車のガソリン代、車種によってどのぐらい差がある?調べてみた

ガソリン代(ディーゼル車の場合は軽油代)を左右する「燃費」は、車選びの大事なポイントのひとつです。ハイブリッドをはじめとした新しい技術の普及によって、最近の車は燃費がとてもよくなっているため、古い車からの買い換えならガソリン代が1/2になることも。


とはいえ燃費は、小さくて軽い車ほど良く、大きく重い車種ほど悪くなるもの。そこで、コンパクトカーやSUV、ミニバンなど、サイズの異なるいくつかの車種をモデルケースに、それぞれの燃料代を比較してみました。


本内容は、令和4年11月の制度等にもとづき、記載しています。

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ガソリン代は1リットルあたりの走行距離(燃費)で変わる

「燃費」とは、車の燃料消費率のこと。日本では、燃料1リットルで走行できる距離「km/L」という単位で表示されるのが一般的。1リットルで20kmの距離を走るとすると「20km/L」となります。当然、燃費がいい(=1リットルで走れる距離が長い)車ほど、ガソリン代も抑えられるものです。


そして燃費の目安になるのが、「JC08モード」の数値です。この数値は、国土交通省が定める方法に従って燃費を測定したもの。カタログに記載されている、燃費の数値がこれに当たります。


しかし、JC08モードは決まったパターンのみを走行して測定するため、実生活での走行よりも良い数値となることがほとんど。実際の燃費は、JC08モードの数字に対して60~70%程度だと考えておくといいでしょう。

車種別ガソリン代と走行距離のシミュレーション

それでは実際にどれぐらいのガソリン代(軽油代)がかかるのか。軽乗用車、コンパクトカー、ミドルクラスSUV、Lクラスミニバンを例に、それぞれのガソリン代をシミュレーションしてみましょう。


レギュラーガソリン1リットルを130円、軽油1リットルを105円、JC08モードの60%を実燃費と仮定して計算すると以下のとおり。


車種 パワートレイン JC08モード
燃費
月500km
走行の場合
月1,000km
走行の場合
軽自動車 660cc
ガソリン
31.0km/L 3,495円 6,989円
コンパクトカー 1.3L
ガソリン
25.0km/L 4,333円 8,667円
コンパクトカー
・ハイブリッド
1.5L
ハイブリッド
34.4km/L 3,149円 6,298円
ミドルクラスSUV 2.0Lガソリン
エンジン
16.0km/L 6,771円 13,542円
ミドルクラスSUV
・ディーゼル
2.2L
ディーゼル
18.0km/L 4,861円 9,722円
Lクラスミニバン 2.5Lガソリン
エンジン
12.8km/L 8,464円 16,927円
Lクラスミニバン
・ハイブリッド
2.5L
ハイブリッド
19.4km/L 5,584円 11,168円
車種 パワートレイン JC08モード
燃費
月500km
走行の場合
月1,000km
走行の場合
軽自動車 660cc
ガソリン
31.0km/L 3,495円 6,989円
コンパクトカー 1.3L
ガソリン
25.0km/L 4,333円 8,667円
コンパクトカー
・ハイブリッド
1.5L
ハイブリッド
34.4km/L 3,149円 6,298円
ミドルクラスSUV 2.0Lガソリン
エンジン
16.0km/L 6,771円 13,542円
ミドルクラスSUV
・ディーゼル
2.2L
ディーゼル
18.0km/L 4,861円 9,722円
Lクラスミニバン 2.5Lガソリン
エンジン
12.8km/L 8,464円 16,927円
Lクラスミニバン
・ハイブリッド
2.5L
ハイブリッド
19.4km/L 5,584円 11,168円

やはり小さい車ほどガソリン代の負担も軽くなりますが、注目すべきポイントが2つあります。


ひとつはハイブリッド車です。ハイブリッドは通常のガソリン車よりも1.5倍ほど燃費がいいため、ガソリン代も2/3ほどに抑えることができます。渋滞や信号の多い環境での燃費の落ち込みもハイブリッド車は少ないため、都市部をよく走る人ほどハイブリッド車のメリットを享受できるでしょう。


「ミドルクラスSUV・ディーゼル」にも注目してみてください。ディーゼルエンジン車の燃料である軽油は、ガソリンよりも1リットルあたり20円前後安いため、燃費の数値以上にトータルの燃料代が安くなっていることがわかります。またディーゼルエンジン車は、高速道路などでより燃費の良さを発揮できるため、長距離をよく走る人にオススメです。ただし、ハイブリッド車もディーゼル車も、車両価格は一般的に同じ車種ならガソリン車より20~30万円高くなります。


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ガソリン1リットルあたりの走行距離を自分で計算する方法

ガソリン1リットルあたりの走行距離(燃費)は、「満タン法」という方法を使って簡単に自分で計算できます。満タン法とはどのようなものなのか、ここでは計算方法をご紹介します。

ガソリンを満タンまで入れる

満タン法では、まず燃費を計算したい車にガソリンを満タンまで給油します。


満タンまで給油しても、給油場所(ガソリンスタンドの給油装置や地面の傾斜の違い)や給油する人によって、給油量には誤差が生じます。満タン法は、およその燃費を算出する方法であり、多少の誤差が発生してしまうことを理解しておきましょう。

トリップメーターをリセットする

満タンまで給油したら、走行前にトリップメーターをゼロにリセットします。


トリップメーターは、車のメーターパネルに必ずついている走行距離の積算計(区間距離計)のことです。

次の給油まで走行する

トリップメーターがゼロになっていることを確認してから、次の給油までいつも通りに走行します。


燃費は走行条件によって変動するため、なるべく長い距離を走行したほうがより平均に近い燃費を計算できます。ただし、給油ランプが点灯しているのに走り続けることはガス欠につながるのでやめましょう。

もう一度ガソリンを満タンまで入れる

次の給油では、もう一度ガソリンを満タンまで給油します。給油が終わったら、給油量を給油機のメーターやレシートなどで必ず確認し、メモしておきましょう。


このときの給油量を使って燃費を計算するため、給油量がわからなくなってしまうと最初からやり直しになってしまうので注意しましょう。

実際のガソリン1リットルの走行距離を計算する

燃費は「走行距離÷使ったガソリンの量」で計算できます。


ここでの走行距離は「給油時のトリップメーターの走行距離」、使ったガソリンの量は「給油量」です。


例えばトリップメーターの走行距離が500km、給油量が40Lだった場合の燃費は、500km÷40L=12.5km/Lと計算できます。

自分のライフスタイルに合わせた車を選ぼう

今回は、車種ごとのガソリン代(軽油代)をシミュレーションしてみました。こうして一覧にしてみると、車購入の目安にしやすいのではないでしょうか。


ただし、燃費だけで車を選ぶのはNG。用途や目的、機能など、ご自身のライフスタイルに合った車を選ぶことが大切です。車は一度買ったら数年、長ければ10年以上にわたって暮らしをともにするパートナーでもありますから、気に入ったデザインや色であることも大切でしょう。燃費も大切な要素のひとつではありますが、機能やデザイン、価格、ディーラーの雰囲気など、さまざまな要素をトータルで考えてみてくださいね!

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