一生独身なら老後の貯金はどのくらい必要?必要な貯金額を聞いてみた

厚生労働省白書によると、2035年の男性の未婚率は29.0%、女性の未婚率は19.2%になると予測されています*。今後、独身のまま老後を迎える人はこれまで以上に増えるかもしれません。そこで今回はファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんに、「一生独身でいる」と決意したときに必要な老後資金について教えてもらいました。

*出処:2015年度版厚生労働省 67p http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15/dl/all.pdf


本内容は、平成28年3月の精度等にもとづき、記載しています。

本記事に記載の内容・条件は保険会社によって異なる場合がございます。詳しくは保険・共済各社・各団体へお問い合わせください。


一生独身と決めたなら貯金は4,000〜5,000万は必要!

一生独身を決めた場合、いったいどれくらいの老後資金が必要となるのでしょうか。伊藤さんによると、会社員で定年まで働くのであれば「65歳までに4,000〜5,000万円を貯金や年金、保険・共済で貯めることができれば老後も楽しく生活できる」そうです。


独身者の場合、配偶者や子どもの生活コストを必要としないから、稼いだお金はすべて自分のために使えるし、貯蓄もしやすいですよね。ただし、今勤めている会社の業績次第で、昇給が見込めなかったり、減給されたりする人もいると思います。また、配偶者がいれば老後は2人分の年金を受け取ることができますが、独身の場合は当然ながら1人分しか年金はもらえません。


そういう場合を見越して、現在の収入を基準にして65歳までに4,000〜5,000万を貯められるプランを考えておきましょう。「毎年、年収の2割を貯金できると理想」と伊藤さんは言います。


しかし、残念ながら今の給料で目標貯金額を達成できそうにないという人はどうすればいいのでしょうか。伊藤さんによると「老後も働くという選択肢をとるのもよいだろうが、現状の生活レベルが果たして最適なのかどうか検討すべき」とのこと。例えば、今借りている家の家賃が収入に比べて高いのであれば、今よりも安い賃料のところに引っ越すなど、今の生活と受け取っている給与額を照らしあわせてみるといいでしょう。最近は、節約に関する本もたくさんあるので、いろいろと読んでみると上手に資産形成ができるヒントが見つかるかもしれませんね。まずは無理せずできるところから始めることです。

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独身者は貯金より積極的に投資にチャレンジしよう

伊藤さんが独身者に特に気をつかってほしいことは、実は「健康」なのだそう。「独身者の老後は、兄弟姉妹以外に身寄りがいません。もしも病気になったときは、一人で対処できるだけの資金が必要となります。病気をせずに健康であり続ければ、老後に必要な資金を減らせずにすみますから、健康でいられるための努力をしましょう」(伊藤さん)


一方で、一生独身なら、家族の目を気にせず積極的に投資でリスクを取ることができます。独身だからこそできる上手な投資法はあるのでしょうか。


「ちゃんと貯金を出来ている独身者の方でまだまだお金に余裕があるようでしたら、どんな投資をやっても問題ありません。投資は実践あるのみ。興味がある方は投資専用の口座を開いて、1万円からでもいいので挑戦してみるのがいいでしょう。投資は頭をつかう作業なので、始めれば生活にハリが出てきますよ」(伊藤さん)


しかし、投資商品は選択肢が多すぎて何を選べばいいかわかりません。そういうときは金融機関の投資相談窓口に行くといいそうです。


「どんな投資商品を選べばいいかわからない方は、投資相談窓口で相談して自分に合った投資商品を見つけるのもいいでしょう。ただし、相手もビジネスで相談を受けているわけですから、アドバイスの鵜呑みは厳禁。投資商品をすすめられるままに買ってしまわないように注意しましょう」(伊藤さん)


投資は決して怖いものではありません。老後資金を効率的に貯めたい独身の方は、ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。


【取材協力】
ファイナンシャルプランナー 伊藤亮太
慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。その後証券会社にて、営業、経営企画部門等を経て、独立系FP会社「スキラージャパン株式会社」設立。現在はスキラージャパン株式会社では法人の資産運用などのアドバイスを、伊藤亮太FP事務所代表としては、富裕層の資産運用や資産管理、個人の資産設計などに携わっている。執筆・講演も金融機関をはじめ多岐に渡る。

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