三大疾病の医療費への備えはできている?生活習慣の乱れに要注意!
“病気”に関するねだんのこと
2025.11.21
生活習慣の乱れは、がんや心筋梗塞、脳卒中といった三大疾病の発症リスクを高めます。三大疾病を発症すると、治療をする際の医療費はもちろん、その他にもさまざまな場面で費用がかかります。
そこでこの記事では、生活習慣を意識すべき理由や、三大疾病を発症した際の医療費、さらに治療以外で必要となる費用について詳しく解説します。
本内容は、令和7年10月の制度等に基づき、記載しています。本記事に記載の内容・条件は保険会社によって異なる場合がございます。詳しくは保険・共済各社・各団体へお問合わせください。
見出し
年末年始等は生活習慣の乱れと習慣化に要注意!
年末年始をはじめ、長期休暇の際に生活習慣が乱れていませんか?
「普段頑張っているから」と気が緩むと、以下のような行動で食生活や生活リズムが崩れることがあります。
- 甘いものを頻繁に食べる
- 夜更かししてしまう
- 毎晩飲酒をする
「数日だけだから大丈夫」と思っていても、実際には休暇が終わる日まで生活習慣が乱れたままということもあるでしょう。
このような状態では通常の生活習慣に戻ることが難しくなるのはもちろん、「三大疾病」をはじめとするさまざまな生活習慣病のリスクが高まるため、注意が必要です。
生活習慣病の三大疾病とは
それでは、具体的に三大疾病とはどのような病気なのか見ていくとともに、他の生活習慣病についてもご紹介します。
三大疾病とは
三大疾病とは日本人の死因の上位を占めている3つの病気のことで、がん(悪性新生物)、心筋梗塞(心疾患)、脳卒中(脳血管疾患)を指します。厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、この三大疾病だけで日本人の死因の約44%を占めています。
年齢・性別に関係なく誰でもかかるリスクがあるため、万が一を想定して早めに対策をしておくことが大切です。
その他の生活習慣病とは
生活習慣病には三大疾病以外にも、以下のような病気が含まれます。
- 糖尿病
- 肝硬変
- 慢性じん不全
- 慢性すい炎 など
生活習慣病の範囲や定義は明確に定められていませんが、厚生労働省の健康日本21アクション支援システム「生活習慣病とは?」では「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒など生活習慣が、発症・進行に関与する疾患群」と記載されています。
実際にかかる費用はどのくらい?
ここからは実際にかかる費用について、三大疾病とそれ以外の生活習慣病に分けてご紹介します。医療費やそれ以外でどのくらい費用がかかるのか把握し、普段から備えるきっかけにしましょう。
三大疾病の場合
まずは、三大疾病の治療にかかる費用の目安をご紹介します。
がん
がん治療には1年間で以下のような費用がかかります。
- 入院・手術など:約20万円
- 継続的な投薬など:約13万円
- 交通費・収入減少分:約28万円
※[出典1]
総額は約62万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約232万円、10年間で約444万円が必要な費用の目安です。
がんは入院日数が少なくても、抗がん剤治療で長期間通院が必要な場合もあります。そのため、入院・手術費用以外にも多額の支払いが必要になることは、理解しておきましょう。
心筋梗塞
心筋梗塞を含む心疾患(高血圧性のものは除く)の治療には、1年間で以下のような費用がかかります。
- 入院・手術など:約24万円
- 継続的な投薬など:約5万円
- 交通費・収入減少分:約28万円
※[出典1]
総額は約57万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約192万円、10年間で約361万円が必要な費用の目安となります。
心疾患のなかでも心筋梗塞は、対処が早ければ短期間の入院で済みます。しかし、投薬治療が継続する可能性もあるため、余裕を持って資金を備えておくと安心です。
脳卒中
脳卒中を含む脳血管疾患の治療には、1年間で以下のような費用がかかります。
- 入院・手術など:約82万円
- 継続的な投薬など:約4万円
- 交通費・収入減少分:約28万円
※[出典1]
総額は約115万円です。治療が長期間継続した場合を想定すると、5年間で約247万円、10年間で約412万円が必要な費用の目安です。
脳卒中は、手足のまひが残る場合も多く、回復に時間がかかります。日常生活に復帰するまでのリハビリ期間は、発症から約3〜6ヵ月が一般的です。治療期間が長引きやすいため、万が一の場合への備えを徹底しておきましょう。
参考:厚生労働省脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート
三大疾病以外の生活習慣病の場合
その他の主な生活習慣病の治療にかかる費用は、以下のとおりです。
| 病名 | 1年間にかかる費用 | 備えておきたい金額 | |
|---|---|---|---|
| 5年 | 10年 | ||
| 糖尿病 | 約84万円 | 約254万円 | 約465万円 |
| 肝硬変 | 約61万円 | 約198万円 | 約370万円 |
| 慢性じん不全 | 約99万円 | 約261万円 | 約464万円 |
| 慢性すい炎 | 約54万円 | 約192万円 | 約365万円 |
※1年にかかる費用の内訳:入院・手術など、継続的な投薬など、交通費・収入減少分
※[出典2]
三大疾病以外の生活習慣病も完治しづらく、多くの場合で長期間の治療が必要です。そのため、治療にかかる費用の目安を把握しておくことが大切です。
また、生活習慣病は合併症のリスクも考えておく必要があります。合併症を引き起こしてしまうと、さらに費用がかかります。
治療費以外にどのような費用が必要になる?
生活習慣病の治療では、通常の医療費以外に以下のような費用が必要なケースがあります。
- 差額ベッド料
- 先進医療の技術料
- 入院に関連するさまざまな費用
ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。
差額ベッド料
差額ベッド料とは、患者が希望して個室や少人数部屋(1〜4人)に入院する際、通常の入院費用に追加される料金です。
入院日数が長くなると想像以上に自己負担額が膨らみ、心理的・金銭的負担が治療に悪影響を及ぼすおそれがあります。そのような事態を避けるためにも、追加でかかる費用はよく確認しておきましょう。
先進医療の技術料
厚生労働省から先進医療として認められた治療や手術を受ける場合、技術料は全額自己負担となります。なぜなら、先進医療は公的医療保険の対象外であるためです。
例えば、主にがん治療を対象とする先進医療技術の技術料の平均と、平均入院期間は以下のとおりです。
| 先進医技術 | 技術料(1件当たり平均) | 平均入院期間 |
|---|---|---|
| 陽子線治療 | 約268万円 | 14.7日 |
| 重粒子線治療 | 約314万円 | 3.2日 |
| 内視鏡的胃局所切除術 | 約22万円 | 8.2日 |
参考:厚生労働省 【先進医療A】令和6年6月30日時点における先進医療に係る費用
※先進医療は随時見直しが入るため、詳細は厚生労働省「先進医療の概要について」をご確認ください
なお、先進医療の技術料の他にかかる、その他の診察料や検査料、投薬料、入院費用などは、公的医療保険の対象として扱われます。
ただし、医療技術ごとに対象の症状が決められているため、該当しなければ先進医療として認められません。この場合、すべての費用が公的医療保険の対象外となるので、利用する際はあらかじめ適用条件を確認しておく必要があります。
選択する治療方法によって自己負担額は大きく異なるため、治療開始前に正確な金額を把握しておくことが大切です。
入院に関連するさまざまな費用
入院時には、医療費以外にも食事代や消耗品購入費など、さまざまな費用が必要となります。
入院中の食事費用は、健康保険組合と入院患者の支払いによってまかなわれます。患者が支払う標準負担額は厚生労働大臣によって定められており、一般の方の場合、一食あたり510円です。
また、入院生活で必要な消耗品の購入費は、入院期間が長くなるほど増えていきます。医療費以外の出費に備えるには、まとまった一時金を受け取れる共済(保険)への加入も検討するとよいでしょう。
参考:全国健康保険協会入院時食事療養費
まとめ
生活習慣病は、誰でもかかるリスクがある病気です。病気を予防するには、年末年始をはじめとした長期休暇はもちろん、日頃から規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。
ただし、どれだけ注意していても生活習慣病にかかってしまう可能性はあります。治療が必要になった際の金銭的な負担は大きいため、生活習慣病を保障する、JA共済の特定重度疾病共済「そなエール」のような共済(保険)を検討してみてはいかがでしょうか。
参考・出典元:
厚生労働省 令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai24/dl/gaikyouR6.pdf
厚生労働省 健康日本21アクション支援システム 生活習慣病とは?
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/metabolic/m-05-001
厚生労働省 脳卒中の治療と仕事の両立 お役立ちノート
https://www.mhlw.go.jp/content/000750637.pdf
厚生労働省 先進医療の概要について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/sensiniryo/index.html
厚生労働省 【先進医療A】令和6年6月30日時点における先進医療に係る費用
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001386301.pdf
全国健康保険協会 入院時食事療養費
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31702/1951-254/
費用出典:
[出典1]特定重度疾病共済 身近なリスクにそなエール
<入院・手術等の費用について>
厚生労働省「令和5年 患者調査」、厚生労働省「令和5年 社会医療診療行為別統計」、厚生労働省 「中央社会保険医療協議会総会(第591回)資料 主な選定療養に係る報告状況」、厚生労働省第174回社会保障審議会医療保険部会 資料「令和6年度予算案(保険局関係)の主な事項等について」をもとにJA共済連試算。
*1日あたりの差額ベッド代:6,714円、1日あたりの食事代(一般的な負担額):1,470円
<継続的な投薬等の費用について>
厚生労働省「令和5年 社会医療診療行為別統計」よりJA共済連試算
<交通費・収入減少分について>
・月に1回の通院のための交通費として、1回あたり往復3,000円(片道1,500円)でJA共済連が設定
・年収500万円の方の年収が1年あたり5%(25万円)減少するものとして、JA共済連が設定
※入院・手術等の費用はかかる費用(1年間)のみに含まれています。
※入院・手術等の費用は高額療養費制度を適用した金額です。在院日数は最小となる月数とし、1月あたりの入院・手術等の費用は平均額をもとに算出しています。
※千円単位切り捨てで表示。
※端数処理の関係で各項目の合計値は合致しません。
[出典2]特定重度疾病共済 身近なリスクにそなエール
<入院・手術等の費用について>
厚生労働省「令和5年 患者調査」、厚生労働省「令和5年 社会医療診療行為別統計」、厚生労働省「中央社会保険医療協議会(第591回)資料 主な選定療養に係る報告状況」、厚生労働省第174回社会保障審議会医療保険部会 資料「令和6年度予算案(保険局関係)の主な事項等について」をもとにJA共済連試算。
*1日あたりの差額ベッド代:6,714円、1日あたりの食事代(一般的な負担額):1,470円
<継続的な投薬等の費用について>
糖尿病:国立国際医療研究センター糖尿病情報センター 「糖尿病とお金のはなし」より <受診と経口薬(1日1種類)+インスリン療法(1日4回)+血糖自己測定(月60回以上)の患者さんの場合の例より 1ヵ月あたりの自己負担金(3割)11,430円>をもとにJA共済連試算
肝硬変・慢性すい炎: 厚生労働省「令和5年 社会医療診療行為別統計」よりJA共済連試算
慢性じん不全: 厚生労働省 「第43回社会保障審議会医療保険部会(平成22年12月)資料」より
※高額長期疾病(特定疾病)に係る高額治療費の特例より:自己負担限度額 10,000円をもとにJA共済連試算
<交通費・収入減少分について>
・月に1回の通院のための交通費として、1回あたり往復3,000円(片道1,500円)でJA共済連が設定
・年収500万円の方の年収が1年あたり5%(25万円)減少するものとして、JA共済連が設定
※入院・手術等の費用はかかる費用(1年間)のみに含まれています。
※入院・手術等の費用は高額療養費制度を適用した金額です。在院日数は最小となる月数とし、1月あたりの入院・手術等の費用は平均額をもとに算出しています。
※千円単位切り捨てで表示。
※端数処理の関係で各項目の合計値は合致しません。





















