一戸建ての修繕費。屋根や外壁、床のメンテはどのくらいかかる?

“家と車”に関するねだんのこと

2020.10.21

長く住み続けるために欠かせない家のメンテナンス。適切に修繕を施さないと、気がついたときにはダメージが進行し、多額な費用がかかってしまうケースもあります。住宅診断を手がける株式会社さくら事務所の柴尾竜也さんに、戸建ての修繕費について教えてもらいました。

修繕費の目安は100〜150万円

戸建ての場合「大体10〜15年ぐらいで、屋根や外壁のメンテナンスが必要になる」と柴尾さんは言います。では、気になる費用はどのくらいかかるのでしょうか。


「家の大きさや使用する材料にもよりますが、モルタル壁の塗り直しをするなら約30万円、外壁に多く使われているサイディング(外壁材)の場合は、サイディングをつなげているコーキング(防水剤)の打ち替えが約30万円、サイディングも張り替えるとなると100万円近くかかります。屋根も塗り直しが30万円、葺き替えをすると100万円程度かかります」(柴尾さん)


外壁の修繕、屋根の修繕だけでもそれぞれ約100万円近くが必要に。柴尾さんによると、一戸建ての修繕費用として「月に1万円を積み立てる」のがひとつの目安だそう。そうすれば、年間12万円、10年で120万円を用意できる計算になります。


「10〜15年ごとに、100〜150万円かけて外壁や屋根をこまめにメンテナンスするとよいでしょう。最近は素材も進歩していて、薄くても耐火性の高い外壁などがあります。外壁が薄いということは、軽く、家を支える構造部分への負担も少なくなります。定期的なメンテナンスで外壁や屋根を最新の状態に保っておくと、家を長持ちさせることにもつながりますよ」(柴尾さん)


外壁のメンテナンスをおざなりにしていると、劣化やひび割れなどにより内部に雨水などが染み込み、最悪の場合、柱が腐食してしまうこともあるのだとか。


屋根も同様に、劣化すると雨漏りの原因になってしまいます。外壁や屋根に加えて腐食した柱を修繕するとなると、さらに費用がかかるだけでなく、家の基礎の構造が弱くなるため大変危険です。柴尾さんによると「外壁や屋根などを最新の軽い素材に替えることで、耐震性もアップする」とのこと。外側を新しくすることは、建物の見た目を良くするだけではなく、住まいの安全にもつながるのです。

床の張り替え時は配管チェックを兼ねて

家内部の床の張り替えは「家族構成が変わったタイミングで行うのがよい」と柴尾さんは言います。


「ご家族構成が変わって部屋数を変えたり、家をバリアフリーにしたりするリフォームのタイミングで同時に行うのがおすすめです。床の張り替えは、大体6帖で10〜20万円。その際に配管や基礎躯体もチェックしてもらいましょう」(柴尾さん)


厚生労働省によると、配管の耐用年数は40〜50年。放置すると赤さびが出たり漏水したりするなどのトラブルが起こる場合もあるので、合わせて確認したいですね。

修繕費を節約するなら、定期診断で早めのケアを

メンテナンスの必要性は理解できましたが、とはいえ修繕費は少なくおさえたいのが本音。修繕費を安くする方法はあるのでしょうか。


「問題が起こってから場当たり的に対処するのではなく、一気にメンテナンスすることをおすすめします。特に屋根や外壁などの高所を修繕する場合、家の周囲に足場を組む必要があるのですが、実はこの足場だけでも20〜30万円はかかるからです」(柴尾さん)


ということは、外壁の修繕をしてもらった数カ月後に屋根の修理も……となると、足場代が倍になってしまうということ。確かに一度にやってもらった方が、安くつきそうです。


ただし、傷んでない箇所に過剰に手を入れるというのも考えもの。また、よく知らない業者から見積もりを取ったものの不必要な工事をすすめられ、費用がかさんでしまったという話も聞いたことがあります。メンテナンスで悩んだときには住宅診断を活用すると良いようです。


「修繕はダメージの度合いによって費用が変わります。住宅診断を受けると、ダメージの程度や修繕のタイムリミットを知ることができます。そのうえでタイミングをあわせて複数箇所を修繕すれば、最小限の費用で最大限の効果をあげられるでしょう」(柴尾さん)


ちなみに住宅診断の費用は1回6万円〜。修繕費用をおさえつつ、住宅を適切な状態に保てるなら、住宅診断を利用するのもひとつの手段かもしれません。

修繕のために備えていくことも大事

安心して住み続けるためには、定期的な家のメンテナンスが重要です。そのためには修繕が必要になった際に困らないよう、しっかりお金を積み立てておきたいですね。


備え方の一つとして、保険(共済)という方法もあります。保険や共済を活用し、満期金を修繕費に充てることが可能。もちろんただ貯金するのとは違い、万が一の災害で家が破損倒壊した際にも補償があり、より安心です。


温暖化などの影響により、超大型台風や竜巻など、家を建てたころには思いもしなかった規模の天災が起きている昨今。水害、突風、落雷などで家が被災する可能性もあります。いざというときに頼れる保険(共済)があれば、精神的な支えにもなりそうです。


家は長きに渡って生活を支えてくれる場所。長期の資金計画を立てて、適切にメンテナンスしていきたいですね。


取材協力:
株式会社さくら事務所

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