確定拠出年金におすすめってあるの?気になるメリットや運用方法の総まとめ

近年、国会でも頻繁に取り沙汰されている年金問題。さまざまな問題点が指摘されるたび、「公的年金だけでは、老後が不安……」と考える方も多いのではないでしょうか。そこで知っておいて欲しいのが「確定拠出年金」。その特徴や運用方法をまとめました。

確定拠出年金の仕組みと特徴とは

そもそも「確定拠出年金」とはどんなものなのでしょうか。


まず、年金には20歳から60歳までの誰もが加入する「国民年金」(1階部分)や、企業や役所などで働く方々が加入する「厚生年金」(2階部分)があるのはご存じですよね。「確定拠出年金」はさらに上の階層の3階部分にあたります。会社や民間団体などが導入する“企業型”と、自営業者や公務員が加入できる“個人型”の2種類があり、会社員の方は併用することもできます。


「確定拠出年金」の特筆すべき点は、運用次第で将来の給付額が変わること。運用は加入者それぞれが指示を出して行います。掛け金については“企業型”の場合は原則、会社負担(月の上限は5万5,000円、他の企業年金と併用の場合は上限2万7500円)となり、“個人型”では全額自己負担(国民年金のみの方は月の上限は6万8000円、それ以外の方は併用の状況により異なります)です。加入者数は“企業型”が約58万人(2016年8月時点)、“個人型”は約28万人とそれぞれ増加傾向にあります。

確定拠出年金のメリットとデメリットを知ろう

老後の心配が軽減される「確定拠出年金」ですが、いきなり始めるのはハードルが高いと考える方のために、もう少し概要を見ていきましょう。
まず「確定拠出年金」のメリットですが、第一に税金が優遇される特徴があります。掛け金は非課税で全額控除対象、運用益も非課税、年金として受け取った際にも公的年金等控除の対象となります。


個人が管理するため転職しても継続して運用することができる(ポータビリティ)という点も魅力のひとつ。万が一、会社が倒産したとしても、影響を受けず資産が守られるということです。また、原則60歳から給付金がもらえるので、公的年金の給付が始まるまでの5年間をある程度保障してくれる年金ともいえます。


一方で注意したいのは、運用がすべて自己責任であること。おろそかにしていると、給付額が減ってしまうことも……。うまく運用していくためには知識も必要になりますから、日々勉強するくらいの意欲を持って取り扱わないといけません。このほか、60歳になるまでお金の引き落としができないことや、加入時の手数料(2,000円~6,000円程度)と、毎月数百円程度の口座管理手数料等がかかってくることなども挙げられます。


加入を決める際には、メリットやデメリットをきちんとふまえて検討することが大切ですね。

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確定拠出年金のおすすめの運用法って?

いざ確定拠出年金に加入したとしても不安なのは、うまく運用できるかどうかということ。商品には定期預金や保険、投資信託のほか、国内・海外の株式や債券などがあります。上手く組み合わせてバランス良く投資するのがおすすめです。


「確定拠出年金」の運用を指図する方法には、「配分変更」と「スイッチング」の2つの方法があります。


「配分変更」は毎月の拠出金で買い付ける商品の比率を変更すること。A〜Eまで5つの商品を運用している方なら、それぞれ20%ずつ割り当てていたものを、Aを40%にして残りを15%ずつにするなど、より利益が出るように変えていくことです。


(例)

配分変更…掛け金(100%)の比率を変更する

【変更前】

商品A:20%

商品B:20%

商品C:20%

商品D:20%

商品E:20%


【変更後】

商品A:40%

商品B:15%

商品C:15%

商品D:15%

商品E:15%


対して「スイッチング」は、現在持っている運用商品を売却・解約して、他の運用商品に買い換えること。100万円の残高で50万円の商品を2つ運用していた場合、50万円の商品を1つ手元に残し、新たに25万円の商品2つ(CとD)に買い換えることができます。


「配分変更」はあまり頻繁に変えすぎると利益がでなかったり、「スイッチング」にはコストがかかったりとそれぞれに注意点があるので、よく考えてその時々の運用方法を身につけていくのが良いでしょう。


20代、30代にとっては年金と聞くとずいぶん先の話に聞こえるかもしれませんが、なるべく若い時にこそ始めたほうが、長期間運用できるため、じっくりと利益を出していけるという強みがあります。自分にあった方法を探し、検討を始めてみてはいかがでしょうか。


参考 :
確定拠出年金制度(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/
一般社団法人 投資信託協会
個人型確定拠出年金

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