花粉症の治療方法って知ってる??
“病気”に関するねだんのこと
2024.03.01
皆さん、花粉症対策はできていますか?毎年2月頃から本格的なスギ花粉症シーズンが始まります。
最近はドラッグストアで薬剤を購入する、いわゆるセルフメディケーションも注目されてきていますが、症状が強ければ耳鼻咽喉科を受診し、重症度に合わせて服薬や手術治療を検討していくことになります。
今回は耳鼻咽喉科でどのような治療ができるかについて説明します。
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花粉症(アレルギー性鼻炎)
花粉症(アレルギー性鼻炎)は鼻や目の粘膜に花粉などのアレルゲンが付着し、アレルギーの原因となる抗体が反応することで生じます。
アレルギーを持つ方全員におすすめなのは「抗原回避」で、ゴーグル・マスク着用によって花粉を受けないようにすることです。しかし、鼻水・くしゃみ・目のかゆみといった症状が強ければ専門的な治療をおこなっていくことになります。
服薬
治療の第一歩は服薬による治療です。抗ヒスタミン薬と呼ばれるアレルギー症状を抑える薬や、点鼻ステロイド薬などが選択肢になります。抗ヒスタミン薬は鼻水・くしゃみやのど・皮膚のかゆみなど、全身に発生する症状に有効です。点鼻ステロイド薬は鼻水・鼻づまり・くしゃみなど鼻の諸症状に有効性が高く、目の症状にもある程度有効といわれています。
手術
下鼻甲介粘膜焼灼術(かびこうかいねんまくしょうしゃくじゅつ)
服薬だけで症状が収まらない場合は、手術を検討する場合もあるでしょう。
花粉症で多くの鼻水を分泌するのは「下鼻甲介」という部分です。この下鼻甲介の粘膜をレーザーや薬液で変性させることにより、鼻水・鼻づまりを軽減させるのが下鼻甲介粘膜焼灼術です。特に鼻水や鼻づまりに対し効果的で、局所麻酔・日帰り手術で治療をおこなえるのが特徴です。
比較的身体の負担も少ない施術のため、毎年花粉症の諸症状に悩んでいる・追加の治療をするか迷っているという方に、最初におすすめすることが多い手術治療になります。花粉症の症状が出たあとだと効果が半減してしまう可能性があるため、なるべく早めに受けることをおすすめします。
後鼻神経切断術(こうびしんけいせつだんじゅつ)
止まらない鼻水で悩んでいる場合、さらに根本治療に近い後鼻神経切断術を選択します。
後鼻神経とは下鼻甲介に分布する副交感神経で、鼻水の分泌を司っています。後鼻神経切断術は、粘膜下の後鼻神経を電気メスで焼灼、切断することにより、鼻水を出す命令を停止させるものです。花粉症だけでなく、血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)にも有効といわれています。
ただし、出血のリスクもあるため一般的に全身麻酔による手術・入院が必要な手術となります。後鼻神経切断術は全身麻酔による身体的負担があり、出血リスクも下鼻甲介粘膜焼灼術に比べると高いです。そのため下鼻甲介粘膜焼灼術など他の治療でも効果が乏しい、鼻水が止まらないなどの場合に選択する術式です。
監修
耳鼻咽喉科専門医・医学博士 小島 敬史
(国立病院機構 栃木医療センター 耳鼻咽喉科医長)
花粉症の治療は共済金の支払対象になる!?
手術と聞くと不安を感じるかもしれませんが、今回紹介した花粉症に対する手術治療はいずれも確立された手術で、耳鼻咽喉科では日常的におこなわれている方法です。
下鼻甲介粘膜焼灼術のような、日帰りで治療がおこなえる手術においても、JA共済の医療共済「メディフル」であれば、手術共済金の支払対象になります(※)。毎年花粉症の諸症状に悩んでいる方は、ぜひ早めに、耳鼻咽喉科で相談してみてはいかがでしょうか。