貯蓄?投資?それともローン?35歳からの賢いお金の使い方を教えて!
“その他”に関するねだんのこと
2016.04.01
30代になると「結婚」「子育て」「住宅購入」「介護」など、ライフステージの変化によってまとまったお金が必要になる局面を迎えることも多くなり、そろそろお金の管理や運用を意識したいところ。そこで、今回は30代から上手にお金を貯める方法や資産形成するためのコツをファイナンシャルプランナーの伊藤亮太さんに教えてもらいました。
毎年の貯金額は年収の2割を目標に!
まずは、30代はどのようにお金を貯めるべきなのでしょうか。伊藤さんによると、一番望ましい貯め方は「年収の2割」を目標にすることだそうです。
「30代になると冠婚葬祭など、急にお金が必要となるシチュエーションが多くなります。普段からコツコツと貯金をしていない方は、そういうときに本当は手をつけるべきでない定期預金などに手をだしがち。しかし、ちゃんと年収の2割以上を毎年貯められる方は、急にお金が必要になったときでも余裕をもって対処できますし、順調に資産形成できる方が多いです」(伊藤さん)
そのためには、毎月給料の2割を貯蓄するクセをつければ問題ないとのこと。では、そのお金はどこに預けるとよいのでしょうか。
「独身の方で少しでもお金を増やしたいのであれば、グローバルに活躍する企業の株式やインデックス型投資信託がおすすめ。既婚者の方でも、例えばダブルインカムで資金に余裕があるようでしたら、積極的に投資をしても構いません」と伊藤さんは言います。
ただし、パートナーが未就業者の場合やお子さんがいる場合は、「リスクのある投資をするよりも銀行や農協等に預けるほうが賢明」(伊藤さん)とのこと。投資でお金を稼ぐよりも、節約や節税で日々の支出を減らす努力をしたほうが効率的なようです。
簡単にお金を稼ぐ方法はない
なかには、確実にお金を貯めたり、預けたりするだけでなく、できるだけお金を増やしたいと思う人も多いはず。
しかし、残念ながら「簡単にお金を稼ぐ投資法やテクニックはありません。投資や副業に注力するのではなく、まずは本業である今のお仕事を精一杯頑張ることが大事」と伊藤さんは言います。30代はビジネスマンとして最も脂が乗っている世代。投資や副業に気を取られるよりも、今の仕事に集中して出世や昇給を目指すほうが確実かもしれませんね。
そして、30代がお金の使い方で気をつけておきたいのは「クレジットカードの使い方」と伊藤さんは言います。
「30代は、ある程度経済的に余裕ができ、社会的な地位も安定するせいか、財布の紐がゆるくなりクレジットカードを多用しすぎる傾向があります。そういう方の多くがクレジットカードでいくら支払ったかを把握できていないことが多いです」(伊藤さん)。カードの返済に追われると、貯金どころではありませんよね。クレジットカードは自分が支出を把握できる範囲で利用するようにしましょう。
投資よりもローンの“繰上げ返済”をしたほうが効果的
簡単にお金を増やす方法がありませんが、自分の支出を確実かつ大きく減らす方法ならあるそうです。その方法とは、「ローンを繰上げ返済する」こと。
「今組んでいるローンの金利が高いようでしたら、返済期間をなるべく早くすることで人生全体の支出を減らすことができます。たとえば、金利2%で3000万円の住宅ローンを借りたとします。35年返済だと、月々の返済額は99,378円ですよね。これを30年返済に繰上げることによって、支払う総額は180万円近く下がります。もし今なにかローンや借金があるようでしたら、そちらを返済することに注力したほうが投資なんかよりもよっぽど賢いお金の使い方と言えるでしょう」(伊藤さん)。
金利の高いローンや借金がある人ほど、繰上げ返済は効果を発揮します。投資や貯蓄を考えている人は、まず自分が返済すべきお金を棚卸してみるのもいいですね。
努力次第で“お金のセンス”は磨ける
もっと“お金のセンス”を磨くなら、「お金について学ぶのが大事」だと伊藤さんは言います。
「最近は銀行や証券会社など多くの金融機関が“お金”をテーマしたセミナーを積極的に開催しています。テーマは『年金』『投資』『ライフプラン』などさまざまですが、お金に対してのセンスや理解を深めたい方は、まずは自分の興味のあるテーマのセミナーに参加するのがいいのではないでしょうか」(伊藤さん)
もっと、お金について学びたいなら「いっそのことファイナンシャルプランナーの資格を取ってみるのもおすすめ」と伊藤さん。確かにファイナンシャルプランナーの資格まで取得できれば、お金にまつわる悩みや不安は自分である程度解決できそう。人生設計がしやすくなるだけじゃなく、働く業界や部署によっては、日々の業務においても役立つかもしれませんね。