児童手当をもらえる人は?条件や手続き方法をまとめてみた

子育て中の家庭において大きな助けになるものに「児童手当」があります。お子さんがいる家庭に対し、行政がおこなう支援のひとつですが、名称は知っていても実際どんな制度なのかわからない人も多いのでは?そこで受給条件や金額、受給する際に必要な手続きについてまとめました。これからお子さんを考えている方にはぜひ知っておいておきたい情報です。


本内容は、令和4年12月の制度等にもとづき、記載しています。


そもそも児童手当って?

まず、「児童手当」とは子育て中の世帯に対し、国と自治体が協力して支払うお金のことです。法律には「家庭等における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的とする」と定められています。

児童手当をもらえる条件

支給される期間は0歳から15歳になった年の年度末まで。つまり中学校を修了するまで毎月支給されることとなります。ちなみに支給を受けられるのは原則日本国内に住所がある人のみ。短期留学の場合や、両親が海外にいて子どものみが日本に居住している場合も対象になります。

児童手当を受け取る人

「児童手当」は対象の年齢の子どもを養育している保護者に対して支払われます。一般的には父母のうち所得が高いほうが受給者になりますが、自治体によっては子どもの健康保険を負担している方を受給者としているところもあるようです。事情があり、子どもが両親以外の人に育てられている場合は、その養育者に対して手当が支払われます。基本的に日本国内に住所を持っていれば受給に際して国籍は問われません。

児童手当の支給額

児童手当として受け取れる金額は、年齢によって異なります。子どもの年齢別の支給額は以下の通りです。子どもが複数いる場合は、該当の手当額を人数分受け取れます。


児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額)
0〜3歳未満 一律15,000円
3歳以上
小学校修了前
10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

子どもが生まれた後にお住まいの自治体などで児童手当の申請手続きを進めると、原則として申請月の翌月から支給対象となります。児童手当が支給されるタイミングは原則として2月、6月、10月の年3回です。毎月支給されるわけではなく、所定の月に前月分までの4ヶ月分がまとめて支給されます。例えば、6月の支給日には、前月5月分までの4ヶ月分の手当を受け取れます。

児童手当には所得制限がある?

児童手当の給付を受けるうえで注意したいのが所得制限です。児童手当には所得制限が設けられており、世帯主の所得が一定以上となった場合は支給されません。ただし、条件を満たしていれば、「特例給付」として児童の年齢に関わらず一律5,000円を受け取れます。

2022年10月以降の特例給付の対象

2022年10月の児童手当法改正により、特例給付の対象が変更されました。これまでは、世帯主の所得が「所得制限限度額」を超えているすべての世帯に、特例給付が支給されていました。しかし、今回の改正によって新たに「所得上限限度額」が設けられ、これを超える場合は特例給付も支給対象外となります。つまり、「所得制限限度額以上」かつ「所得上限限度額未満」であれば特例給付を受け取れることになります。


例えば、子ども2人・専業主婦家庭の場合を見てみましょう。世帯主の年収が960万円程度(所得制限限度額)を上回る場合は特例給付の対象となり、世帯主の年収が1,200万円程度(所得上限限度額)を上回る場合は特例給付が受け取れません。なお、この年収はあくまで目安であり、実際には年収ではなく所得で判断されます。また、目安とされる年収は扶養親族の人数によっても異なります。



夫の年収(目安) 児童手当(特例給付含める)の月額
2022年10月以降 2022年10月以降
1,200万円以上 一律5,000円 廃止
960万円以上
1,200万円未満
一律5,000円
960万円未満 0~3歳 15,000円 変更なし
3歳~小学生 10,000円
(第三子以降は15,000円)
中学生 10,000円
(第三子以降は15,000円)

上表の通り、今回の改正では高所得世帯に対する支給が廃止されたことになります。

所得制限限度額がギリギリの人はどうすべき?

所得制限限度額や所得上限限度額がギリギリな場合は、さまざまな控除を活用して所得を引き下げられないか確認してみましょう。児童手当における所得額は次の計算式で算出します。


児童手当の基準となる所得額=所得額-控除額-8万円


つまり、「控除額」が増えれば児童手当の給付対象となる可能性が高くなります。ただし、多くの種類がある控除すべてを「控除額」に算入できるわけではありません。児童手当の基準となる所得額を求める際に算入できる控除は以下の通りです。


  • 雑損控除
  • 医療費控除
  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 障害者控除
  • ひとり親控除
  • 寡婦控除
  • 勤労学生控除

比較的利用しやすいのは、医療費控除や小規模企業共済等掛金控除でしょう。医療費控除とは、本人や配偶者の医療費として1年間に10万円以上を支払った場合に受けられる控除です。また、小規模企業共済等掛金控除は、個人型確定拠出年金(iDeCo)や企業型確定拠出年金に加入している方などが対象です。


ただし、iDeCoへの加入は、手続きから実際の加入まで一般的に1〜2ヶ月程度要するとされています。そのため、年末に駆け込み加入をしても児童手当の所得算定に間に合わない可能性があるでしょう。加入の意向がある場合は、遅くとも年末の所得が出る3ヶ月前ごろから手続きを進めましょう。


本来受け取れたはずの児童手当が支給されなくなってしまったということがないように、申請できる控除は漏れなく手続きを進めることが一番重要といえます。

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「児童手当」の手続き方法

次に、「児童手当」の手続き方法についてご紹介します。

児童手当の申請に必要な書類と申請場所

「児童手当」は、お住まいの自治体の窓口で申請するものです。その際に必要になるのが、通帳やキャッシュカード、印鑑などの請求者名義の振込口座を確認できるもの、住民税課税(非課税)証明書、請求者の健康保険証の写し又は年金加入証明書、そして印鑑です。
事情により子どもと親が別居している場合などは、これら以外の書類が必要になったり、保護者が住民税非課税になっている場合は、証明書は両親とも必要になったりと、家庭ごとに書類が異なる場合もありますので、申請の際は一度最寄りの自治体の窓口で相談することをおすすめします。

児童手当は申請期間に注意

児童手当の申請手続きが遅れるとさかのぼっては受け取ることができないため、申請期間を必ず確認しておきましょう。子どもが生まれた場合や、引っ越し、公務員を退職あるいは就職した場合など、多くの場合で申請事由が生じたときから15日以内の申請が必要です。


まず子どもが生まれた場合は、出生日から15日以内に役所で手続きが必要です。手続きには出生届が必要となるため、出生届の提出と同じタイミングで申請すると良いでしょう。里帰り出産などで一時的に現住所を離れていても、現住所にて申請手続きが必要です。また、引っ越しにより住所が変わった場合は、転出予定日の翌日から15日以内に引っ越し先の役所で申請する必要があります。


このほか、公務員を退職あるいは就職した場合も申請手続きが必要です。公務員を退職した場合は、その翌日から15日以内に役所にて新たに児童手当の申請をおこないます。公務員に就職した場合は、勤務先で支給申請をおこなうほか、採用日の翌日から15日以内に役所にて支給事由消滅の届出をおこないます。


きちんと申請が受理されれば、毎年2月、6月、10月に前月分が指定された口座に振り込まれます。

「児童手当」だけじゃない!教育資金の計画的な準備方法とは?


「児童手当」の給付を受ける際に注意してほしいのが、所得制限です。「児童手当」は年収が960万円未満の保護者が対象になるため、これを超えてしまった場合は、子どもひとりにつき年齢を問わず5,000円に減額されます。
また「児童手当」の申請は、最初に手続きした後も、毎年6月に児童の年齢や同居の有無、監護の有無(誰が子どもの面倒を見ているか)などを記した「現況届」を自治体に提出することになっています。郵送できることがほとんどですが、健康保険証の写しや家族関係を証明できるような書類の提出を求められるので、忘れずに用意しておくことが大切です。未提出だった場合は受給できない可能性もあるため要注意ですよ! 子どもたちを健やかに育てるために制定された「児童手当」は、日本に暮らす人なら誰でも受けられる手当です。お子さんが生まれたら忘れずに申請をして、活用してくださいね。


そして、「児童手当」だけでは子どもの養育や将来の進学に不安がある方には、JA共済の「こども共済」がおすすめです。種類は3タイプ。貯蓄性と万一の保障が両方バランスよく備わった「学資応援隊」、親の万が一だけでなく子どもの万が一にも備えることができる保障に重点をおいた「にじ」、さらに手厚い保障が得られる「えがお」から、それぞれの必要に応じて選ぶことができます。効率よく進学資金が準備できるほか、契約者(親族)がもしものときはその後の共済掛金が発生しない、中・高・大と進学時期に合わせた学資金の受取り、75歳まで契約可能とサポートも充実。また、2021年度および2022年度に2年連続でマザーズセレクション大賞を受賞するなど、子育てを経験したママたちからの信頼も集めています。これから先どのように教育資金を用意していくか、ご家庭の教育方針や将来設計に合わせてご検討されてみてはいかがでしょうか。

関連:「学資保険はいつから加入するべき?おすすめの加入時期について解説」


参考:内閣府
https://www8.cao.go.jp/shoushi/jidouteate/gaiyou.html
こども共済
http://www.ja-kyosai.or.jp/okangae/product/human/kodomo.html

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