ゲリラ豪雨とは?想定すべき被害と都心でも安心できない理由
“その他”に関するねだんのこと
2019.08.05
近年、異常気象の多い日本。夏になると人々を悩ませる異常気象のひとつがゲリラ豪雨ではないでしょうか。激しい降水により、視界は狭まり、地面にたたきつく雨粒の轟音が周囲の音を聞こえにくくさせます。
2008年には、ゲリラ豪雨が流行語大賞にランクインするほどの被害がありました。北陸や近畿では大規模な冠水が発生、東京では雷雨の影響でオリンピックの壮行試合が中止され、愛知県では1時間に146㎜もの降水量を記録しました。
ゲリラ豪雨は公共機関に影響を与えるだけではなく、住んでいる家や家財、保有地にも大きな被害を及ぼします。毎年のように多くの人を悩ませているゲリラ豪雨について、本記事では、ゲリラ豪雨の定義・想定すべき被害、ゲリラ豪雨の対策としてどのような共済・保険があるのかを紹介します。
通常の豪雨とは異なる、「ゲリラ豪雨」とは
ゲリラ豪雨は正式な名称ではありません。
度重なる突然の大雨の被害から、マスコミ発信により一般的になった名称であり定義も曖昧です。
ゲリラ豪雨は、気象庁の用語で用いられる「集中豪雨」の一種です。通常の集中豪雨は短時間に大量の雨をもたらしますが、ゲリラ豪雨はさらに狭い範囲の地域で大量の雨をもたらします。発生することの多い時期は7〜8月頃。
ゲリラ豪雨の発生要因は通常の豪雨とはすこし異なります。
豪雨は、大気が不安定な状態のときに発生します。地上付近の空気があたたかく湿っている場合や、冷たい空気が上空に入り込むときなど、不安定な大気の状態をもとに戻すために、あたたかく湿った地上付近の空気が上昇し、空気中の水蒸気が凝固することで積乱雲が生まれます。積乱雲の寿命はとても短く、持続時間は約1時間。驚くべきことに、このうち実際に雨が降るのは30分程度です。このように短い時間の豪雨を降らせることで、大気のバランスを保ちます。
ゲリラ豪雨は、増幅する積乱雲によって発生します。そもそもなぜ積乱雲が増幅するのでしょうか?要因は大きく2点です。
- 前線付近で冷たい空気が暖かい空気の上に乗りあげる。
- 山の方向に風が吹き、強い上昇気流が生まれる。
これらの条件により、積乱雲の近くに次々と新たな積乱雲が生まれることで、短い降水時間の積乱雲がいくつも重なり、通常の豪雨より大量の雨をもたらします。その結果大災害につながる場合があるのです。
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ゲリラ豪雨の被害例。都心でも安心できない理由とは
ゲリラ豪雨はどのような被害をもたらすのでしょうか?
まずは水害です。家の雨漏りや、床下・床上浸水が起きる場合があります。特に河川近くに住んでいる人は要注意で、浸水だけにとどまらず家屋の流失の恐れもあります。
同様に、家の裏が急斜面の場所や山の近くに住む人も注意が必要です。これらの地域では、土砂崩れや地滑りの被害にあう可能性があります。
自分の住む地域に、土砂崩れの事例はあるか、河川が氾濫した歴史があるかなど、住んでいる地域の水害の例について確認しましょう。
都心部に住む人も安心できません。都市型水害の被害にあう危険があるからです。都市型水害とは、多量の雨が降ることで都市部の排水能力が麻痺する災害のこと。道路の冠水やマンホールの故障、ショッピングモールや駅構内への浸水の被害の可能性があります。さらにゲリラ豪雨は雨だけではなく、落雷や竜巻、降雹をもたらす場合があります。
このように、ゲリラ豪雨の最も恐ろしい点は予測がつかない点。山や川に近い地域に住んでいる人だけでなく都心部も被害を受ける危険性は十分にあります。常に最新の気象情報を確認して、天候の異変に気付いたら早いタイミングで避難することが重要です。
「たかが雨だ」と油断せずに、ゲリラ豪雨への対策を考えてはいかがでしょうか。