三大疾病の医療費への備えはできている?生活習慣の乱れに要注意!

三大疾病の医療費への備えはできている?生活習慣の乱れに要注意!

生活習慣の乱れは、がんや心筋梗塞、脳卒中といった三大疾病(しっぺい)の発症リスクを高めます。これらを発症すると、治療をする際の医療費はもちろん、その他にもさまざまな場面で費用がかかります。


そこでこの記事では、生活習慣を意識すべき理由や、三大疾病を発症した際の医療費、さらに治療以外で必要となる費用について詳しく解説します。


本内容は、令和6年10月の制度等に基づき、記載しています。
本記事に記載の内容・条件は保険会社によって異なる場合がございます。詳しくは保険・共済各社・各団体へお問い合わせください。



年末年始等は生活習慣の乱れと習慣化に要注意!

年末年始をはじめ、長期休暇の際に生活習慣が乱れていませんか?


長期休暇があると、普段頑張っているご褒美として甘いものを頻繁に食べたり、毎晩飲酒をしたり、スマートフォンを夜遅くまで見て睡眠不足になるなど、つい普段の生活リズムを崩してしまいます。「最初の数日だけだから大丈夫」と考えていても、実際には休暇が終わるその日まで生活習慣が乱れたままということもあるでしょう。


このような状態では通常の生活習慣に戻ることが難しいことはもちろん、「三大疾病」をはじめとするさまざまな生活習慣病にかかるリスクが高まるため、注意が必要です。

生活習慣病の三大疾病とは

それでは、具体的に三大疾病とはどのような病気なのか見ていくとともに、他の生活習慣病についてもご紹介します。

三大疾病とは

三大疾病とは、日本人の死因の上位を占めている3つの病気のことでがん(悪性新生物)、脳卒中(脳血管疾患)、心筋梗塞(心疾患)を指します。厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、この三大疾病だけで日本人の死因の約45%を占めている重大な疾病です。


年齢・性別に関係なく誰でもかかるリスクがあるため、万が一を想定して早めの対策をしておくことが大切です。

その他の生活習慣病とは

生活習慣病には三大疾病以外にも、以下のような病気が含まれます。特に糖尿病はよく聞くのではないでしょうか。


  • 糖尿病
  • 肝硬変
  • 慢性腎不全
  • 慢性すい炎 など

生活習慣病の範囲や定義は明確に定められていませんが、厚生労働省のe-ヘルスネット「生活習慣病とは?」では「食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称です。」と記載されています。

実際にかかる費用はどのくらい?

悩む男女のイラスト

ここからは実際にかかる費用について、三大疾病とそれ以外の生活習慣病に分けてご紹介します。医療費やそれ以外でどれくらい費用がかかるのか把握し、普段から備えるきっかけにしましょう。

三大疾病の場合

まずは、三大疾病の治療をする際の目安をご紹介します。

がん

がん治療をする際には1年間で以下のような費用がかかります。


  • 入院・手術など:約24万円
  • 継続的な投薬など:約13万円
  • 交通費・収入減少分:約28万円

※[出典1]



総額は約66万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約233万円、10年間で約442万円必要と考えておきましょう。


がんは入院日数が少なくても、抗がん剤治療で長期間通院が必要な場合もあります。そのため、入院・手術費用以外にも多額の支払いが必要になることは、理解しておきましょう。

心筋梗塞

心筋梗塞を含む心疾患(高血圧性のものは除く)の治療をする際には、1年間で以下のような費用がかかります。


  • 入院・手術など:約29万円
  • 継続的な投薬など:約5万円
  • 交通費・収入減少分:約28万円

※[出典1]



総額は約62万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約197万円、10年間で約365万円必要と考えておきましょう。


心疾患のなかでも心筋梗塞は、対処が早ければ短い入院で済みます。しかし、投薬治療などは継続する可能性もあるため、備えておけると安心です。

脳卒中

脳卒中を含む脳血管疾患の治療をする際には1年間で以下のような費用がかかります。


  • 入院・手術など:約87万円
  • 継続的な投薬など:約4万円
  • 交通費・収入減少分:約28万円

※[出典1]



総額は約120万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約252万円、10年間で約417万円必要となります。


脳卒中は、まひなどが残る場合も多く、回復に時間を要する疾患です。日常生活に復帰するためのリハビリテーションには、発症から約3〜6ヵ月かかります。治療期間が長引きやすいため、あらかじめ万が一の場合への備えを徹底しておくことが大切です。

参考:厚生労働省「脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート」

三大疾病以外の生活習慣病の場合

その他の主な生活習慣病の治療にかかる費用は、以下のとおりです。

病名 1年間にかかる費用 備えておきたい金額
5年 10年
糖尿病 約75万円 約244万円 約456万円
肝硬変 約63万円 約200万円 約371万円
慢性じん不全 約96万円 約259万円 約462万円
慢性すい炎 約56万円 約193万円 約364万円
病名 1年間にかかる費用 備えておきたい金額
5年 10年
糖尿病 約75万円 約244万円 約456万円
肝硬変 約63万円 約200万円 約371万円
慢性じん不全 約96万円 約259万円 約462万円
慢性すい炎 約56万円 約193万円 約364万円

※一年にかかる費用の内訳:入院・手術など、継続的な投薬など、交通費・収入減少分

※[出典2]



三大疾病以外の生活習慣病も完治しづらく、多くの場合で長期間の治療が必要です。そのため、治療にかかる費用の目安を把握しておくと、安心につながる備えができます。


また、生活習慣病は、合併症を引き起こすリスクがあることにも注意が必要です。合併症を引き起こしてしまうと、さらに費用がかかります。

通常の治療以外にどのような費用が必要になる?

計算する手元のイラスト

治療するには通常の医療費以外に以下のような費用が必要となります。


  • 差額ベッド料
  • 先進医療の技術料
  • 入院に関連するさまざまな費用

ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

差額ベッド料

差額ベッド料とは、患者が希望して個室や少人数部屋(1〜4人)に入院する際、通常の入院費用に追加される料金です。


入院日数が長くなると想像以上に自己負担額も増えるため、心理的・金銭的負担が治療に悪影響を及ぼすおそれがあります。そのような事態を避けるため、追加でかかる費用はよく確認しておきましょう。

先進医療の技術料

厚生労働省から先進医療として認められた治療や手術を受ける場合、費用は全額自分自身で負担する必要があります。なぜなら、先進医療は公的医療保険の対象とならないからです。


こちらでは、先進医療に認定されている医療技術の例を紹介します。


以下医療技術は、主にがんを対象とした治療です。

先進医技術 技術料(1件当たり平均) 平均入院期間
陽子線治療 約266万円 15.6日
重粒子線治療 約314万円 4.2日
抗悪性腫瘍剤治療における薬剤耐性遺伝子検査 約4万円 50.6日
細胞診検体を用いた遺伝子検査 約8万円 4.3日
内視鏡的胃局所切除術 約21万円 8.6日
先進医技術 技術料(1件当たり平均) 平均入院期間
陽子線治療 約266万円 15.6日
重粒子線治療 約314万円 4.2日
抗悪性腫瘍剤治療における
薬剤耐性遺伝子検査
約4万円 50.6日
細胞診検体を用いた遺伝子検査 約8万円 4.3日
内視鏡的胃局所切除術 約21万円 8.6日

公益財団法人 生命保険文化センター|先進医療とは? どれくらい費用がかかる?|リスクに備えるための生活設計を元に作成

※先進医療は随時見直しが入るため詳細は厚生労働省HP「先進医療の概要について」をご確認ください


なお、先進医療の技術料の他にかかる、その他の診察料や検査料、投薬料、入院費用などは、公的医療保険の対象として扱われます。ただし、医療技術ごとに対象となる症状が決まっているため、該当しなければ先進医療として認められず、その場合、すべてが公的医療保険の対象から外れてしまうので、利用する際はあらかじめ適用条件を確認しておく必要があります。


選択する治療方法によって負担額は大きく異なるため、治療を始める前に正確な負担額を把握しておくことが大切です。

入院に関連するさまざまな費用

入院をする場合、医療費以外にも食事代、消耗品購入費などさまざまな費用が必要となります。


入院中の食事にかかる費用は、健康保険組合と入院患者の支払いによってまかなわれます。患者が支払う標準負担額は厚生労働大臣によって定められており、一般の方で一食あたり490円の負担となります。

参考:全国健康保険協会「入院時食事療養費


その他にも、入院生活で必要な消耗品は、入院が長くなるほど負担額が増えていきます。保障が受けられない医療費以外をカバーするには、まとまった一時金を受け取れる共済(保険)に加入しておくことも検討するとよいでしょう。

まとめ

生活習慣病は、誰でもかかるリスクがある病気です。年末年始をはじめとした長期休暇はもちろん、日頃の生活から規則正しい生活習慣を心がけましょう。


ただし、いくら注意していても生活習慣病にかかってしまう可能性はあります。金銭面でも大きな負担が発生するため、JA共済の特定重度疾病共済「そなエール」のように、三大疾病とそれ以外の生活習慣病まで保障している共済(保険)を検討してみてはいかがでしょうか。


参考:
厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai23/dl/gaikyouR5.pdf

厚生労働省 e-ヘルスネット「生活習慣病とは?」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05-001.html

厚生労働省「脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート」
https://www.mhlw.go.jp/content/000750637.pdf

中央社会保険医療協議会「令和5年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1204.html

公益財団法人 生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r4/2022honshi_all.pdf

全国健康保険協会「入院時食事療養費」
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31702/1951-254/


費用出典:
[出典1]特定重度疾病共済 身近なリスクにそなエール <入院・手術等の費用について> 厚生労働省「令和2年 患者調査」、厚生労働省「令和3年 社会医療診療行為別統計」、厚生労働省「中央社会保険医療協議会第528回資料 主な選定療養に係る報告状況」、厚生労働省ホームページ 2016年3月23日付トピックスをもとにJA共済連試算。*1日あたりの差額ベッド代:6,613円、1日あたりの食事代(一般的な負担額):1,380円 
<継続的な投薬等の費用について>
厚生労働省「令和3年 社会医療診療行為別統計」よりJA共済連試算
<交通費・収入減少分について>
・月に1回の通院のための交通費として、1回あたり往復3,000円(片道1,500円)でJA共済連が設定
・年収500万円の方が1年あたり、5%(25万円)減少するものとして、JA共済連が設定
入院・手術等の費用はかかる費用(1年間)の金額のみに含まれています。
入院・手術等の費用は高額療養費制度を適用した金額です。在院日数は最小となる月数とし、1月あたりの入院・手術等の費用は平均額をもとに算出しています。
千円単位切り捨てで表示。
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[出典2]特定重度疾病共済 身近なリスクにそなエール <入院・手術等の費用について> 厚生労働省「令和2年 患者調査」、厚生労働省「令和3年 社会医療診療行為別統計」、厚生労働省「中央社会保険医療協議会第528回資料 主な選定療養に係る報告状況」、厚生労働省ホームページ 2016年3月23日付トピックスをもとにJA共済連試算。
*1日あたりの差額ベッド代:6,613円、1日あたりの食事代(一般的な負担額):1,380円
  <継続的な投薬等の費用について>
糖尿病:国立国際医療研究センター糖尿病情報センター 「糖尿病とお金のはなし」より <受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月60回以上)の患者さんの場合の例より 1ヵ月あたりの自己負担金(3割)11,430円>をもとにJA共済連試算
肝硬変・慢性すい炎: 厚生労働省「令和3年 社会医療診療行為別統計」よりJA共済連試算
慢性じん不全: 厚生労働省 「第43回社会保障審議会医療保険部会(平成22年12月)資料」より
※高額長期疾病(特定疾病)に係る高額治療費の特例より:自己負担限度額 10,000円をもとにJA共済連試算
<交通費・収入減少分について>
・月に1回の通院のための交通費として、1回あたり往復3,000円(片道1,500円)でJA共済連が設定
・年収500万円の方が1年あたり、5%(25万円)減少するものとして、JA共済連が設定
入院・手術等の費用はかかる費用(1年間)の金額のみに含まれています。
入院・手術等の費用は高額療養費制度を適用した金額です。在院日数は最小となる月数とし、1月あたりの入院・手術等の費用は平均額をもとに算出しています。
千円単位切り捨てで表示。
端数処理の関係で各項目の合計値は合致しません。

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