公的年金の種類や支給条件まとめ。知らなきゃ損かも!?
“老後”に関するねだんのこと
2016.12.20
20歳をすぎると、国民全員が加入を義務付けられる公的年金制度。60歳まで保険料を払い続けなければならないにもかかわらず、とりあえず毎月払っているという人も実は少なくないのでは?しかし、自分が加入している年金の種類や支給条件を理解しておかないと、後々困ることになるかもしれません。覚えておくべきポイントをまとめました。
公的年金の種類について理解していますか?
日本では、主に高齢者のための社会保障制度のひとつとして公的年金制度があります。これは国が運営する保険の一種で、働き手の世代が納めた保険料を原資として運用しつつ、高齢者(65歳以上)に毎月一定の金額を支給する制度のこと。国内に住所のある20歳から60歳までのすべての人に加入が義務づけられています。
しかしひとくちに“年金”といっても、国民年金、厚生年金、それぞれの特性をしっかり理解できている人は少ないのではないでしょうか。今回は知っているようで意外と知らない、公的年金の種類を見ていきましょう。
国民年金って?
最も基本的な年金で、「基礎年金」と言われるものです。加入対象は日本に住む20歳から60歳までのすべての人。国民年金というと、学生や自営業など会社に所属していない人が支払うものと思われがちですが、サラリーマンや公務員も「厚生年金の一部」という形で国民年金に加入しているのです。
国民年金の給付の内訳は大きく分けて3つあります。
老齢基礎年金
65歳以上になると加入期間に応じて年金を受け取ることができます。これまで最低25年以上の加入が必要でしたが、平成29年4月以降は受給資格を得るための期間が10年間に短縮される予定です。
障害基礎年金
病気やケガで法令によって定められた障害の状態(後遺症が残るなど)になった場合、受け取ることができる年金。18歳未満のお子さんがいる場合は、その人数に応じて年金の額が加算されます。
ただし、“保険料納付済期間(免除期間を含む) が被保険者となってから3分の2以上を経過していること”や、“初診時に65歳未満であり、その2カ月前までの1年間に保険料がきちんと納付されていること”、などの受給条件があるため、注意が必要です。
遺族基礎年金
加入者が死亡した場合に、妻や18歳未満(障害等級1級または2級の場合は20歳未満)の子に対して支払われます。こちらも、障害基礎年金同様の受給条件があるため、しっかり確認しましょう。
これらは国民年金に加入していれば、すべて受給することが可能。ちなみに、この年金にのみ加入している人を第1号被保険者と呼びます。
厚生年金って?
サラリーマンなど民間企業で働いている人が加入する年金で、毎月の保険料がお給料から天引きされる仕組み。以前まで、公務員や私立学校の教職員は“厚生年金の公務員バージョン”ともいえる「共済年金」に加入していました。しかし、以前から共済年金は掛金が少ない割に、厚生年金に比べて優遇されているという批判があり、その格差を是正するべく2015年10月に制度自体を廃止。以降は厚生年金に一元化されています。
保険料は勤めている企業(事業主)が半分負担することになっており、こちらも、「老齢厚生年金」「障害厚生年金」「遺族厚生年金」という3つに分かれています。ただし、2つの保険を掛け持ちしているかたちになるため、国民年金だけの場合に比べて、より手厚い保障を受けることができます。
また、厚生年金の保険料は一律ではなく、報酬比例部分といってお給料の額に応じて変動するのも特徴のひとつ。たくさん納めた人ほど、将来受け取れる金額も高くなります。分類上は第2号被保険者で、その配偶者を第3号被保険者と呼びます。
年金というと老後の支えというイメージが大きいものですが、「障害年金」「遺族年金」など、65歳に満たなくても受けられる保障であることは、ぜひ知っておいて欲しいところ。
そして未納が続くと保障も受けられなくなってしまいます。どうしても支払えない場合は、自治体の窓口で「免除」「猶予」といった手続きが可能です。放置せずに何らかの対応を忘れないようにしましょう。
公的年金制度は、現役世代が高齢者を見守る「世代と世代の支え合い」という考え方が基本。いつか必ずあなたも当事者になる時がやってきます。未来のためにも、その特性や保障内容についてきちんと理解を深めていきたいですね。