自動車保険の乗り換え時の手続きや注意点は?乗り換えの最適なタイミングもご紹介

自動車保険の乗り換え時の手続きや注意点は?乗り換えの最適なタイミングもご紹介

自動車保険(共済)の保険料の高さや、事故時の対応に不満を感じた場合、自動車保険(共済)の乗り換えを検討する方は多いのではないでしょうか。一方で、保険会社の選定や乗り換えの手続きを面倒に感じてしまい、不満を抱きながらも簡単な手続きで済む従来の保険会社で契約を継続してしまったという声もよく聞こえてきます。

今回は、乗り換えを検討している方がスムーズに手続きを進められるように、乗り換えに適したタイミングや乗り換える際の手順および注意点について見ていきましょう。

本内容は、令和4年10月の制度等にもとづき、記載しています。


乗り換えに適切なタイミング

自動車保険(共済)の乗り換えは、どのタイミングでおこなうのがよいのでしょうか。自動車保険(共済)には、事故歴に応じた割引・割増率が保険料に適用される「等級制度」があります。自動車保険(共済)の乗り換えに際して損しないためには、この等級制度に着目することがポイントです。

現在の契約が満期を迎えるとき

他社の自動車保険(共済)に切り替えるタイミングとして一番適切なのは、現在の契約が満期を迎えるときでしょう。なぜなら、保険期間中に乗り換えてしまうと、保険料の割引・割増率を決める「等級」においてデメリットが生じてしまうからです。

自動車保険(共済)の等級制度は、1年間無事故であれば翌年の等級が上がり、事故を起こして保険(共済)を利用すると事故の内容に応じて翌年の等級が下がる仕組みとなっています。初めて自動車保険(共済)を契約するときは6等級からスタートし、等級が高いほど割引率が上がります。そして、乗り換えをしても等級の引継ぎは可能となっています。共済も基本的に引継ぎ可能ですが、一部の共済は引継ぎができないため注意しましょう。

現在の契約期間中に無事故だった場合、満期を迎えるタイミングで乗り換えれば等級が上がり、割引率を高めることができます。つまり、満期のタイミングで乗り換えるほうが、より早く等級を上げられます。そのため乗り換える場合は満期のタイミングで乗り換えられるように、事前に手続きを済ませておきましょう。

保険期間中に乗り換えることは可能?

現在の自動車保険(共済)契約が満期を迎える前に、途中で解約して他社に乗り換えること自体は可能です。ただし、中途解約する場合のデメリットについてきちんと理解しておきましょう。

契約を中途解約した場合、まだ経過していない保険期間に応じて解約返戻金を受け取れます。ただし、一般的に解約返戻金は単純な月割りで計算した金額よりも少ない額になってしまいます。これは、保険会社が定める「短期率」に基づいて計算されるためです。短期率は保険会社ごとに決められており、以下は一例です。



例えば、年間保険料が50,000円の自動車保険(共済)を一括払いで契約して、6ヵ月経過時に解約した場合の解約返戻金は次のとおりです。

50,000円 × (1-70%)=15,000円 

単純に月割で計算した場合は、未経過期間である6ヵ月分の保険料は25,000円(50,000円÷12ヵ月×6ヵ月)となりますが、それよりも少ない金額となっています。解約返戻金の観点からも、中途解約するのではなく満期を迎えてから乗り換えるほうがよいでしょう。

自動車保険の乗り換え手続き


では、自動車保険(共済)を乗り換える場合はどのような手続きが必要になるのでしょうか。乗り換えのタイミングが近づいてきたときに慌てずに手続きを進められるよう、事前にしっかりと手続きや手順を確認しておきましょう。

比較サイト等で見積もりをとる

自動車保険(共済)の乗り換えにあたり、まずは乗り換え先の保険会社を選定しなければなりません。十分な検討時間を確保するためにも、早めに動き始めることをおすすめします。多くの場合、満期を迎える2ヵ月前頃に現在契約中の保険会社から「満期・更新のお知らせ」がメールや郵送で届きます。そのタイミングを目安に他社での保険料の見積もりをとるとよいでしょう。

見積もりをする際には、保険証券・車検証が手元にあるとスムーズに進められます。また、免許証の色も保険料の見積もりに必要となる情報であるため、事前に確認しておきましょう。

見積もりは各社の公式サイトから可能ですが、1社ずつ情報を入力して見積もりをとるのは大変な労力がかかるため、自動車保険(共済)を一括見積もりできる比較サイトなどをうまく活用すると手際よく進められるでしょう。

乗り換え先の保険開始日を決める

自動車保険(共済)の契約開始日は、現在の契約期間が終了する満期日に設定しましょう。現在の保険(共済)を途中で解約して乗り換える場合は、解約日と同じ日付に設定しましょう。これは、保険期間の重複や空白をつくらないようにするためです。

保険期間が重複している場合、乗り換え先の保険契約は保険料を支払っていても無効となり、保険料の無駄払いになってしまいます。また、保険の空白期間がある場合は、その期間に事故を起こしてしまうと、補償が受けられずに多額の損害や賠償金の支払いが発生してしまうリスクがあるため、保険開始日は十分に確認して設定しましょう。

申し込み手続きを済ませる

乗り換え先の保険会社と保険開始日が決まったら、新しい自動車保険(共済)の申し込み手続きを進めましょう。乗り換えをする場合の契約申し込みには、主に次のものが必要です。


  1. 車検証
  2. 運転免許証
  3. 現在加入中の保険証券
  4. 車の現在の累計走行距離の値(メーター値)

申し込みの手続きをWebサイトで完結できる保険会社もありますが、書類に記入のうえ郵送が必要な場合もあります。書類の提出が求められる場合は、忘れずに郵送しましょう。また、保険料の支払いが期限までになされないと補償が受けられなくなります。申し込みが成立するまでの必要な手続きは入念に確認しておきましょう。

自動継続にしている際は解約をする

自動車保険(共済)の乗り換え先での申し込みができたら、現在の契約の解約手続きを進めましょう。通常の自動車保険(共済)契約は、満期を迎えると契約は終了するため解約の意向を伝える必要はありません。しかし、「自動継続特約」を付帯している場合は例外です。

自動継続特約とは、契約の継続手続きをうっかり忘れてしまうことを防ぐために、自動的に契約が更新される特約です。この特約が付帯されていて解約したい場合は、保険会社が定める期日までに契約を更新しない意向を伝えなければなりません。現在の契約に特約が付帯されているかを確認し、付帯されている場合はいつまでに保険会社への連絡が必要か前もって把握しておきましょう。

保険料見積もり時の注意点

自動車保険(共済)の見積もり時に誤った申告をして契約をしてしまうと、あとから面倒な手続きが発生してしまいます。また、保険料を節約できるポイントもあるため、見積もりをとるうえで知っておきたい注意点を以下で紹介します。

事故歴の把握

事故の有無は翌年の契約の等級に影響し、それに応じて保険料も変わります。そのため、見積もりをとる際には事故歴の正しい申告が重要です。

自動車保険(共済)における事故は、その内容によって「3等級ダウン事故」、「1等級ダウン事故」、「ノーカウント事故」の3つに分類されます。例えば、他人をケガさせてしまった、他人のものを壊してしまった、自分の車を傷つけた等、ほとんどのケースが「3等級ダウン事故」にあたります。「1等級ダウン事故」とは、車が盗難にあったり、台風により損害を受けたりした場合などが挙げられます。自分や家族など同乗者のケガに対する補償のみを受けた場合などは「ノーカウント事故」にあたり、保険を使っても翌年の等級は下がりません。現在の契約期間中に事故で保険を使った場合は、事故の件数とその内容を正しく申告しましょう。

等級の入力

見積もりをとる際には、「現在の等級」を入力しましょう。保険会社から届く「満期のお知らせ」には翌年契約の等級も記載されているため、誤入力が生じやすいポイントです。

万一、誤った等級を入力して、申し込みをした場合、契約後に前の保険会社での情報が照会されて誤りが発覚し、後日訂正が必要となります。差額の保険料を追加で支払うなどの手続きが発生してしまうため、等級の入力には十分に注意しましょう。

運転者

補償の対象となる運転者を限定するか否かで保険料が変わります。例えば、本人とその配偶者以外に車を運転する人がいなければ、補償の対象を本人および配偶者に限定することで保険料を安くできます。運転者の範囲は主に以下の4つから選べます。


  1. 本人のみ
  2. 本人とその配偶者
  3. 本人とその家族(配偶者・同居の親族・別居の未婚の子)
  4. 限定なし

ただし、上記の範囲設定区分は保険会社によっても異なるため、見積もり時に確認してみましょう。運転者の範囲に加えて、補償される運転者の年齢を限定することで割引をさらに適用できます。まず「運転者の範囲」を設定し、そのなかで最も若い方の年齢に合わせて年齢条件を設定することがポイントです。

年間走行距離

なかには、年間走行距離が保険料を決める要素となる保険会社もあります。この場合、年間走行距離が長いほど保険料は高くなります。なぜなら、車を運転する機会が多いほど事故が起きる可能性が高くなり、保険会社が保険金を支払う可能性も高まるからです。

見積もりをとる際に申告する年間走行距離は次の2パターンがあり、保険会社によって異なります。


  1. 実際の過去1年間の走行距離
  2. 1年間の予定走行距離

予定走行距離を申告して保険料の見積もりをとる場合、実際の使用状況にあわせた適切な距離申告をおこないましょう。もちろん、契約期間の途中で車の利用頻度などの使用実態が変わる可能性も出てくるでしょう。状況が変わったら保険会社に連絡をしましょう。この場合、追加の保険料が必要になることもあります。

契約開始が満期日から7日を超える場合は中断証明書の発行を

自動車保険(共済)の等級は引継ぎが可能ですが、一般的にそれができるのは満期日あるいは解約日から次の契約開始日まで7日以内である場合です。これを超えると等級を引き継ぐことができません。しかし、現在の車を廃車にして新車が納車されるまでに期間が空いてしまうケースや、生活環境の変化などで一時的に車を手放すケースもあるでしょう。そのようなときは、解約する保険会社に「中断証明書」の発行を依頼しましょう。

中断証明書とは、保険契約を継続しなくても一定期間内であれば中断したときと同じ等級から契約を再開できるというものです。中断の手続きをした保険契約の満期日あるいは解約日の翌日から10年間等級を維持できます。新規で自動車保険(共済)を契約する場合、6等級からスタートするため、現在7等級以上であれば中断証明書を発行しておくことでより高い割引率を適用できるというメリットがあります。

中断証明書の発行は、解約日あるいは満期日から5年以内の手続きが必要です。発行手続きに必要な書類は中断の理由によって異なるため、現在契約中の保険会社に確認しておきましょう。

まとめ

自動車保険(共済)の乗り換えは、現在の契約が満期を迎えるタイミングでおこなうことが一番適切といえます。満期が近づいてしまうと検討する時間も限られてしまうため、乗り換えを考えている場合は早めに動き始めることがおすすめです。見積もりをとる際の注意点に留意しながら、納得のいく補償内容に乗り換えられるようにしましょう。

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