる備えを考えてみてくださいね。

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