ねんきんネットとは?利用法や将来の年金額の試算法を解説

今後、日本ではさらに少子高齢化が進むといわれています。「果たして、年金はいくらもらえるのだろう」と不安に感じる人は少なくないのではないでしょうか。これから先、ご自身でも老後資金を準備する必要性が高まっています。しかし、老後にいくらの年金を受給できるのか把握していなければ、必要となる老後資金額がわかりませんよね。


年金受給額を確認するときは「ねんきんネット」の利用が便利です。今回は、ねんきんネットの使い方について解説します。

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ねんきんネットとは?

ねんきんネットとは、スマホやパソコンから、年金の加入状況や受給できる年金の見込額などを確認できるサービスです。所定の申請に必要な書類を作成する機能や、年金見込額を試算できる機能なども備わっています。


日本は「国民皆年金」を採用しているため、20歳以上60歳未満の人は、原則として公的年金に加入しなければなりません。自営業者は国民年金に加入し、会社員の場合は厚生年金にも加入しています。


国民年金に10年以上加入した人は、原則として65歳になると「老齢基礎年金」を受給できます。老齢基礎年金の受給要件を満たした上で、厚生年金に1カ月以上加入した人は「老齢厚生年金」もあわせて受給可能です。また公的年金制度の加入期間は、年金の受給額にも影響を与えます。


公的年金制度の加入状況は、年に一度、誕生月に送付されてくる「ねんきん定期便」で確認が可能です。しかし、ねんきん定期便で確認できる情報は限られています。とくに受給できる年金の見込額は、50歳以上の方に送付されるねんきん定期便にしか記載されていません。


ねんきんネットは、インターネットが利用できる環境があれば、ご自身の年金加入記録や受給できる見込額を、24時間いつでもどこでも確認できます。


ねんきんネットを利用するためには、登録してユーザーIDを発行する必要があります。ユーザーIDの発行には、年金手帳や年金証書に記載されている「基礎年金番号」や、ねんきん定期便に記載されている17桁のアクセスキーが必要です。


ただし、アクセスキーの有効期限は、ねんきん定期便の発行から3カ月。アクセスキーがない場合、ユーザーIDは郵送での発行となり、ねんきんネットが閲覧できるようになるまで5営業日ほどかかります。

ねんきんネットの使い方

では、ねんきんネットでは、どのようなことができるのでしょうか?


  • 納付状況の確認

ねんきんネットでは、国民年金や厚生年金の納付状況を閲覧でき、漏れや誤りがないかを確認できます。具体的には、公的年金制度の加入履歴や加入月数、保険料納付額、納付実績をもとにした年金受給額(年額)を見られます。


加入履歴に漏れや誤りがあった場合、近くにある年金事務所や年金相談センターに申し出ると調査が実施されます。また、年金保険料の納付や後払い(追納)が可能な月数や金額を調べることも可能です。


  • 各種書類の閲覧・作成・再交付

ねんきんネットでは、「ねんきん定期便」「年金振込通知書」などの年金に関する書類を確認できます。また年金保険料の納付を猶予してもらいたいときや、保険料の支払い方法を変更したいときなどの申請に必要な届書を作成できる機能も備わっているのです。


画面の表示にしたがって、必要事項を入力して印刷するだけで簡単に届書が作成できます。必要書類をあわせて添付して、近くの年金事務所に提出または郵送すると、希望する手続きが可能です。


さらに、ねんきんネットでは「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」や「公的年金等の源泉徴収票」など書類の再交付も申請できます。


届書の作成や書類の再交付申請の際には、基礎年金番号や氏名、住所、生年月日等の情報が自動で入力され、記入に誤りがないかエラーチェックも行われるため、書類の作成や再交付の申請がスムーズにできるのがメリットです。


  • 将来の年金額の試算

また、ねんきんネットでは、保険料を納付し続けた場合の受給見込額の試算もできます。


たとえば、現在の公的年金制度に60歳まで継続して加入すると仮定した場合、受給できる年金の見込額を試算できます。また、今後の職業や雇用形態、受給開始年齢などを設定して、年金受給額を試算することも可能です。


さらに、国民年金保険料の未納分を納付した場合や、免除された部分を追納した場合の年金受給額も調べられます。ねんきんネットの試算を活用することで、ご自身のライフプランにあわせて年金受給額を試算できるといえるでしょう。

年金額が少ないと感じたら、今から備えよう

ねんきんネットを確認した結果、年金受給額が思ったよりも少ないと感じる方もいるでしょう。国から支給される年金だけでは老後の生活が不安だと感じた方は、早めに老後資金の積み立てを開始することが大切です。


老後資金を準備する方法のうち、最初に検討したいのが個人年金保険・共済です。年金保険・共済では保険料・掛金を支払い、加入時に定めた年齢に達すると、公的年金とは別に年金を受け取れます。


またiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入し、定期預金や投資信託などで掛金を運用して、年金を準備するのもひとつです。自営業やフリーランスなど厚生年金に加入できない場合は、付加年金や国民年金基金といった制度に加入する方法もあります。


老後資金の積み立てを早めに開始するメリットは、毎月の積立額が少なくなることです。たとえば、65歳までに1,000万円を積み立てる場合。45歳から積み立てを開始すると、毎月の積立額は約4.2万円です。しかし30歳から積み立てを開始すると、積立額は毎月約2.4万円となります(※運用利率等は考慮していません)。


老後生活における金銭的な不安を少しでも減らしたい方は、個人年金保険・共済やiDeCoなどで、早めに積み立てを開始してみるのがおすすめです。


ねんきんネットでは、年金の加入状況や受給できる年金見込額を、インターネット上でいつでも確認できます。所定の書類の閲覧や作成、再交付の申請ができるだけでなく、さまざまな条件を設定して年金受給額を試算することも可能です。


いくら健康であっても、お金に余裕がなければ、不安の多い老後生活となるかもしれません。ねんきんネットで老後の年金受給額を確認し、個人年金共済・保険などに加入して今から備えてみてはいかがでしょうか。

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