親の介護が始まる前に要チェック。知っておくべきポイントまとめ

“老後”に関するねだんのこと

2017.03.17

親のふとした行動を見て、「年をとったな……」と感じた瞬間がある人もいるのではないでしょうか。そんなとき、どうしても介護の不安が頭をよぎるかもしれません。なかでも経済面での問題に直面するもの。また、共働き世帯が多い昨今、仕事と介護のバランスをどのようにして取っていくのかも悩みどころです。


そこで、近い将来直面するであろう「親の介護」にむけて、介護にかかる費用や抑えておきたいポイント、知っておきたい制度について解説します。

親の介護にかかる費用、月に10万円を超えることも

在宅で親の介護をおこなっている人を対象にした家計経済研究所の調査によると、介護にかかった費用の平均は1カ月あたり約7万円。内訳は、介護サービスなどの利用料に約3万7000円、医療費やおむつ代に3万2000円ほど。単純計算で、年間に84万円ほどが必要となります。


在宅で介護をするならば、場合によっては段差の解消や手すりの設置など、自宅のバリアフリーへの改装が必要となるでしょう。車いすや介護ベッドなどの介護用品が必要になることも多く、生命保険文化センターの調べでは、介護に必要となった一時的な費用は平均して約91万円と報告されています。


上記はあくまでも、同居の場合。離れて暮らしながら在宅の親を介護する場合は、さらに自宅と親の家を往復する交通費や緊急時を知らせる見守りサービスの利用なども考慮する必要があります。毎日通えないようであれば、訪問介護をお願いしたり、食事の宅配を利用したりすることもあるでしょう。また、症状が重くなるほど介護サービスにかかる費用も高くなる傾向です。


在宅介護が難しくなり、入居型の施設サービスを利用したとしても、利用料のほかに居住費、食費、日常生活費がかかるうえ、状況によっては個別で介護サービスを必要とすることもあるため、費用は高くなってしまいます。


いずれの場合も介護保険が適用されれば負担額は軽くなりますが、それでも出費は避けられないでしょう。親が自身の介護に向けて蓄えていれば問題ないですが、そうでない場合は家族が負担することになります。親が元気なうちから、兄弟姉妹も含めて相談しておくのが望ましいですね。

実際に起きた介護でのトラブル

経済的な問題と同様に気になるのは、実生活と介護の両立。長期に渡ることが多い親の介護は、時として思わぬトラブルに発展することもあるようです。


<事例1>

Aさんは2人兄弟の長男。独り身の母親が要介護になったのを機に同居を始め、主にAさんの妻が介護をすることに。それまでの嫁姑関係に問題はなかったため安心していたAさんだったが、2年後、妻から突然離婚を突き付けられた。
原因は、Aさんが介護に非協力的だったこと、懸命に介護しているのに義母からの文句が多く耐えられないことなど。同居のストレスと介護の負担が同時にのしかかったことで、Aさんの妻を追い詰めてしまった結果に。


<事例2>

共働きのため、デイサービスや訪問サービスを利用しながら認知症の母親の介護をすることになったBさん夫婦。施設選びや利用するサービスの選択など、すべてケアマネージャーに任せていたという。しかし、「施設が合わない」と母親はデイサービスに行き渋るように。その旨をケアマネージャーに伝えても、「すぐに慣れますから」との回答だった。しかし、母親の嫌がり方が日に日にひどくなるため他の方へ相談したところ、施設変更を受け付けてくれたとのこと。また、適したケアプランの変更も行われた。


特に在宅の介護では主立って介護をする人に負担がかかりやすいため、家族全員でサポートする体制が必要です。サービスを利用する場合も、任せっきりにするのではなく、一緒に介護をサポートする意識を持つことが重要かもしれません。

公的サービスの利用で負担の少ない在宅介護を

家族間の介護は閉鎖的になりやすく、また、親に対しての思いや責任感から、つい頑張りすぎてしまう傾向もみられます。その結果、介護する側が心身の疲労を溜めてしまい、最悪の場合はうつになったり、家族の関係が悪化したりすることも。そのような事態を招くことなく親の介護をするためにも、公的なサービスを上手に利用することが大切でしょう。


費用、疲労の両面をサポートしてくれる介護保険制度は、要介護認定を受けた65歳以上の加入者が利用できるものです。要介護認定では、どのくらい介護が必要な状態なのかを全国一律の基準で判断し、7つの区分に分けて判定します。


要介護5:生活全般において全面的な介護が必要になるなど、もっとも重度な介護を要する状態。

要介護4:身の回りの動作がひとりでは困難、知的能力の低下がみられるなど、重度の介護を要する状態。

要介護3:入浴や排せつなどが自力でできないなど、中等度の介護を要する状態。

要介護2:支えがあれば立ち上がれる、食事や排せつなどはなんらかの介助を必要とするなど、軽度の介護を要する状態。

要介護1:食事や排せつはひとりでできるが、日常の動作や歩行が不安定など、部分的な介助を要する状態。

要支援:介護は必要ないが、生活の一部に支援が必要とされ、介護サービスの利用で心身の機能の改善が見込まれる状態。病気やケガによる心身の不安定があるかないかで「1」と「2」に分けられる。


これらの区分に応じて介護保険で支給される基準額が変わり、自己負担額が異なります。また、要介護1~5の場合には、入居型の老人ホームやデイサービス、訪問看護や入浴サービスなどが状況に応じて利用できます(特別養護老人ホームに限り、原則として要介護3以上)。


介護をされる側にとっては家族と過ごせる時間が増えるといったメリットもある在宅介護。しかし、介護をする側の負担が大きいのも事実。在宅介護にこだわりすぎず、介護する側も公的サービスを上手に利用すれば負担を抱え込むこともなくなるのではないでしょうか。自分たちのライフスタイルや親の気持ちを考慮し、双方が快適に過ごせる介護を今から検討しておくとよいですね。


参考 :
公益財団法人 家計経済研究所
http://www.kakeiken.or.jp/jp/research/kaigo2013/result1.html
公益財団法人 生命保険文化センター
http://www.jili.or.jp/mailmagazine/backnumber/150806.html
介護事業所・生活関連情報検索:厚生労働省
https://www.kaigokensaku.jp/commentary/about.html

この記事をシェアする

よく読まれている記事

1分でわかる

  • 介護共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 予定利率変動型年金共済「ライフロード」 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 医療共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • がん共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • こども共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!
  • 建物更生共済 万が一に備えてしっかり準備しよう!

↑