年子や3歳差は損? きょうだいの歳の差と家計の関係を教えて!
“子育て”に関するねだんのこと
2016.10.06
「子どもは将来2人以上欲しい」「今ひとりっ子だからきょうだいを増やしてあげたい」夫婦間でそんな相談をしているときに、気になるのは子どもたちの年齢差。きょうだい間の仲の良さや育てやすさに年齢差は影響しそうですが、特にお金に関しては少々不安が生じます。独り立ちするまでの教育費のことを考えると、たとえば年子の場合は受験の年が続いてしまうし、3歳差なら受験の時期がちょうど重なってしまう……。2人以上のきょうだいを無理なく育てられる、理想の年齢差というのはあるのでしょうか?ファイナンシャルプランナーで、ご自身も年子の母親だという有田美津子さんにお話を伺いました。
“人生の三大資金”をバランスよく貯める
「教育費に関しては、私はそれほど年齢差を意識しなくても良いのでは、と思います。というのも、『住宅購入費(住宅ローン)』、『老後資金』、『教育費』が人生の三大資金といわれていて、家計は教育費だけに目を向けていればいいというわけではないからです。たしかに、子どもが年子や3歳差で生まれて、家計の中で教育費の割合が大きくなることはありますが、それはあくまで一時的なこと。大切なのは、子どもが生まれたときからきちんと教育費を貯められているかどうかです」(有田さん)
年子で一時的にお金のかかる時期が続いても、その分子どもが独り立ちするのも早く、それから長い時間をかけて老後資金を貯めることができます。逆にきょうだいの歳が離れていると、下の子が一人前になったころに親が定年を迎えて老後資金を貯められない、なんて可能性も。だからこそ、「住宅ローンを払い、教育資金を貯め、老後資金を貯める。この3つを意識してバランスよくお金を貯めることが大切」と有田さんはいいます。
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子どもの成長に合わせて少しずつ収入を増やす努力を
三大資金や日々の生活費のために節約することは大切ですが、一般的な家庭で大学4年間分の学費など高額な資金を貯めるのは、やはり節約だけでは至難の業。夫だけではなく、妻も積極的に収入を増やしていく努力が必要です。
「私の実体験になりますが、夫婦が若く、夫の年収も高くないころに年子で産んだので、それはもう大変でした(笑)。下の子が小学校に入ったころにパートから始めて、その後はフルタイムの仕事もするように。子どもが成長するにつれて徐々にステップアップしていきましたね。出産を機に一度退職なさった方も、お子さんの成長に合わせて、少しずつ働いてみることをおすすめします」(有田さん)
現在は、インターネットさえつながっていれば自宅でもできる仕事が増えています。「子どもがまだ小さくて目を離せない」という人は、在宅ワークから始めてみるのもいいかもしれませんね。
収支の波がわかるよう、キャッシュフロー表で「見える化」を
いつまでにいくら貯めればいいのか、それが明確になっていればより資金計画は立てやすくなるはず。そのため、有田さんは相談者向けに「キャッシュフロー表」を毎回作成しているそうです。収入や支出をグラフ化し、「住宅購入」「子どもの受験」などライフイベントを併記することで、20年、30年後まで続く家計の動きを俯瞰して見せています。
「現在から将来までの収支を “見える化”するキャッシュフローを作成することによって、思っていた以上にお金がかかるということに気づく方が多い。そうすると『子どもを産んだらもう一生働かない』と言っていた人が働くことを考えたり、『保険や共済に入らない』と言っていた方も、ご主人が亡くなったらいくらお金がかかるかということを知って加入しようと決めたり、家計への意識が変わってくるんです」(有田さん)
子どもが何歳のときにいくらお金がかかるかきちんとシミュレーションしておくと、貯めるべき金額が明確になります。資金計画を立てる際の目安として、収支を“見える化”することは非常に有効と言えそうです。
とはいえ、どんなにきちんと計画を立てていても、その通りに進むことはごく稀なこと。実際にどれだけお金がかかるかわかるのは今日・明日の話ではなく、子どもたちが大きくなった10年、15年先の話です。まずはそこに向かって早い段階からコツコツお金を貯めていくことが大事ではないでしょうか。
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