節税対策になる!生前贈与の方法や必要な手続きについてまとめてみた

“その他”に関するねだんのこと

2019.03.19

「相続税」という言葉を聞いたことがある方は多いと思いますが、どのような税金かはご存じでしょうか? 相続税とは、相続する財産にかけられる税金で、遺産の合計額が一定のラインを超えると、超えた部分に対して適用されるものです。税率は遺産総額によって変動しますが、もっとも高いところで55%と定められています。


相続税の基礎控除額が平成27年の改正によって大幅に下げられ、より多くの人に相続税が適用されるようになりました。そこで現在、相続税にかかる税金への対策として有効な「生前贈与」に関心が集まっています。


ここでは「生前贈与とはなんなのか」、「どのように行うのか」といった、生前贈与に関する基本的な部分をわかりやすく紹介していきたいと思います。

生前贈与とは

生前贈与とは、亡くなる前(正確には、亡くなる3年以上前まで)に配偶者や子どもに対して財産を与えることをいいます。亡くなった際に遺産を一度に遺族に相続しようとすると相続税がかかってしまう場合、存命の間にしかるべき手続きを経て「生前贈与」という形で資産を譲っておいたほうが、税金の負担を減らすことができる可能性があります。生前贈与は、「将来かかるであろう相続税」の節税対策として利用することができるのです。とはいえ、贈与される資産には「贈与税」が課せられるので、相続と生前贈与の「どちらがおトクか」を検討する必要があります。


生前贈与をする際に課せられる贈与税には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つの課税方法があります。


~暦年課税とは~

暦年課税は、1年単位で課税額が算出されます。税率は相続税に似ており、贈与される額に応じて変動しますが、基礎控除額として110万円が設定されています。つまり、1年の間に贈与する額が110万円以下であれば税金はまったくかかりません。


~相続時精算課税とは~

相続時精算課税は、2,500万円までの贈与を非課税にできる制度です。ただし、贈与した時点で贈与税がかからない代わりに、相続時に課税されます。つまり「贈与される資産への課税を先延ばしにする制度」と言い換えることもできます。


相続時精算課税にはほかにもいくつか条件があります。まず利用するための条件として、贈与する側が60歳以上の父母、または祖父母であり、贈与を受ける側は20歳以上でおそらく相続を受けるであろう子、または孫に限られています。


次に、相続時精算課税制度を利用して贈与された資産は、相続財産として計算されます。


加えて、相続時精算課税制度を利用した場合、それ以降は暦年課税の基礎控除額110万円を利用することができなくなります。


相続時精算課税制度は不動産を贈与する際などに利用されますが、よく検討した上で行わないと「普通に相続税を払って相続したほうが節税できた」といったことになりかねません。利用の際は慎重に検討するようにしましょう!

生前贈与に必要な手続き

生前贈与のやり方ですが、これは資産を与える人ともらう人の間で合意が成立していれば可能となります。極端な話、口約束でも生前贈与は成立するのですが、のちのちのトラブルを回避するために契約書を作成しておいたほうが賢明です。


生前贈与にまつわる失敗やトラブルは、贈与する側、される側の間だけに想定されるものではありません。生前贈与は、税務署の判断によっては認められないケースもままあるのです。「この贈与は生前贈与にあたらない」と判断されれば、贈与税や相続税が課税されることとなります。


失敗のない生前贈与を行うために、いくつかのポイントをおさえておきましょう。


~失敗しない生前贈与のポイント~

ポイント① 贈与契約書の作成

まず、生前贈与を行うなら必ず贈与契約書を作成しましょう。贈与契約書は、

誰から

誰に

何を

いつ

どのような方法で贈与するか

を明確に記載できるように、印鑑は実印で、文面はパソコンでなく手書きにすることをおすすめします。


ポイント② 履歴をのこす

金銭を贈与する場合は振込を利用して履歴を残すようにしましょう。履歴を残すだけで「贈与があった」ということの証拠となります。また、生前贈与は双方の合意が大前提です。贈与する側が勝手に贈与される側の口座にお金を送金していても、贈与された側にその認識がなければ生前贈与とは認められません。加えて銀行印にも注意が払えれば完璧です。銀行印は贈与する側・される側の口座でそれぞれ違ったものを使いましょう。


ポイント③ 不動産の生前贈与では名義変更を!

不動産を生前贈与する場合は、贈与契約書の作成に加えて、必ず登記を申請して名義を変更しておきましょう。登記申請には登記事項証明書などの書類を用意しなくてはならないので、司法書士に相談しながら進めていけば間違いはありません。

生前贈与のメリット・デメリット

相続税がかかる場合と比較して、生前贈与にはいくつかのメリットがあります。


メリット① 節税対策

まずは節税対策です。生前贈与に用意されている基礎控除額の110万円のお話は上記のとおりですので、これを利用して資産を予め渡しておくことで、相続時にかかる相続税を低く抑えることができます。


メリット② 贈与したい相手に確実に贈与できる

生前贈与は、相続時精算課税制度を利用する場合を除き、贈与する相手を誰でも自由に選ぶことができ、その相手に確実に贈与することができます。相続の場合も遺産を受け取る相手をある程度自由に決めることはできますが、遺言に則って行われるため、その遺言が公的な文書としてきちんと仕上がっているものでないと、希望通りに相続が進められない可能性があります。また、不備のある遺言は相続争いを誘発するリスクもあります。


なお、生前贈与にはいくつかの気をつけておきたいルールがあります。



気をつけたいポイント① 連年贈与

年に110万円の基礎控除額が用意されている暦年課税ですが、暦年課税を利用する際に注意したいのは「連年贈与」です。贈与していた資産が連年贈与と見なされれば、贈与された資産の合計額に応じた贈与税が適用されることになります。


たとえば「110万円を毎年、10年間に渡って贈与した」というケース。この場合、「課税対象ではないはずの110万円を10回に分割して贈与しただけだから税金はかからない」と思いたいところですが、税務署から「最初から1,100万円を贈与するつもりだったが、課税から逃れるために10回に分けたのだろう」と判定され、連年贈与ということで、総額の1,100万円に対して贈与税が課せられてしまうのです。


気をつけたいポイント② 相続税の「3年ルール」

また、生前贈与には「相続前3年間に行った贈与は相続扱い」というルールがあります。これは、贈与する側が亡くなってしまった場合、亡くなる前の3年間に行われた贈与が生前贈与として認められなくなる、ということです。


生前贈与にいくつかのメリットがあるからといって「どのような場合でも相続税を払うよりおトク」とはなりません。これはケースバイケースとなりますので、生前贈与の仕組みやルールを考慮しながら、贈与・相続する資産の総額、贈与・相続される対象の人数等に応じて検討するとよいでしょう。


参考:
国税庁 相続税がかかる場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4102.htm

中野相続手続きセンター 相続税(相続にかかる税金の基礎知識)
http://www.tokyo-intl.com/category/1602283.html

国税庁 相続税の税率
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4155.htm

遺産相続弁護士相談広場
https://www.souzokuhiroba.com/

この記事をシェアする

よく読まれている記事

1分でわかる

  • 生活障害共済「働くわたしのささエール」 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 自動車共済「クルマスター」 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 介護共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 予定利率変動型年金共済「ライフロード」 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 医療共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • がん共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • こども共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 建物更生共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!

↑