【徹底解説】覚えておきたい水害対策。家庭での備え方をまとめてみた
“家と車”に関するねだんのこと
2020.10.21
昨今、過去に類をみないほどの豪雨や長雨、超大型台風が日本で猛威を振るっています。
国土交通省の調べによると、水害による被害額は2013年に約4,100億円だったのに対し、2018年には1兆3,500億円となり、5年間で3.3倍に急増。1995年が約1,622億円だったことを考えると、驚異的なスピードで年々水害リスクが高まっているといえます。
気象庁によると過去10年の間に起きた大規模水害は33件、うち8つは、特に大きな被害を起こした水災害とされています。東日本の広いエリアを襲った「令和元年東日本台風」では、河川の近くや山間部のみならず、都市部も甚大な被害を受け、備えの重要性に気付かされました。
洪水や土砂崩れ、高潮は、特定のエリアに住む方の心配ごと、という考えではもう危ういかも。これまで水害が起きたことのない地域でも、水害への備えが必要になってきているのです。
水害対策として家庭で準備しておくべきこと
自然災害はいつ起きるか分かりません。令和元年東日本台風でも直前に店舗在庫が品薄になり、防災グッズや食料品が手に入らず混乱を招く事態となりました。有事に慌てることのないよう、普段から準備しておきたいですよね。
では、水害対策としてどんな備えをすればよいのでしょうか。
ポイント1 ハザードマップや避難所の確認
ハザードマップとは、エリアに潜む災害リスクを示す被害予測地図のこと。ハザードマップを見ることで、居住エリアの災害リスクを把握するだけでなく、安全な避難場所や避難経路が分かります。
避難場所を確認する際は、同時にハザードマップで安全な避難経路も調べておきます。また、道路がふさがれてしまった事態を考慮し、避難経路は複数確認しておくと良いでしょう。
なお、避難場所を決める際は、安直に「学校だから」「公民館だから」という理由で決めないことも重要です。学校や公民館のような場所でも、ハザードマップを見ると危険なエリアに属していたということもあるので注意が必要です。
ポイント2 非常用品を準備する
非常用品の準備は、家に備えるものと避難所へ持ち出すもので異なります。避難所へ持ち出すものをリュックなどに入れて準備した上で、家での備蓄も行いましょう。
■持ち出し用
・貴重品
・非常食品(火を通さずにそのまま食べられるもの)
・飲料水
・応急医療品
・タオルと最低限の衣料品(下着、マスクを含む)
・軍手
・情報機器(携帯電話・身内の電話番号を控えたメモ、モバイルバッテリー、携帯ラジオ)
・夜間照明用品(懐中電灯など)
・(女性の場合)生理用品
・(子どもがいる場合)母子手帳やミルク、おむつなど年齢に合わせたもの
■家に備えるもの
上記持ち出し用に加え、下記を準備します。
・飲料水(数日分)
・非常食品(卓上コンロで調理可能なもの)
・卓上コンロ、カセットボンベ
・使い捨てカイロ
・ロープ、スコップなどの工具
・土のうや水のう
・ポリタンクやバケツ、ビニール袋、浴槽貯水
・新聞紙、ビニールシート、布製ガムテープ
・日用品(ドライシャンプー、キッチン用ラップなど)
持ちだす貴重品は、印鑑や身分証、保険証、通帳、クレジットカードの他に、公衆電話などで利用するための小銭を含む現金、車や家の予備の鍵など。また、避難所で貴重品を持ちながら多数の知らない人と過ごすのは不安を感じるもの。就寝時も安心して過ごすために、貴重品を入れて身に着けられるサコッシュやウエストポーチがあると良いでしょう。
なお、土のうや水のうは、玄関やドア、窓などにぴったりと這わせるように置くことで、家屋への浸水被害を最小限に食い止められます。ただ、普段から家に複数の土のうを置いておくのは邪魔になりますよね。また重たいので女性やお年寄りにとっては扱いづらく、有事に活躍しきれないことも。
そんなときに便利なのが、土砂の代わりに水を入れる水のう。ゴミ出し用の大きなビニール袋を2枚重ね、中に水を入れることで土のうと同じ働きができます。排水溝に置けば水の逆流も防げ、水が引いた後にトイレ用水などに再利用も可能なので、スペースが限られている場合などはゴミ出し用のビニール袋を水のう用として備えておきましょう。
万が一の水害に備えて。保険(共済)も見直そう
万が一の水害に備え、保険(共済)の見直しもあわせて行っておきましょう。確認すべき点は2つです。
・加入している火災保険(共済)に「水災」項目があるか
多くの方が加入している火災保険(共済)ですが、水害保障がついているケースとついていないケースがあります。まずは加入している保険や共済に、水害項目があるかどうかを確認しましょう。
水害項目があった場合、カバー範囲も合わせて確認を。建物のみか、家財も含むのかは保険(共済)により異なります。一戸建てや住んでいるマンションの階層が低い場合は、家財も含めた補償内容になっていると安心と言えるでしょう。
・車両保険(共済)の適用について
洪水によってマイカーが水没してしまった場合、エンジンまで浸かってしまうと被害が大きくなってしまい、修理もできず最悪廃車になることも。そうなった際に困らないよう、自動車保険(共済)だけでなく車両保険(共済)に入っておくと安心です。
ただし、車両保険(共済)も火災保険(共済)も、地震による津波被害は保険会社の免責事項になっていることがほとんどで、補償の対象にならないため注意しましょう。
水害は備えることで自己への被害を最小限にとどめることができます。しかし、水害に見舞われた際は家や車は守りきれないのが実情。保険(共済)に入っておくことで、万が一被害にあった際も補償を受けられるので、検討してみてはいかがでしょうか。