農業のやりがいや夢って……?農業に従事する若者192人に聞いてみた
“就労”に関するねだんのこと
2017.09.22
農林水産省の調査によると、日本の農業就業人口は約192万人(2016年2月時点)。初めて200万人を下回ったことがニュースに取り上げられました。農業人口が減少してきている現在、農業に従事している若者は自らの仕事をどのように捉えているのでしょうか?今回は、15歳〜39歳までの農業従事者である男女192人に農業のやりがいや夢について調査してみました。
労働時間は「自分で決められる」のが魅力
今回は15歳から39歳までの農業従事者の男女192名にアンケート調査を行いました。「農業をしていてよかったことはなんですか」という質問に対しては、このような答えが。
- 「食べた人においしいと言ってもらえる。すべての苦労が報われる瞬間」
- 「通勤にかかる時間がゼロ」
- 「新鮮な野菜を食べることができる」
- 「四季の中で、その季節を感じながら仕事ができること。秋の米の収穫が一番楽しい」
- 「育児がしやすい」
- 「野菜がたくさん食べられるし、収入が安定している」
特に多かったのは「自由に仕事ができる」「時間に融通が利く」といった意見。農業に従事している人の一日の労働時間については、次のようになっています。
今回の調査では中央値は9時間、平均値は8時間ということでした。中には「24時間」と答えた方までいらっしゃいました。農作物を一日中気遣っているということですね。しかし、一般の方と違って勤務時間が決められていないので、自分の裁量で必要な分だけ作業を行うことができるというのは大きな魅力です。
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「だれかの命を支えている実感」が農業のやりがい
「農業の楽しさややりがいは何ですか?」という質問で一番多かった答えは「作物が育つことが嬉しい」や「手間をかけただけの見返りがある」など、収穫・育てるよろこび・達成感に関するものでした。
また、「作ることで多くの人を幸せにできる」「おいしいと言ってもらえる」など、消費者を強く意識して農業に取り組んでいる方々や、「大地とのつながりがある」「毎日土に触っておいしい空気を吸いながら仕事ができる」といった、自然と関わることができるよろこびを感じている方々も。「だれかの命を支えている実感がある」と答えた方もいました。
「農業という仕事をしていて大変だったこと辛いことはありますか?」の質問には、「自然が相手で、天候に左右されるところ」など、収穫の不安に関する答えが一番多かったのですが、「特になし」と答える方もいました。それだけ農業はやりがいの大きい仕事であるようです。
現状維持?利益拡大?農家として働く若者たちの夢
では、そんな農業従事者である若者たちは自身の夢についてどう考えているのでしょうか。その答えは、「現状維持派」と「利益拡大派」の二つにわかれました。
「現状維持派」は「安定して作物を作ること」や「平和な毎日を過ごすこと」、「家族と元気に長く働くこと」などの意見が多く見られました。一方、「利益拡大派」の答えは「収入上昇させたい」「不労所得が欲しい」といったものでした。また、「繁殖和牛を増やす」といった答えや「外車に乗る」という答えまで、各々の夢を持ちながら農業に励んでいるようです。
また、「作物を作る仕事に慣れ、いずれは自分の家の作物を使ったレストランなどの飲食店を開きたい」「独自のブランドを作りたい」「作付面積を広げて田園風景を守りたい」などの想いと共にお仕事をしていらっしゃる方もいるようです。
天候に左右されるなど大変なこともある中で、それでも農業に魅力を感じ、夢を持って働いている方が多くいらっしゃいました。日本の農業人口の減少が進んでいる現在でも、約3600人の方が新しく農業をはじめ、その内の2300人は44歳以下だということです。若い力で、日本の農業を盛り返していきたいですね。