田舎暮らしの生活 Uターン・Iターンを叶える方法
“就労”に関するねだんのこと
2017.04.03
「故郷にいる家族の近くにいたい」「地方でゆとりのある生活をしたい」……このような理由で都市部から地方へのUターン・Iターンを希望する人が最近増えています。しかし、移住先で仕事を見つけられるのか不安な方も多いはず。そこで地方での仕事の探し方や、どんな仕事があるのかご紹介します。
田舎暮らしは仕事がないってほんと?
田舎暮らしを検討するときに、「地方に行っても仕事がない」ことがネックになるという話をよく聞きます。果たしてこれは本当なのでしょうか。
たしかに、地方の一部の地域では都市部に比べて企業数が少ないため、比例して求人数も少なく情報を見つけるのが困難なこともあります。また、平均年収も都市部に比べると地方の方が低くなっています。これらのことから「地方に行ってもいい仕事が見つからない」と思ってしまうのも無理はありません。
しかし、最近ではUターン・Iターンへの関心が高まり、地方への転職エージェントや情報サイトといったサービスが利用できるようになりました。さらに、地方自治体によっては積極的に地方への転職支援サービスを行っており、東京にも相談窓口を設置しているため、これらのサービスを利用すれば十分な情報収集が可能です。
また、地方に移住するなら起業したいと考える人も増えています。というのも、地方で起業したい方に向けて、補助金などの支援制度を設けている地方自治体も少なくないからです。起業を考えている人にとっては、そういった支援制度を利用することで経費や土地代を削減できるため、金銭面でのメリットが大きいといえるでしょう。地元に直接貢献できる仕事がしたい、という人にもオススメの選択肢です。また、農林水産業に就きたい人を支援する制度を設けている自治体や企業と提携し、IT技術を活用したフリーランスの働き方を推進する自治体も近年増えてきています。移住に伴ってワークスタイルも変えてみたいという人は一度検討してみるべきでしょう。
そもそも、地方は都市部に比べると物価が安く生活費も抑えられることも多いため、相対的に収入が減っても変わらぬ暮らしをキープすることもできます。費用面以外にも、地方で働くことで豊かな自然の中で過ごすことができる・通勤ラッシュに巻き込まれない・実家にいる家族と一緒に過ごす時間が増える……などさまざまな特長があるのです。
以上のことからも、工夫次第では希望に合った仕事を見つけて生活することができると言えるのではないでしょうか。
田舎暮らしをする上で重視すべき仕事探しのポイントとは?
それでは、地方で仕事を探す場合にはどういったことに気を付ければよいのでしょうか。いくつかポイントをまとめてみました。
●なるべく多くの情報を集める
地方の求人はただでさえ多くはありません。自分の希望に合った仕事を見つけるためにも、複数の情報源をたどることが重要となってきます。地方の求人情報がまとめられているWebサイトやUターン・Iターン希望者用の転職エージェント、情報雑誌やハローワークを利用しましょう。地方自治体が移住支援を行っているか、東京にも相談窓口があるかどうかも確認しておくこと。さらに地元にいる家族や友人に仕事を探していることを相談し、情報収集を手伝ってもらうのも得策です。また、企業数が少ない地方での求人募集はすぐに枠が埋まってしまうかもしれないため、希望に合う仕事を見つけたらなるべく早く動くことが重要です。ただしどんな企業でも面接等の前に一度は直接足を運びましょう。自分の目で確かめることで社内の雰囲気や周囲の環境がわかり、転職後のミスマッチングを防げるからです。
●視野を広く持つ
希望の就職先がなかなか見つからなかった場合は、一般企業への就職以外の道も検討してみましょう。
①起業……経費や土地代の援助、起業家育成制度など金銭・スキル両面から起業を支援している地方自治体があります。それらを利用することにより、都市部で起業するよりも確実にコストを抑えながら起業することができます。
②就農……40代までなら農業生産法人への就職も視野に入れられるでしょう。「地域おこし協力隊」に参加すれば地域協力活動に従事しながら報酬を得ることができます。また、その後も収入が安定するまでの間、農林水産省が提供する青年就農給付金を受け取りながら働くことも可能です。
③フリーランス……地方であってもインターネット環境があれば、自分の技術を生かしてフリーランスとして働くことができます。一部の地方自治体はクラウドソーシングを行う企業と協力し、フリーランスとして地方移住する人々のために人材育成や仕事の提供をしています。
自分の移住の目的や、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことが大切です。
●お金のシミュレーションをする
「移住してみたはいいものの、思っていたより収支のバランスがとれず、生活が苦しくなってしまった……」ということがないように、事前にしっかりと田舎暮らしの生計をシミュレーションしておきましょう。都市部と比べるとたしかに住居費は抑えられますが、代わりに通勤などに自家用車が必要な場合があります。移住前にきちんと仕事や住居を決め、ライフプランを設計しましょう。移住してきた人に住宅補助や教育費支援を提供している地方自治体もあるので、そちらも確認しておくべきでしょう。
事前に準備し、きちんと仕事を見つけておくことが、Uターン・Iターンに失敗しないための大切なステップ。子育て環境など、生活面にもメリットの大きい田舎暮らしを叶えるために、まずは移住したい地方での仕事について情報を集めてみてはいかがでしょうか。