幼稚園の学費まとめ 公立と私立でどれだけ違う?

幼稚園入園から大学卒業まで、長いと20年程も必要となる子どもの学費ですが、公立か私立かによって総額は大きく変わってきます。計画的に準備していくためにも、相場や補助制度について知っておくことが大切。そこで、幼稚園における公立、私立の学費の違いについてみていきたいと思います。

公立幼稚園と私立幼稚園の違い

公立幼稚園は国や地方自治体が運営するのに対し、私立幼稚園の運営母体は民間のため、英語教育やモンテッソーリ教育など柱となる教育理念を掲げる幼稚園や、音楽や体操などに力を入れる幼稚園、宗教系や大学の付属幼稚園など、それぞれに特色ある教育を実施していることが多いです。また、送迎バスや給食、延長保育や保育時間外のお稽古教室などを取り入れている幼稚園もあり、公立に比べて手厚いサービスが受けられる傾向が強いのも、私立幼稚園の特徴といえるでしょう。


一方、公立幼稚園の魅力は、なんといっても学費の安さ。文部科学省が発表した「平成28年度子供の学費調査」によれば、学費の年間総額は、公立で約23万4千円、私立で約48万2千円と、2.1倍もの差があるとのこと。
入園料や授業料の相場にも大きな開きがあり、公立では入園料0~1万円、授業料も月額数千円~1万円ほどですが、私立では入園料5~10万円、授業料も月額3~5万円といったところが多く、それ以上かかってくる幼稚園も少なくないようです。

公立幼稚園と私立幼稚園の学費内訳は?

公立と私立で2.1倍もの差がある学費の年間総額。何にどのくらいの金額を要するのか、「文部科学省 平成28年度子供の学習費調査 幼稚園の学校教育費の支出構成」によると、次のような内訳となっていることがわかります。




私立の場合、入園にあたり検定料が必要となったり、施設整備費やPTA会費などの保護者負担があったりするほか、寄付金などを要する幼稚園もあり、それらが含まれる「学校納付金等」の割合が高めに。また、送迎バスや、園指定の制服やカバンなどの着用が必須の幼稚園も多いため、「通学関係費」も公立に比べて若干高めになっていることがわかります。

私立幼稚園で受けられる補助金制度

公立幼稚園のほうが圧倒的に経済的負担は少なく、教育資金の面から見ると魅力的ではあります。しかし、誰もが入園可能というわけではありません。
文部科学省の資料によれば、平成30年度の全国の私立幼稚園の数が6,688校あるのに比べ、公立幼稚園数は3,737校と少なく、さらに公立は学区が決められていることから、そのエリア内に居住していなければ申し込むことができないなど、私立幼稚園に比べて狭き門。住んでいる場所によっては、公立幼稚園自体がなく、私立幼稚園しか選択肢がないというケースも見られます。


そのため、私立幼稚園の場合には、保護者の経済的負担の軽減や、公立幼稚園や認可保育園との格差を埋めるための「補助金制度」があります。


就園奨励費補助金

国が私立幼稚園利用費に給付する補助金。所得額や子どもの人数などによって補助金額が決まります。


保護者負担軽減補助金

都道府県から支払われる補助金。所得制限はありませんが、保育料の年額から就園奨励費補助金を引いた残額が対象額となります。


これら2つの補助金は入園料と授業料を対象としていることが多いため、送迎バスやPTA会費などは対象外となることがあります。また、年度や自治体によって金額や条件が異なるため、詳細を知りたい場合はお住まいの自治体へ問い合わせてみましょう。


書類の配布や申請は通っている幼稚園を経由することがほとんどなので、配布された申請用紙と、必要に応じて家族構成や世帯収入を申告する書類などをあわせて幼稚園へ提出するだけで、手続きは終了です。給付と給付額が決定した時点で保護者へ通知が届きますが、補助金は自治体から幼稚園へ支払われるため、幼稚園によっては補助金を差し引いた金額を授業料として請求するケースと、満額の授業料を請求し補助金はそれぞれの家庭に振り込むケースがあるようです。

幼稚園選びのポイント

2年3年と通う年数に比例して、公立と私立では学費の総額が大きく変わりますが、幼稚園によって特色も異なるため、「安ければいい」というものではないのが、幼稚園選び。家計状況や子どもとの相性など総括的にみて、我が子にふさわしい幼稚園を選んでほしいと思います。

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