【車種別】車の年間維持費、金額を調べてみた

「もう少し大きな車にしたいけど、維持費はどれぐらい増えるんだろう?」「マイカーがほしいけど、購入後にかかるお金がわからない」。車は生活に欠かせない道具である一方、購入費用、税金、車検……と、なにかとお金がかかり不安も多いものですよね。


しかし、ある程度“車の維持費の目安”が分かれば不安も軽くなるのではないでしょうか。そこで車のタイプ別に維持費の目安を出してみました。


本内容は、令和4年11月の制度等にもとづき、記載しています。

関連:JAの自動車共済について詳しくみる

車の維持にかかる費用とは

車を所有している(購入した)と仮定して、購入後にかかる主な費用は以下の通りです。


  • 税金(自動車税/軽自動車税、自動車重量税)
  • 自動車保険(共済)、自賠責保険(共済)
  • 整備代(法定点検、車検、消耗品代)
  • 走行費用(ガソリン代、高速道路料金など)
  • その他(駐車場代、洗車代、ローン金利など)

税金(自動車税/軽自動車税、自動車重量税)

購入後にかかる税金は、自動車税と自動車重量税の大きく2つ。


自動車税(軽自動車は軽自動車税)は年に一度、納付する税金で、4月1日時点でその車を所有している人に課せられ、例年4月下旬〜5月初旬頃に納付書が自宅に届きます。


税額はエンジンの総排気量で定められており、自家用乗用車の場合、総排気量1リットル以下の29,500円から、6.0リットル超の111,000円まで10段階に分けられています。軽自動車の場合は、一律で10,800円です。


区分 通常税額
(エコカー減税適用前)
軽自動車 一律 10,800円
乗用車 総排気量1リットル以下 29,500円
総排気量1リットル超え
1.5リットル以下
34,500円
総排気量1.5リットル超え
2リットル以下
39,500円
総排気量2リットル超え
2.5リットル以下
45,000円
総排気量2.5リットル超え
3リットル以下
51,000円
総排気量3リットル超え
3.5リットル以下
58,000円
総排気量3.5リットル超え
4リットル以下
66,500円
総排気量4リットル超え
4.5リットル以下
76,500円
総排気量4.5リットル超え
6リットル以下
88,000円
総排気量6リットル超え 111,000円
区分 通常税額
(エコカー減税適用前)
軽自動車 一律 10,800円
乗用車 総排気量1リットル以下 29,500円
総排気量1リットル超え
1.5リットル以下
34,500円
総排気量1.5リットル超え
2リットル以下
39,500円
総排気量2リットル超え
2.5リットル以下
45,000円
総排気量2.5リットル超え
3リットル以下
51,000円
総排気量3リットル超え
3.5リットル以下
58,000円
総排気量3.5リットル超え
4リットル以下
66,500円
総排気量4リットル超え
4.5リットル以下
76,500円
総排気量4.5リットル超え
6リットル以下
88,000円
総排気量6リットル超え 111,000円

自動車重量税は、その名の通り車の車両重量に応じて課させる税金です。税額は車重0.5トン刻みで、購入時と車検時に「次の車検まで」の36ヵ月または24ヵ月分を納付します。自家用車の新車新規登録等時(36ヵ月分)の税額は、1トン以上1.5トン未満で36,900円、1.5トン以上2.0トン未満で49,200円。軽自動車の場合は、車重に関わらず一律で、新車時に9,900円、車検時に6,600円です。


関連:「自動車重量税とは?支払額やタイミングについて」


<軽自動車税と自動車重量税>


種類 車両重量 重量税額
軽自動車 一律 9,900円(新車購入時)
6,600円(車検時)
普通車 ~0.5トン未満 12,300円
~1トン未満 24,600円
~1.5トン未満 36,900円
~2トン未満 49,200円
~2.5トン未満 61,500円
~3トン未満 73,800円
種類 車両重量 重量税額
軽自動車 一律 9,900円
(新車購入時)
6,600円
(車検時)
普通車 ~0.5トン未満 12,300円
~1トン未満 24,600円
~1.5トン未満 36,900円
~2トン未満 49,200円
~2.5トン未満 61,500円
~3トン未満 73,800円

自動車保険(自賠責保険、自動車任意保険)

自動車保険(共済)には、加入が義務付けられている「自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)(共済)」と、任意で加入する「自動車保険(共済)」の2つがあります。


「自賠責保険(共済)」は、交通事故被害者の救済を目的とした保険(共済)で、加入は必須。そのため「強制保険」と呼ばれることもあります。1ヵ月単位で可能ですが、通常は「次の車検まで」の期間で加入します。ただし、最初に加入するときのみ、車検満了日時と自賠責保険(共済)の契約満了日時の関係から、「+ 1ヵ月」の37ヵ月で加入するのが一般的です。


金額は普通車の場合、24ヶ月で25,830円、軽自動車は25,070円です。国が定める保険(共済)のため、どの代理店で支払っても金額は変わりません。


一方の自動車任意保険(共済)は、被害者の救済だけでなく、加入者自身の怪我や車の修理費用なども補償の対象となります。保険会社(共済団体)のプランや加入者の年齢、等級、車種やグレードによって、金額が異なるため、一概に「いくら」とは言えませんが、月額1万円程度がひとつの目安になるでしょう。もちろん、中には月額3,000円程度の人もいますし、2万円を超えるケースもあります。


なお、加入は「任意」とはいえ、自賠責保険(共済)で支払われる賠償金は最低限しかなく、加入者自身の補償もありませんから、加入は必須と考えてよいでしょう。

整備代(法定点検、車検、消耗品代)

12ヵ月毎の法定点検と、24ヵ月(新車は初回36ヵ月)ごとの車検は、自動車を所有する上で必須の点検となります。費用は12ヵ月点検が2~3万円程度。車検は整備工場の工賃の他に法定費用(検査代+各種税金、印紙代)が必要なため車種によって大きく異なりますが、10~20万円程度と考えておけばいいでしょう。


その他、半年~1年ごとのオイル交換(5,000円~1万円程度)、およそ3年ごとのバッテリー交換(2~4万円程度)、数年に一度必要なタイヤ交換(一般的なコンパクトカーなら6万円前後)などの消耗品代が必要となってきます。また、古くなれば当然、交換すべき消耗品も増えてきますから、さらにメンテナンス費用はかかります。


ちなみに近年では、メーカーやディーラーが、初回車検までの整備代がパックになったメンテナンスプログラムを用意しているケースが多くなっています。新車購入代金とともに整備代を予め払っておくため、12ヵ月、24ヵ月の点検時に特別な消耗品などの交換が必要なければ、その場で費用を払う必要がなくなり便利でお得です。

走行費用(ガソリン代、高速道路料金など)


ガソリン代は、走行距離に応じて大きく異なるため、こちらも一概に「いくら」とは言えません。そこで、一般的な車種と走行距離を仮定して概算してみました。


走行距離を月800km、燃費をガソリン1リットルあたり12km/L、ガソリン価格を170円/Lとすると、1ヵ月あたりのガソリンは、おおよそ11,400円になります。ガソリン代が高騰している昨今では、走行距離が多い人や燃費の悪い車に乗っている方ほど、費用負担が増してしまう点に注意が必要です。

その他維持費用(駐車場代、洗車代、ローン金利など)

その他にかかる維持費には、駐車場代や洗車代、ローン金利などがあります。洗車は、セルフ式の洗車機なら600〜1,000円程度。車内清掃まで含めたしっかり洗車で2,000~5,000円ほどといったところです。


マンション住まいや賃貸住宅暮らしの人は、駐車場代も見込んでおく必要があります。金額は地域によって大きく異なりますが、主要都市なら月1.5万円~3万円程度、地方では5,000円〜1万円程度が目安になります。


カーローンを利用して車を購入する場合は、分割の購入代金に上乗せしてローン金利も支払わなければなりません。借入先によって金利は異なりますが、200万円の購入代金を返済期間5年(60回)、金利8%(カーディーラーを想定)で借りる場合、合計の支払金利は43万円程度になります。


また細かなカーグッズ代はそれこそ任意ですが、今ではカップホルダーなどはほぼすべての車に標準装備されていますし、カーナビやETC車載器もディーラーで装着してもらうケースが増えています。あとから装着すべきものの代表例は、ドライブレコーダー(1~3万円)ぐらいでしょう。

【車種別】年間維持費シミュレーション

今回は、車両購入後にかかる一般的な維持費の概算を3車種のモデルケースで算出してみました。モデルケースとしたのは、「軽乗用車」、「コンパクトカー(排気量1.5L以下)」、「Lクラスミニバン(排気量2.5L以下)」を新車で購入した場合です。まずは、先に挙げた費用のうち代表的なものを当てはめてみます。


軽自動車 コンパクトカー
(1.5L)
Lクラスミニバン
(2.5L)
自動車税(軽自動車税) 10,800円/年 34,500円/年 45,000円/年
自動車重量税 9,900円/3年 36,900円/3年 61,500円/3年
自賠責保険(共済) 27,330円/37ヵ月 27,770円/37ヵ月 27,770円/37ヵ月
自動車任意保険(共済)
※カッコ内は車両保険(共済)つき
50,000円(100,000円) 50,000円(110,000円) 60,000円(120,000円)
法定点検費用 75,000円/3年 90,000円/3年 105,000円/3年
車検保険(共済) 50,000円/3年 60,000円/3年 70,000円/3年
駐車場代 12,000円/月 12,000円/月 12,000円/月
ガソリン費 7,556円/月 9,067円/月 13,600円/月
軽自動車 コンパクトカー
(1.5L)
Lクラスミニバン
(2.5L)
自動車税(軽自動車税) 10,800円/年 34,500円/年 45,000円/年
自動車重量税 9,900円/3年 36,900円/3年 61,500円/3年
自賠責保険(共済) 27,330円/37ヵ月 27,770円/37ヵ月 27,770円/37ヵ月
自動車任意保険(共済)
※カッコ内は車両保険(共済)つき
50,000円(100,000円) 50,000円(110,000円) 60,000円(120,000円)
法定点検費用 75,000円/3年 90,000円/3年 105,000円/3年
車検保険(共済) 50,000円/3年 60,000円/3年 70,000円/3年
駐車場代 12,000円/月 12,000円/月 12,000円/月
ガソリン費 7,556円/月 9,067円/月 13,600円/月

※エコカー減税による減免は考慮せず
※自動車保険(共済)は6等級新規/26歳以上を想定
※燃料代はガソリン代1Lを170円、月間走行距離を800km
車種別燃費を軽乗用車:18km/L、コンパクトカー:15km/L、ミニバン:10km/Lで計算


こちらは維持費のみなので、実際にはこのほかに車両の購入費用がかかります。純粋に購入後の維持費だけを考えると、月あたり軽乗用車で3万円前後、コンパクトカーで3~4万円、Lクラスミニバンで4~5万円が必要ということです。車の購入や買い替えの際の目安にするとよいでしょう。


ただし、自動車任意保険(共済)や駐車場代、ガソリン代、整備費用は、車種や加入条件、場所、走行距離、年式、消耗具合などで金額が大きく変わってくるので注意してください。


なお、電気自動車(EV)の走行にかかる電気代は状況により前後します。家庭で充電する場合は契約している電力会社のプランによって、外部で充電する場合は充電サービスのプランによって異なります。

車の維持費用を抑える方法

自賠責保険(共済)は一律なので減らすことはできないとしても、その他の費用はある程度、抑えることは可能です。とはいえ、税金を抑えるには税額の安い車に乗り換える必要があり、「税金のために」と考えるとあまり現実的ではありません。


点検については、近年は格安車検もありますが、定期的にディーラーで点検を受けてしっかり整備をしてもらうほうが安心です。一方で、タイヤやバッテリーといった消耗品については、安いお店で買うことで整備代を抑えることは可能です。


また、自動車保険(共済)を定期的に見直すことも、維持費を抑えるポイント。保険(共済)は、意外と頻繁に改定されますから、更新時にプランを見直したり、自動車保険(共済)も視野に見積もりを取ったりすると、年間数千円程度、変わってくる可能性があります。


もし、年式の古い車にお乗りでしたら、思い切って新車を購入すると維持費を抑えられるかもしれません。


最近の車は燃費がよく、「買い替えによってガソリン代が半分になった」ということもあるものです。また、車齢13年を経過すると自動車税と重量税が増額となります(重量税は18年でさらに増額に)。最近は、残価設定型ローンなど、月々の負担を抑える支払い方法も選べるので、新車購入のハードルは意外と低いもの。思い切って乗り換えを検討してみるのもオススメです。


なお、乗り換え時には、「乗り換えのプランを予め考えること」ことも大切。「子どもが小学生になるころにはミニバンにしたい」などと、先のライフプランを見据えて「5年後に買い換える」などと乗り換えのプランを考えておけば、無駄なく買い替えができます。購入のタイミングを見極めることが、維持費を抑えるもっとも大きなポイントかもしれません。

車の維持費はトータルコストで考えることが大事

ここまで車両購入後の維持費について考えてきましたが、車にかかる必要は車両購入費用も含めたトータルコストで考えることが大事です。あとどのぐらい車にお金をかけられるかどうかで、買うべき車の価格が見えてくるでしょう。


また、「軽乗用車=維持費が安い」と考えがちですが、車両の購入価格まで考えると、コンパクトカーのほうがトータルで安くなることも。軽乗用車でも上級モデルになると、コンパクトカーを超える価格の車種もあるものです。また、30万円の中古車を買ったとしても、1年で乗れなくなってしまうようでは、年間コストが30万円になります。一方、200万円の新車を買って5年間乗り、50万円で売却したとしても、年間コストは30万円と同じに。


「維持費を押さえたいから軽乗用車に」「お金がないから安い中古車で」などと絞らずに、広い視野でいろいろな車を検討してみると、より理想的な車に出会える可能性もあります。


年間維持費と車両購入費、2つの面からトータルで車にかかるお金を考えてみてくださいね。

車を購入したら自動車保険への加入も検討しよう

車を購入する際には、快適に安心して走行するためにも自動車保険(共済)への加入も検討しましょう。


車の維持費やトータルコストを抑えるには、さまざまな保険会社(共済団体)の自動車保険(共済)を比較して選ぶのも大事。日頃どのくらい車を利用するのか、どのくらいの補償がほしいのか、などを考えながら、自分に適した自動車保険(共済)を選んでみてくださいね。


参考:
東京都主税局HP
http://www.tax.metro.tokyo.jp/kazei/car_shutok.html
自動車重量税について(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000076.html
自動車関係税制について(国土交通省)
http://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000028.html

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