火災保険の選び方は?失敗しない選び方のポイントを解説

火災保険の選び方は?失敗しない選び方のポイントを解説

マイホームを購入したり、賃貸物件に引越ししたりする際には、「火災保険」の加入や補償内容を検討する機会が出てくるかと思います。

賃貸物件の場合は基本的に火災保険への加入を求められ、補償内容に関しては最低限つけなければいけない条件を提示されますが、マイホームの場合には加入すべきかに加え、補償内容など細かい条件も自分で選ばなければなりません。

火災保険は、一概にこの内容で契約しておけば大丈夫、というものではなく、マイホームそのものや住まいの環境に適した補償を組み合わせて選ぶ必要があります。

今回は、これから火災保険への加入を検討している方や、火災保険の見直しをしたいという方に向けて、火災保険の基礎知識から上手な選び方、そして保険料を安く抑えるポイントまでご紹介していきます。

本内容は、令和4年5月の制度等にもとづき、記載しています。

この記事を読むと分かること

  • 火災保険の選び方
  • 火災保険の相場
  • 火災保険料を安く抑える方法

火災保険とは

火災保険は損害保険商品の1つであり、火災などによって建物や家財が損害を受けたときにその修復費用を補償してくれます。ここでは、火災保険の概要についてご紹介していきます。

火災保険の加入は必須?

実は、火災保険への加入は法律上義務付けられているものではなく、あくまで任意です。しかし、マイホーム購入時に多くの方が利用する住宅ローンの融資を受けるには、一般的に火災保険への加入が条件とされています。

住宅ローン返済中に火災が起きて住宅が燃えてしまうと、住宅ローンの返済義務だけが残って住む家もなくなるため、生活が困窮するケースも出てきかねません。その場合、資金を貸し付けた金融機関は回収できなくなる可能性があるため、万が一のために火災保険で備えておくことが融資の条件となっているのです。このような背景もあり、マイホーム購入時には火災保険に加入するケースがほとんどです。

また、賃貸物件に関しても、借主は借りた家を元通りの状態にして大家さんに返す義務があり、それを保証するためにも基本的には火災保険の加入が賃貸借契約締結の要件とされています。

火災保険の補償対象

住宅用の火災保険では、「建物」「家財」「建物と家財」の3パターンを補償の対象にできます。仮に「建物」だけを補償の対象としていた場合、建物と家財が被害を受けていたとしても保険金を受け取れるのは建物部分の損傷のみです。

では、具体的にどのようなものが「建物」「家財」にそれぞれ分類されるのでしょうか。以下の表を参考にしてください。



火災保険の補償対象 区分
建物 建物そのものおよびそれに付随して動かせないもの
(例)
住居用の建物
門・塀・垣
物置・車庫・カーポート
畳・ふすまなどの建具
浴槽・調理台
電気、ガス、冷暖房設備 など
家財 上記建物のなかにあり動かせるもの
(例)
テーブル、カーテン、ソファなどの家具
テレビなどの家電製品
家庭用の食器、日用品
衣類
自転車、排気量が125cc以下の原動機自転車 など
火災保険の補償対象 区分
建物 建物そのものおよびそれに付随して動かせないもの
(例)
住居用の建物
門・塀・垣
物置・車庫・カーポート
畳・ふすまなどの建具
浴槽・調理台
電気、ガス、冷暖房設備  など
家財 上記建物のなかにあり動かせるもの
(例)
テーブル、カーテン、ソファなどの家具
テレビなどの家電製品
家庭用の食器、日用品
衣類
自転車、排気量が125cc以下の原動機自転車  など

火災保険の補償範囲

「火災保険」といえど、火災保険で補償できる災害は火災だけではありません。火災以外にも落雷や水災、盗難などさまざまなリスクの補償をつけることが可能です。また、基本的な補償がセットになっている「基本補償」に加え、住まいの環境にあわせて補償をさらに広げたい場合に任意で追加できる「オプション補償(特約)」が用意されています。

基本補償とオプション補償の内容は、保険会社や保険商品によってそれぞれ異なりますが、一般的に火災保険で補償できる範囲は主に以下のとおりです。



火災保険で付帯できる補償 補償対象となる事例
火災 失火・延焼・ボヤやもらい火による損害
落雷 落雷による家屋や電化製品の損害
破裂・爆発 ガス漏れなどを原因とする破裂や爆発による損害
風災・雹(ひょう)災・雪災 台風・雹(ひょう)・豪雪などによる損害
水災 台風などにともなう洪水・高潮・土砂崩れによる損害
建物外部からの物体の落下・⾶来・衝突 外部からの自動車の衝突やヘリコプターの落下、野球ボールの飛来などによる損害
水濡れ 上階からの水濡れや給排水設備の破裂などにともなう水濡れによる損害
そうじょう・暴力行為 労働争議等にともなう集団での暴力行為による損害
盗難による盗取・損傷・汚損 空き巣などによる盗取・損傷・汚損の損害
破汚損などの不測かつ突発的な事故 ドアや壁などにものをぶつけて破損させるなど、日常生活のなかで起きた故意ではない突発的な事故による損害
火災保険で付帯できる補償 補償対象となる事例
火災 失火・延焼・ボヤやもらい火による損害
落雷 落雷による家屋や電化製品の損害
破裂・爆発 ガス漏れなどを原因とする破裂や爆発による損害
風災・雹(ひょう)災・雪災 台風・雹(ひょう)・豪雪などによる損害
水災 台風などにともなう洪水・高潮・土砂崩れによる損害
建物外部からの物体の落下・⾶来・衝突 外部からの自動車の衝突やヘリコプターの落下、野球ボールの飛来などによる損害
水濡れ 上階からの水濡れや給排水設備の破裂などにともなう水濡れによる損害
そうじょう・暴力行為 労働争議等にともなう集団での暴力行為による損害
盗難による盗取・損傷・汚損 空き巣などによる盗取・損傷・汚損の損害
破汚損などの不測かつ突発的な事故 ドアや壁などにものをぶつけて破損させるなど、日常生活のなかで起きた故意ではない突発的な事故による損害

火災保険の選び方

では実際にどのように火災保険を選べばよいのか、選び方について具体的に見ていきましょう。火災保険の上手な選び方について、以下6つのポイントに分けてご紹介していきます。

補償対象を決める

火災保険の補償対象は以下の3パターンから選択します。


  • 建物
  • 家財
  • 建物と家財

  • 補償の対象を決める際は、まず「持ち家」なのか「賃貸物件」なのかが焦点となります。

    賃貸物件の場合、建物部分はオーナー(貸主)が自身で火災保険に加入しており、借主が火災保険の補償をつける必要はありません。そのため、「家財」のみ補償をつけましょう。

    持ち家の場合は、上記3つのパターンから選んでいきます。家財の補償は不要と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば台風や豪雨による浸水などで家電や家具が一式損傷してしまうケースなども十分に考えられます。単体ごとであればそれほど高価でなくても、まとめて買い換えると相当な出費となり大きな負担になることが想定できます。自分の住まい環境に合わせて慎重に補償対象を決めましょう。

    補償範囲を決める

    火災保険の補償範囲は、最低限の補償が可能な「基本補償」と補償の幅を広げたいときに任意で追加できる「オプション補償」に分かれます。「基本補償」では、火災・破裂・爆発に加え、保険会社によっては風災・雹(ひょう)災・雪災が含まれることもあります。オプション補償では、水災、水漏れ、盗難、破汚損などを追加できます。

    オプション補償をつけて、補償の幅を広げることで万一の際の安心は高まりますが、その分保険料は高くなります。住まいエリアの特性や周辺環境などを考慮しながら、自分の住まいに必要な補償を検討しましょう。

    その際に、自治体が公表しているハザードマップなどを参考にして、自分の住まいはどの災害リスクが高いのか検討するとよいでしょう。例えば、近辺に大きな河川がなくても、土地が周囲より低いと洪水や浸水のリスクは高いかもしれません。こういった場所では集合住宅の2階以上でも浸水被害を受ける可能性もあるため、1階でないからと水災リスクを軽視すべきではありません。

    契約期間を設定する

    火災保険の契約期間は、一般的に1年から10年の間で選択が可能です。ただし、近年の自然災害の増加にともない保険金支払額が膨らんでいることを背景に、多くの保険会社が2022年10月以降は契約期間の最長を10年間から5年間と短縮する見通しです。なお、1年未満の短期で契約することも保険会社によっては可能なので、賃貸物件などで短期間しか居住予定がない場合には保険会社に確認してみるとよいでしょう。また、契約後に途中解約することもできるため、急な引越しとなっても対応可能です。

    では、数年間分まとめて契約する長期契約と、1年間ごとに契約する短期契約のそれぞれのメリット・デメリットを以下でご紹介します。



    契約期間ごとの特徴
    メリット デメリット
    長期契約 ・保険料が割安
    ・更新の手間が省ける
    ・払込方法は複数の選択肢がある
    ・契約内容を見直す機会が減る
    短期契約 ・更新時に契約内容の見直しができる ・長期契約より保険料は割高
    ・毎年更新の手続きが必要
    ・払込方法は基本的に一括払いのみ
    契約期間ごとの特徴
    メリット デメリット
    長期契約 ・保険料が割安
    ・更新の手間が省ける
    ・払込方法は複数の選択肢がある
    ・契約内容を見直す機会が減る
    短期契約 ・更新時に契約内容の見直しができる ・長期契約より保険料は割高
    ・毎年更新の手続きが必要
    ・払込方法は基本的に一括払いのみ


    長期契約の一番のメリットは、保険料を抑えられる点でしょう。長期割引を適用できるため、1年あたりの保険料は短期契約よりも安くなります。ただし、数年先の更新時まで契約内容を見直ししない可能性が高まる点がデメリットといえます。生活スタイルや家族構成などの変化にともない、必要な補償も変わります。契約内容の見直しは手間もかかり面倒に感じますが、万一のための保険なのでその万一の際にしっかり役立てられるよう、意識的に見直しの機会をつくりましょう。

    短期契約は、長期契約に比べて保険料が割高になりますが、更新の都度見直しをする機会をつくれるため、現状にあわせた補償内容へと柔軟に変更しやすいでしょう。

    構造級別を確認する

    構造級別とは、建物の柱・はり・壁などが何でできているかによって分けている区分です。以下の表のとおり、住宅用火災保険の場合、M構造・T構造・H構造の3区分に分けられます。


    構造級別 材質 保険料
    M構造(マンション構造) 以下の共同住宅建物
    ・コンクリート造建物
    ・コンクリートブロック造建物
    ・れんが造建物
    ・石造建物
    ・耐火建築物
    安い





    保険料





    高い
    T構造(耐火構造) 以下の建物
    ・コンクリート造建物
    ・コンクリートブロック造建物
    ・れんが造建物
    ・石造建物
    ・鉄骨造建物
    ・耐火建築物
    ・準耐火建築物
    ・省令準耐火建物
    H構造(その他の構造) 上記以外の建物
    (上記を確認できない建物)
    構造級別 材質 保険料
    M構造(マンション構造) 以下の共同住宅建物
    ・コンクリート造建物
    ・コンクリートブロック造建物
    ・れんが造建物
    ・石造建物
    ・耐火建築物
    安い





    保険料





    高い
    T構造(耐火構造) 以下の建物
    ・コンクリート造建物
    ・コンクリートブロック造建物
    ・れんが造建物
    ・石造建物
    ・鉄骨造建物
    ・耐火建築物
    ・準耐火建築物
    ・省令準耐火建物
    H構造(その他の構造) 上記以外の建物
    (上記を確認できない建物)


    木材なのか、鉄骨なのか、鉄筋コンクリートなのかなどによって、損害の大きさに差が出るため、材質によって保険料が変わります。

    保険金額を決める

    保険金額とは、補償の対象に損害が生じたときに支払われる、いわば「保険金の限度額」です。「新価(再調達価額)」で設定する方法と、「時価」で設定する方法の2つの方法があります。



    保険金額の設定
    新価(再調達価額) 火災などで家が焼失した場合などに、新築時と同等の家を建て直したり、同等の家財を新たに購入できる額を補償
    時価 新価から経過年数による価値の減少分(使用による消耗分)を差し引いた時価額を補償
    保険金額の設定
    新価
    (再調達価額)
    火災などで家が焼失した場合などに、新築時と同等の家を建て直したり、同等の家財を新たに購入できる額を補償
    時価 新価から経過年数による価値の減少分(使用による消耗分)を差し引いた時価額を補償


    時価で保険金額を設定した場合、例えば10年前に3,000万円で建てた家が損壊して同等の家を3,000万円で再建するとなっても、仮に10年間の価値減少分が1,000万円だとすると、2,000万円までしか補償されないことになります。

    十分な補償を受けるためにも新価(再調達価額)での契約がおすすめであり、最近では新価での契約しかできない保険会社や保険商品もあります。

    地震保険の加入を検討する

    火災や水災、土砂崩れなどさまざまなリスクによる損害を補償してくれる火災保険ですが、その発生要因が地震の場合は、保険金を受け取ることはできません。地震による損害を補償するためには、火災保険とセットで加入できる地震保険を別途付帯しなければなりません。

    地震保険では、地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による建物や家財の損害が補償されます。火災保険と違って、実際の損害額を保険金として受け取れるのではなく、損害の程度によって全損・大半損・小半損・⼀部損の認定がおこなわれ、区分に応じて受け取れる保険金が変わります。一部損にも認定されなければ保険金を受け取ることはできません。

    なお、地震保険は政府が関与している保険のため、補償内容や保険料はどの保険会社においても同じです。

    建物の構造や地域によって地震による損害リスクは異なるため、住まいの状況に応じて地震保険に加入すべきか判断しましょう。その際には、ハザードマップなども参考にするとよいでしょう。



    なお、JA共済には火災だけでなく地震のリスクもあわせて補償できる「建物更生共済 むてきプラス」という商品もありますので、参考にしてみてください。

    火災保険料の相場は?

    万一の際に大きな補償をしてくれる火災保険ですが、費用としてどれくらいの保険料がかかるのかも気になる点だと思います。

    建物の構造や地域、住まいの環境などによってリスクの大きさが異なり、一般的にリスクが高いほど保険料は高くなります。さらに補償内容の幅広さや特約の有無などによっても保険料は大きく変わります。

    以下の数字は、補償の対象ごとの火災保険料相場を損害保険料率機構が公表する「火災保険・地震保険の概況2021年度(2020年度統計)」をもとに算出したものです。1証券あたりの火災保険料相場であるため、あくまで目安として参考にしてください。



    補償の対象 保険料相場
    建物と家財など 約7.3万円
    建物のみ 約5.5万円
    家財のみ 約1.2万円
    補償の対象 保険料相場
    建物と家財など 約7.3万円
    建物のみ 約5.5万円
    家財のみ 約1.2万円

    出典:損害保険料率機構 「火災保険・地震保険の概況2021年度(2020年度統計)」

    火災保険料を安く抑えるポイント

    住まいが損害を受けた際に安心を提供してくれる火災保険ですが、その保険料は決して安くはありませんよね。少しでも火災保険料の負担を抑えたいと考える方も多いのではないでしょうか。ここでは、火災保険を検討する際に知っておきたい保険料を安く抑えるポイントを3つご紹介します。

    契約期間を長くする

    長期契約にすることで長期割引が適用されるため、保険料を安く抑えられます。ただし、割引率が一番高いケースは、保険料の支払いを一括払い(一時払い)にすることです。総支払保険料としては節約できますが、契約時の負担は大きくなってしまう点に注意しましょう。

    免責金額を高くする

    免責金額とは、自己負担額を指します。例えば、免責金額を5万円に設定して契約した場合、20万円の損害があった場合には免責金額5万円を差し引いた15万円を保険金として受け取れます。免責金額よりも損害額が低い場合は、保険金を受け取れません。

    しかし、免責金額を高く設定することで補償される金額が少なくなることから保険料を安く抑えたい場合には有効な方法といえます。万一の際にどれだけ自己負担できるのかを踏まえて検討するとよいでしょう。

    必要ない補償は外す

    火災保険は補償内容が広いほど保険料が高くなります。自分の住まい環境ではリスクが低い補償など不要と判断できる補償を外すことで保険料を抑えられます。例えば、住まいがマンションの高層階であり、ハザードマップ上でも浸水するリスクが低い地域であれば、水災補償は外してもよいと判断できるかもしれません。補償したいリスクの優先順位を検討してみましょう。

    おうちの万が一に備えて火災保険を検討しよう

    火災保険に加入しておくことで、自然災害などによって住まいに甚大な被害が生じても、お金の不安を最小限におさえることができます。とはいえ、安心を買うために補償に入りすぎてしまい、高額な保険料が今の生活を圧迫してしまっては意味がありません。自分の住まいにはどのような災害のリスクが高いのかなど住まい環境をあらためて確認したうえで、自分にとってベストな契約内容の火災保険に加入することが大切です。


    参考:
    財務省
    https://www.mof.go.jp/
    日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/
    東京海上日動
    https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/

    火災はもちろん地震にも備えられる建物・家財などの保障

    この記事をシェアする
    ↑

    CLOSE