長生きがリスクに?超高齢社会に必要な備えとは

近年、ニュースなどで盛んに「超高齢社会」という言葉が登場するようになりました。平均寿命が伸びていることは知っていても、具体的にどのような状態を指す言葉か理解している人は少ないのでは?今回は「超高齢社会」が意味するところに加え、長生きすることで増えるリスク、必要な備えについても解説します。



超高齢社会の到来

世界保健機構(WHO)や国連が定める超高齢社会の定義は「65歳以上の人口の割合が全人口の21%を占めている社会」のこと。それをふまえて現在の日本の人口比率を見てみましょう。


総務省によると2018年の時点で総人口に占める高齢者人口の割合は28.1%となり、過去最高となりました。男女別にみると、男性は25.1%、女性は31.0%。また80歳以上の人口は1104万人を突破しています。この数字を見ると、いかに日本の高齢化が進んでいるかわかりますね。


ちなみに高齢化率が高い国としては、スウェーデン、ドイツ、フランス、イギリス、アメリカなどが挙げられますが、日本はこれらの国々の中でも、とりわけその進行が早いことが指摘されています。今後も日本の高齢者率は高くなることが予測されており、2025年には約30%、2060年には約40%に達すると見られています。


背景として考えられるのは医療の発達などで平均寿命が伸びたこと、戦後のベビーブームに生まれた人々が揃って65歳を超えたこと。さらには出生率の低下も影響していると言われています。日本の人口が減少傾向になる中、高齢者の割合は増え続けているのが現状です。

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長生きがリスクになる時代

では、今後超高齢社会が進むことでどのようなリスクが考えられるのでしょうか。


みなさんは「2025年問題」という言葉を聞いたことがありますか? これは、日本で一番人口の多い団塊の世代が、2025年ごろまでに後期高齢者(75歳以上)に達した際に懸念されている問題のこと。具体的にみていきましょう。


  • 医療費の増加

まずは医療費の増加です。私たちが年を重ねる際に最も気がかりなのが病気や怪我。高齢になればなるほど病院に通う回数が増えることを考えると、当然高齢者の多い社会では多額の費用がかかることになります。
厚生労働省の推計によると、2025年の医療保険給付は総額54兆円。現在より12兆円以上増える見通しです。反面減っていくと思われるのが医師や看護師など医療現場に携わる人たち。すでに多くの病院等で人手不足による過酷な労働実態が問題になっており、このまま進行すれば必要な医療を必要な時に受けられない可能性も出てくるでしょう。


  • 年金支給額の減少及び支給年齢の引き上げ

年金も同様です。先日、厚生労働省は公的年金の受給開始年齢を75歳まで繰り上げられるようにする検討に入ったと明かしましたが、2025年になる頃には支給金額の大幅な減少や支給年齢の引き上げも予想されます。


  • 介護人材の不足

そして介護においても人手不足は深刻化しています。現在でも介護の人手不足から老人が老人を介護する「老老介護」が問題視されていますが、今後は認知症患者がより重度の認知症患者を介護する「認認介護」も広まると見られています。また、このように介護が追いつかない状況では、家族の負担も増え、孤独死も増加するでしょう。
今や社会全体で「2025年問題」への対策が急務となっているのです。

「超高齢社会」に備えるためにできること

今後ますます進行していく「超高齢社会」のために、それぞれが対策できることはなんでしょか。医療費が増え、年金額は減少、働いて賃金を得ることも難しくなることを考えると、恐ろしいのは老後破産。そんな事態にならないよう、今のうちから年金保険や介護保険等を活用し、将来に備えることも大事です。JA共済も年金共済や介護共済で保障の提供を行っていますので、まずは資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
このほか、生活スタイルの見直しや毎日の節約など、小さなことからコツコツ続ける積み重ねも将来の大きな安心につながることでしょう。


「超高齢社会」を生きる上でさまざまなリスクや問題を見てきましたが、本来長生きすることは幸せなことです。年を重ねても現役世代同様、若々しくアクティブなシニアも増えていますし、できれば自分たちもそうありたいと思いますよね。老後も健やかで生き生きとした人生を送るために、今できる備えについても考えてみてはいかがでしょうか。

関連:「介護を始める前に要チェック!かかる費用やサポート制度について」


参考:
公益財団法人「長寿科学振興財団」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/tyojyu-shakai/nihon.html

「総務省」
https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1131.html

JA共済ライフロード
http://www.ja-kyosai.or.jp/okangae/product/human/life.html

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