“終活”で断捨離するとは?その重要性や方法についてまとめてみた

超少子高齢化が叫ばれるなかで注目されるキーワードの一つに「終活」があります。終活とは、人生の最期に向け、さまざまな手続きや遺される家族へのケアを事前に進めておくこと。中でも身の回りを整理する断捨離(=不要な物を減らし、大切なものを見極める片付け法のひとつ)は、その第一歩でもあります。今回は終活における断捨離のポイントをご紹介します。

終活と断捨離の関係性とは?

まず、 終活をする上でなぜ断捨離が必要なのか、その理由を見ていきましょう。生活を送る中で、「いつか使うかもしれない」「特に必要ではないけど捨てられない」などの理由から、どんどん持ちものが増えていくことがあります。長年同じところに住んでいれば、なおさらです。また昨今では、インターネットやSNSに残されたブログ記事やメールなど、デジタルデータ取り扱いにも留意しなければならなくなりました。

しかし、大量のモノやデータを残した状態で人生の終わりを迎えた場合、遺品整理を託された側には大変な苦労をかけることになります。終活で断捨離をしておくことは、家族や身近な人を煩わしさから解放する意味があるほか、物を減らし、執着をなくすことで残りの人生を有意義に過ごすことにも役立ちます。

大量のものと向き合うには体力も時間も必要。そのため心身ともに健康なうちから少しずつ取り組むのが良いとされています。

断捨離(生前整理)の方法とかかる費用

では、終活における断捨離で処分すべきものとはなんでしょうか。よほど大切な品を除いて、判断の基準となるのは「今使っているものかどうか」です。たとえば家を出た子どもの家具や家電、着ていない衣類やバッグ、靴などはありませんか? また、使っていない食器や寝具、誰にもらったかも忘れてしまったようなお土産品、雑貨など「もったいない」という理由でとっておいたものもあるでしょう。これら現在の生活に必要のないものは断捨離の対象になります。

反対に捨ててはいけないのは、土地や家の権利書、保険証、印鑑などもしもの時に家族が手続きするのに必要なものです。インターネットや現在受けているサービスの契約時の書類なども誤って捨ててしまうと面倒なことになります。大事な書類やパスワードなどは一箇所にまとめておくと良いかもしれません。


断捨離の方法としては単純に少しずつ処分するほか、「もったいない」という気持ちが先行するようであればバザーやリサイクルショップに持って行く、フリマアプリなどで誰かに譲るという方法も。量が多くて処分に困るようならば、業者に依頼するものひとつの手。専門のスタッフが要望を聞きながら片付けを行ってくれるので安心です。価格に関しては業者により異なりますが、5〜10万円くらいが相場のよう。どんな手助けが必要なのか見極めながら、ぴったりの業者を選びましょう。


おすすめコンテンツ

老後のお金のこと

断捨離だけじゃない!終活にかかわる老後費用

最後に、一般的な老後の費用も見ていきましょう。なにより大きな問題は介護が必要になる場合です。これは当事者、そして家族の双方にとって避けては通れない問題です。平成27年度の厚生労働省「介護保険事業状況報告」によると、要支援・要介護を必要とする人は、平成28年3月末の時点で、平成27年3月末時点よりも約15万人も増えています。この増加率はより加速していくことでしょう。今や介護は誰にとっても、どの家庭にも起こり得ることなのです。


そこで気になるのは介護にかかる費用。これは在宅か施設か、また介護の度合い、介護保険の有無によっても大きく変わります。たとえば、在宅介護の場合は毎月3万円程度、施設に入居した場合は10〜20万円ほどと、在宅と比べ3〜7倍の差となります。

終活を意識すると同時に、こういった老後にかかる費用についても考えておくことが大切です。


もしもの時に家族に負担をかけないよう、前もって不用品を処分しておくことが終活における断捨離の目的ですが、処分のしすぎによって簡素な生活になってしまっては生きる楽しみを失ってしまいます。大切なもの、お気に入りのものだけに囲まれて暮らしてこそ、充実した最期が迎えられるというもの。残された人生を心地よく過ごすためと前向きにとらえることが、後悔のない断捨離の秘訣かもしれません。


参考 :
平成27年度 厚生労働省「介護保険事業状況報告」
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/15/index.html

この記事をシェアする
↑