人生100年時代!ゆとりある生活を送るための年金戦略とは?
“老後”に関するねだんのこと
2019.01.15
男女ともに平均寿命が80歳を超え、長寿も珍しくなくなった現代の日本。しかし、長生きすればするほど、心配になるのが老後の蓄えです。今回は「人生100年時代」を生きる私たちの老後にどれだけのお金が必要になるか、またどうしたら将来より多くのお金を手元に残せるかなど、今すぐ始められる年金戦略についてご紹介します。
最近良く聞く「人生100年時代」って?
2017年に行われた厚生労働省の調査によると、日本人男性の平均寿命が81.09歳、女性は87.26歳となり、過去最高を記録しました。また英国のリンダ・グラットン教授の研究では、2007年生まれの子供の半数が107歳まで生きる確率は50%とも言われています。日本の長寿化もますます加速する勢いです。そんな、誰もが100歳まで生きるのが当たり前になる時代こそが「人生100年時代」。政府では「人生100年時代構想会議」と題して、長寿社会が目指すべきあり方を議論する場が設けられ、さまざまな取り組みが行われています。
これまで長寿はおめでたいこととして扱われてきましたが、それが当たり前になれば老後の人生設計、ひいては日本社会にも大きな影響が出ることは必須。そこで厚生労働省では、介護人材の処遇改善や高齢者雇用の促進、人材開発を目的としたリカレント教育など、来たるべき超高齢化社会に向け、さまざまな対策を進めています。
公的年金では足りない?老後の生活資金
退職後も安心して暮らせるように、日本では年金制度が設けられています。しかし高齢化が進む中で年金受給年齢も上がっていることから、それだけで老後を過ごすことに不安を覚える人も多いのではないでしょうか。
公益財団法人の生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(平成28年度)」によると、夫婦ふたり暮らしで必要になる最低限の老後生活費は月額22万円。よりゆとりのある暮らしを求めるなら34万9,000円が必要というデータがでています。
では、年金はそのうちのどれくらいをまかなえるのでしょうか。たとえば世帯主が60歳以上の無職世帯の場合、受け取れる年金は1か月で17万5000円ほど。最低限の老後生活費にも満たないのがわかります。意識調査でも、老後の生活を年金だけでまかなえるかという質問に対し、「まかなえるとは思わない」と答えた人は約80%にのぼりました。まだ定年して間もない年齢なら、再雇用やパート、アルバイトなどで生活費を得る手段もありますが、80代ともなるとあまり現実的ではありません。足りない分をいかに補填するか、若いうちから対策を考えておくことが重要です。
早めの対策で老後資金を貯めよう!
では、今から老後の備えをするとすれば、どのような方法があるのでしょうか。
<個人年金保険・共済>
まずは個人年金共済・保険に加入することです。個人年金とは、生命共済・保険の一種で、国民年金などの公的年金とは別に民間の保険会社などと契約する共済・保険のことです。年金共済・保険に加入し、掛金を支払うことで、設定した年金支払開始年齢になった際に増額された年金を受け取ることが可能となります。さらに月々の掛金は個人年金保険料の控除の対象となるため、一定額が所得から控除される仕組みとなっており、節税にもつながります。
<iDeCo>
また、同じく年金の受給額を増額させる手段として「iDeCo」という選択肢もあります。こちらは別名・個人型確定拠出年金と呼ばれ、自らの掛金を使って定期預金や投資信託などとして運用、得た利益を年金として受給できるというもの。運用自体は証券会社などが代理で行うため、掛け金と運用方法についてだけ指示すればOK。
こちらも掛け金は全額所得控除、運用益も非課税で受け取る時にも控除があるなど大きなメリットがあります。
<家計の見直し>
そして、地道で最も効果的なのが家計の見直しです。ひと月にどれだけの収入と支出があるかを見極め、節約できる部分は貯蓄や資産運用へ。無駄なく管理することで、より多くのお金を手元に残すことができるでしょう。
日本FP協会の調査によると全国の20~70代の男女を対象に「世代別比較 くらしとお金に関する調査」を行ったところ、人生100年時代に不安に思うことの1位に挙がったのが「老後の生活設計」でした。いくら健康で長生きしたとしても、お金に余裕のない暮らしは心細いもの。「備えあれば憂いなし」という言葉のとおり、しっかり備えて充実した老後を送りたいものですね。