癌の治療をする場合の休職期間や受けられるサポートまとめ

“病気”に関するねだんのこと

2019.01.31

日本人の死因の第1位といわれている、癌。現在では、癌で亡くなる人は年間30万人以上、生涯のうち男性の2人に1人、女性の3人に1人が癌にかかると推測されています。だからこそ考えておきたいのが、万が一癌に罹患してしまったときのこと。どのようなサポートが受けられるか、また治療にあたって会社とはどんな話し合いをするべきかまとめました。

もしも、癌と診断されたら?

たとえば、あなたが病院で癌に罹患していることを告げられたら、これまでどおり仕事を続けられるか不安に思うはず。病状にもよりますが、癌は一朝一夕で治る病気ではありません。しかし、医療の進歩により生存率は大きく向上し、早期発見や適切な治療により、仕事と治療を両立できるケースも増えてきました。


厚生労働省によると、働きながら通院する癌患者は約32万5000人。多くの方が現在も闘病しながら仕事を続けています。まずは産業医や人事、上司を交えて治療のスケジュールやプランなどを相談しましょう。会社によっては時差出勤や時短勤務制度など、治療と仕事の両立のために利用できる制度を設けているところもあります。
場合によっては業務量の負担の少ない部署への配置転換を希望することもできるでしょう。2016年からは厚生労働省が主体となって癌と共存しながら仕事を続ける対応策として「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を発表し、癌患者が安心して治療にも仕事にも専念できる環境作りが進められています。

休職が必要になったら?休職期間の決まり方

病状によっては働きながらの通院に困難が伴うこともあります。その場合、休職をすることもひとつの選択肢になります。しかし、休職制度は法律上必ずしも導入が義務づけられているものではありません。まずは雇用契約書や就業規則などで現在働かれている会社の労働条件を確認しましょう。


就業年数によって休職期間が決まっているなど、職場によってどのくらいの期間休むことができるのかはそれぞれです。治療が終わらない場合には主治医の判断で延長することもできますし、前段でも述べた通り、中にはさまざまな癌支援制度をも設けている企業もあります。まずは、自分の勤めている会社の規則をよく知ることが大切です。


とはいっても、癌は業務上の傷病とは異なり、休職中の社員に対する法的な雇用保障はありません。もし休職期間が長期間に渡ったり、休職期間が終わっても復職できなかったりする場合には退職扱いになることもあるので、この点も確認しましょう。

癌患者が受けられるサポートの種類

癌治療には公的な社会保険制度が適用されます。たとえば「高額療養費制度」です。「限度額適用認定証」を事前に発行しておくことで、外来診療や調剤薬局での医療費の支払額を、自己負担限度額までに抑えられ、それ以上かかることはありません。上限額は年齢(70歳未満か70歳以上か)と年収によって決められており、70歳未満・年収約370万円~約770万円の人では約9万円。入院・通院・在宅医療を問わず対象になり、患者や家族の負担を減らすことができます。ただし、先進医療にかかる費用や入院の食事代、差額ベッド代などには適用されません。


また、会社員や公務員などが、病気などで働けなくなったときに、生活を支えてくれる制度として「傷病手当金」があります。健康保険の被保険者であることを前提に、体調不良などで3日以上働けないときには、4日目からの給付を申請することができ、休業1日あたり標準報酬日額の3分の2相当額の手当をもらうことができます。受け取れる期間は最長1年6ヶ月。治療で休職が必要になったときの強い味方です。


そして、病気により重度の障害が残った場合は、65歳未満でも年金を受給できる「障害年金」という制度もあります。人工肛門の造設や、咽頭(いんとう)部摘出を受けた方のほか、日常生活で介助が不可欠だったり、生活や仕事に支障があったりする方が対象になります。


またがん関連の保障としては、国の制度だけでなく、共済事業を営む民間企業の「がん共済」を利用することもできます。上記の公的な制度とは別に「がん共済金」を受け取ることができるので、がんの経済的な負担を軽減したい場合にはぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
国立がん研究センターによる最新の統計では、医療の進歩も相まって2006年から2008年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で62.1%にまで上昇しました。またそれによって癌治療のための入院期間の短縮や通院で治療できる仕組みも整ってきており、仕事を続けながらの治療は十分可能だと言えます。癌だからといってすぐに退職や廃業を選ぶのではなく、まずは周囲に相談することから始めてみてはいかがでしょうか。


参考:
厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisaku/24.html
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000043580.pdf

国立癌センター
https://ganjoho.jp/public/support/work/qa/all/qa01.html
https://ganjoho.jp/data/public/qa_links/brochure/cancer-work/cancer-work.pdf

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