がん保険は必要ない?メリット・デメリットや選び方のポイントを解説
“病気”に関するねだんのこと
2024.10.31
がん保険は、がん治療でかかる医療費の負担を軽減できるため、治療や入院で働けない期間の収入の一部を補えるメリットがあります。
しかし、「がん保険は必要ない」という意見を聞くこともあり、がん保険に加入すべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回はがん保険が必要ないといわれる理由やメリット・デメリット、選び方を解説します。がんになったときのリスク対策をおこないたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
本内容は、令和6年8月の制度等に基づき、記載しています。 本記事に記載の内容・条件は保険会社によって異なる場合がございます。詳しくは保険・共済各社・各団体へお問合せください。
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がんは2人に1人がかかる病気
がんは、現代の日本で2人に1人がかかる病気です。
厚生労働省が公表している「人口動態統計」によると、2023年にがんで亡くなった人数は約38万人で、総死亡数の24.3%です。さらに、国立がん研究センター「最新がん統計」の2020年のデータによれば、日本人が一生のうちにがんと診断される確率は、男性で62.1%、女性で48.9%となっています。
男女ともに2人に1人ががんと診断されているため、がんになったときの対策を考える必要性は高いといえるでしょう。
がん保険は必要ないといわれる理由
がん保険が必要ないといわれる理由は以下の3つです。
- 若年層のがん罹患率は低いから
- 高額療養費制度で医療費を抑えられるから
- 保険に加入しても給付金額が少ないから
本章を参考に、がん保険が自分にとって必要か不要かを考えてみましょう。
若年層のがん罹患率は低いから
若年層では、がんの罹患率が比較的低いため、がん保険の必要性が低いと考える方がいます。
厚生労働省の「全国がん登録 罹患数・率 報告(2020年)」によると、年齢別の罹患率は次のとおりです。
年齢 | 罹患率 |
---|---|
45歳未満 | 4.2% |
45~64歳 | 20.0% |
65~74歳 | 29.7% |
75歳以上 | 46.1% |
45歳未満の罹患率は4.2%と低いことから、「がん保険は必要ない」と考える若年層は多いようです。
高額療養費制度で医療費を抑えられるから
「がん保険は不要」といわれる2つ目の理由は、健康保険制度や高額療養費制度の存在です。
がん治療には高額な医療費が発生しますが、日本の健康保険制度では、保険診療の範囲内であれば治療費等の自己負担額は1〜3割で済みます。また、治療費が大きくなったとしても、高額療養費制度を利用すれば、決められた自己負担の限度額を上回った分はあとで払い戻されます。
また、貯蓄で賄うこともできるため、がん保険は必要ないという声もあるようです。
保険に加入しても給付金額が少ないから
保障の内容や範囲によっては、がん保険に加入しても十分な給付金が受け取れない可能性があることから、必要ないと考える方もいます。
例えば、先進医療特約が付いていないがん保険の場合、先進医療の技術料は給付金の対象外となることがあります。先進医療とは、大学病院などで新たに開発され、公的医療保険で評価される前の治療法や手術のことです。先進医療の技術料は公的医療保険の対象外であるため、加入しているがん保険の保障範囲外であれば、全額自己負担となるでしょう。
また、罹患するがんの種類によっては、給付金の対象外となるケースもあります。がんは一般的に「悪性新生物」と「上皮内がん」の2つに分類されます。それぞれの違いは以下のとおりです。
がんの種類 | 詳細 |
---|---|
悪性新生物 | がん細胞が皮膚や細胞よりも奥に広がったもの。再発や転移の可能性が高い。 |
上皮内がん | がん細胞が表面部分にとどまっているもの。再発や転移などの可能性が低い。 |
がん保険の保障範囲によっては、悪性新生物のみ給付金の支払い対象となり、上皮内がんは対象外になる場合があります。
このように、保障内容や範囲が限られている場合があることから「給付金が出ないならがん保険は必要ない」と考える方もいます。
がん保険に加入するメリット
それでは、がん保険に加入するメリットは、何でしょうか。
がん保険に加入するメリットには、以下の項目が挙げられます。
- がん治療の経済的負担を軽減できる
- 働けない期間の収入を補える
- がん治療に特化した保障を受けられる
がん保険に加入するメリットを把握して、自分や家族にがん保険が必要か検討する際の参考にしてみてください。
がん治療の経済的負担を軽減できる
がん保険のメリットの1つは、がん治療でかかる高額の医療費による経済的負担を軽減できることです。
がん保険では、がんと診断されたり治療を受けたりした場合に、以下の給付金を受け取れます。
- 診断給付金
- 治療給付金
- 入院給付金
- 手術給付金 など
診断給付金は、がんが発見された時点で支給される一時金で、治療給付金や入院給付金、手術給付金は、治療期間中の生活を支える給付金です。がん保険に加入していれば経済的負担を軽減し、治療に専念できるでしょう。
働けない期間の収入を補える
がんに罹患すると、治療や入院のため働けなくなり、収入がなくなる危険性があります。
会社員であれば一定期間は傷病手当金を受け取れますが、金額は今までの給料の3分の2程度(※)になります。※参照: 病気で仕事を休んだとき|経済団体健康保険組合
そのため、休職をしてしまうと十分な収入を確保できず、経済的に苦しくなる可能性もあるでしょう。
また、自営業者の場合、傷病手当金は支給対象外のため、治療中や入院期間中の収入がなくなってしまうリスクもあります。
がん保険に加入していればがん診断時や治療・通院時に給付金を受け取れるため、働けない期間の収入の不足を補えるのがメリットです。
がん治療に特化した保障が受けられる
がん保険は、通常の医療保険と比べて、がん治療に特化した保障が用意されています。
例えば、がん保険の診断給付金は診断のみでまとまった金額が受け取れます。入院の準備にかかる出費や、生活資金として活用できるでしょう。
また、厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況」によると、がんによる平均入院日数は19.6日となっています。がん保険に加入しておけば、万が一がんに罹患しても、治療に専念するための経済的負担を軽減できるでしょう。
がん保険の選び方のポイント
自分に合ったがん保険を選びたいときは、以下の3つを検討することが重要です。
- 保険料
- 保険期間
- 給付金が受け取れる頻度
これからがん保険の加入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
保険料
がん保険を選ぶときは、自分の予算にあった保険料を考慮しましょう。
がん保険は10年以上の長期にわたって支払うことも少なくありません。高額な保険料を長期間支払い続けると、家計を圧迫し、他の生活費や出費に影響が出てしまう可能性も考えられます。
がん保険には「定期タイプ」と「終身タイプ」の2種類があります。それぞれの違いは以下のとおりです。
がん保険の種類 | 特徴 | おすすめの方 |
---|---|---|
定期タイプ | ・保険料が比較的安い
・保障期間に期限がある ・更新時に保険料が上がる可能性がある |
月々の保険料負担をおさえたい方 |
終身タイプ | ・保険料は定期タイプより高めに設定されることが多い
・保障期間は一生涯 ・保険料は契約時から変動しないものが多い |
保険料の安さよりも一生涯の保障を重視したい方 |
同等の保障内容であっても、更新の有無や保障期間によって、保険料も変動するケースがあります。 自分が優先したい内容でタイプを選ぶことがおすすめです。
保険期間
がん保険を選ぶ際には、保険期間が一生涯かどうかもチェックしておきましょう。
がん保険には定期タイプと終身タイプの2種類があり、定期タイプは保険料を比較的安く抑えられるものの、保障期間は限定されています。一方、終身タイプは保険料が定期タイプより割高になる傾向がありますが、保障が一生涯継続するものです。
保険料の安さを重視したいなら定期タイプ、がんの罹患率が高まる高齢期まで一生涯備えたい場合は、終身タイプがおすすめです。
給付金が受け取れる頻度
給付金が受け取れる頻度や回数で、がん保険を選ぶのもよいでしょう。
がんは再発リスクが高く、年単位で治療が必要になることもあります。給付金を受け取れる頻度・回数が多いがん保険であれば、再発リスクにも備えられるのがメリットです。
給付金の支払上限回数や頻度は、商品や保険会社によって異なるため、契約前にチェックしておきましょう。
JA共済の「がん共済」は充実した保障でしっかりサポート
JA共済の「がん共済」は、充実した保障でがんと診断された際の不安を軽減してくれる共済です。
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先進医療を受けた場合、共済金の額×10%の「がん先進医療一時金」や、通算1,000万円まで保障されている「がん先進医療共済金」を受け取れます。また、上皮内がんを含む様々な「がん」や「脳腫瘍」の診断時や再発時、入院・手術等を幅広く保障します。
将来がんになった場合の備えを考えている方は、ぜひJA共済の「がん共済」もご検討ください。 詳しくは、お近くのJAにご相談いただくか、または、下記の「がん共済」のバナーからご確認ください。
がん保険の必要性についてのまとめ
今回はがん保険とはなにか、またその必要性についてご紹介しました。
がんは2人に1人がかかると言われるほど身近な病気であり、一度罹患すると治療が長期化したり再発したりするリスクがあります。がんの治療や入院中の経済的な負担を軽減して、収入の不足を補うためにも、がん保険への加入がおすすめです。
正しく内容を理解して、がん保険の必要性について考えてみてはいかがでしょうか。